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Rd.14 Grand Prix of Italy
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イタリアGPを振り返る ヤルノ・トゥルーリ Q+A

●予選7番手となりレースでは6位を走行していましたが、最後は13位でした。これについてどう思っていますか?
「結果はがっかりだったが、ただしこれは運に恵まれなかったからだと思う。あのコンディションの下、残念ながら我々の戦略は上手く機能しなかった。レース全体を通じてコース状況や天候をコントロールすることはできないしね。自分たちは1回ストップを選択し、かなり良い戦略を手にしていると感じていたが、不幸にしてエクストリームウェットからスタンダードウェットへ切り替えるタイミングが私の唯一のピットストップの数周後に来てしまった。予定されていたピットストップのタイミングでは、あのコース状況だったためスタンダードウェットを履くのは不可能だった。そのためレースの更に後になってからもう一度ピットストップを行わなければならなかった。もしも天気予報通り、レース中盤に再び更に激しい雨になっていたなら、我々はかなり良い所まで行けたはずだ」

●スタンダードウェットに交換した後、何か問題を抱えていたのでしょうか?
「クルマがかなり滑っていたので、それまでほど競争力を発揮できなかった。とにかく我々にとって都合の良い流れになってくれなかったんだ。今回はより硬いタイヤを使うことになっていたため、週末の前からもしかしたらモンツァは難しいレースになるかもしれないと思っていた。だが予選後はもっと前向きになっていた。余分なピットストップが必要になり順位を落としたが、あれは純粋に運が悪かったためだ」

●雨のモンツァでドライビングするのはどんな感じでしたか?
「かなりギリギリの体験だったし、コースの性格もあり、恐らくみんなが思っているよりも状況は悪かったと思う。モンツァはF1カレンダーの中で最も平均速度が高いコースで、そのためクルマは低ダウンフォースのセッティングにする。だが雨になるとこれがあまり助けにならない。一番の問題はアクアプレーニング現象と視界の悪さだ。前のクルマについていくと、どこでブレーキングしたらいいのかすら目視が難しくなる。水しぶきがとにかく酷かったが、あれは危険でもある」

●予選トップ10に2台を送り込んだのは僅か2チームのみでしたが、トヨタはそのうちの1チームでした。この事実はどのくらいすごいことなのでしょう?
「私自身とティモ、そしてチーム全体が非常に良い仕事をした。我々は低ダウンフォースのセットアップでTF108が最高の力を発揮するとは予想していなかったが、実際の所、予選では天候が我々に味方してくれたんだ。ドライバーにとっては仕事が一層難しいものになったけどね。金曜午後のドライの走行ではクルマの感触は素晴らしくはなかったが、ウェットになったら調子が良かった。ただし予選第2セッションでの怖い瞬間を除いてね」

●その時何が起こったのですか?
「天気予報によれば激しい雨が来ることが分かっていたので、セッション序盤にタイムを出す必要があった。私は1回目のフライングラップを行ったが、その時パラボリカの前でスローダウンしていたセバスチャン・ベッテルに捕まってしまったんだ。そこで私はアクセルを緩めざるを得なかった。あのコンディションの中、あれは危険な状況だった。私は第2セッションでの最速タイムからわずか0.17秒遅れだったが、あの一件がなければ私が最速だった可能性もある」

●これでヨーロッパラウンドが終わりましたが、残り4つのグランプリに向けてどんな展望を持っていますか?
「エキサイティングになるだろうね。シンガポールは今シーズン2つ目の新しいコースだし、言うまでもなくF1初のナイトレースになる。続いて2週連続で日本GPと中国GPがあるが、例年これは面白い旅になるんだ。誰もが昨年の富士での天候は覚えているが、残り4つのレースでは天候について誰も正確に予測できないと思う。もしかしたらモンツァのようなレースがまたあるかもしれない。もちろん富士はトヨタの母国GPになるので、日本GPではかなり良い結果を目指して戦えるようみんなが士気を高めている。全体的に言って、我々には残り全てのレースでいずれもチャンスがあるはずだと、かなりポジティブに考えているよ」

●トヨタがコンストラクターズ選手権4位でフィニッシュできる自信はありますか?
「間違いなく我々は4位でフィニッシュできるはずだし、既に今シーズンは非常に力強いパフォーマンスを数多く示してきた。今年は実力で表彰台を2度獲得しているし、2戦前の段階では後続に10ポイントの差を付けていた。これは我々の競争力を適確に反映していたと思う。だがスパとモンツァでは運がなかった。この2戦では通常よりもやや戦闘力で劣ると予想していたが、現状ではルノーと同ポイントになった。今は競争力が非常に接近しているから、これからはとてもエキサイティングなバトルになるだろう。小さな物事が状況を完全に変えてしまうこともあるだろうけど、でも私には我々がルノーを倒せる自信がある。なぜなら、この2レースは我々の本当の速さを反映していないと思うからね。更なる表彰台を目指して戦えるよう、そして選手権を4位で終えられるよう、我々はあらゆる手段を尽くしていくよ」