- Round7
- TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.7 十勝スピードウェイ
プロフェッショナルシリーズ レポート
佐々木雅弘選手が激戦を制して
念願のシリーズチャンピオンを奪取
2日連続での開催となった第5戦と第7戦の十勝スピードウェイラウンド。前日に行なわれた第5戦は、ポールポジションからスタートした♯88井口卓人選手が、BRZでプロフェッショナルシリーズ初優勝を獲得するというセレモニアルな大会となった。
第5戦と同様に28台のマシンが出走することになった予選は荒れた展開となった。チームメイトのスピンを避けようとした♯370元嶋佑弥選手の不運なクラッシュにより赤旗が掲示され、多くのドライバーがタイムアタックのタイミングを逃すことになる。赤旗によって中断してしまった予選だが、中断直前にトップタイムを記録していたのは♯770山田英二選手。そして、再開後に好タイムをマークしたのは前日に優勝した井口選手で、第5戦のトップタイムを0.3秒ほど上回る1分35秒125をマーク。井口選手のタイムに続いたのが、ポイントランキング首位を走っている♯34佐々木雅弘選手だった。15分の予選の終了時点でタイミングモニター上は、山田選手がポールポジションを獲得したかに思えた。だが、ベストタイムをマークした周は、2本の黄旗が振られていたため記録が抹消。この判定により井口選手が繰り上がり、2戦連続でポールポジションを獲得した。
波乱の予選から約3時間後に決勝レースは実施された。ポールポジションスタートの井口選手は抜群のスタートダッシュで1コーナーをトップで通過。2番手には佐々木選手、3番手には2つポジションを上げた♯85織戸学選手が続いた。井口選手は2周目にはファステストラップを記録し、佐々木選手に1.2秒のギャップを築くことに成功した。だが、1秒前後のギャップを維持したまま佐々木選手も井口選手を追い続ける。両者のギャップは、中盤にさしかかる6周目には1秒を切り、7周目あたりからテールトゥノーズの展開となった。そして8周目の1、2コーナーで井口選手のインに並んだ佐々木選手は、クリーンなバトルで井口選手をパスしてトップを奪取。このバトルでリズムを崩した井口選手は、3番手の織戸選手にも並ばれそうになるが、意地を見せて押さえ込む。2番手争いが激化している間にトップの佐々木選手は後続に2秒以上のリードを築き、パッシングが難しいといわれる十勝スピードウェイで、見事に逆転優勝をもぎ取ることとなった。2位には井口選手、3位には織戸選手が入って激戦となった連続開催を締めくくった。
ポイントランキング首位で第7戦を迎えシーズン3勝目となる優勝を獲得した佐々木選手は、この結果によって2年目の開催となったプロフェッショナルシリーズを制することになった。国内のトッププロドライバーが大挙して参戦していることもあり安定した成績を収めることが難しいとされるプロフェッショナルシリーズ。佐々木選手は激戦の中でも7戦中5戦で表彰台に登り、3回の優勝と圧倒的な強さを誇った。前日にはクラブマンシリーズでも同じチームに所属する松原怜史選手がシリーズチャンピオンを獲得していて、今シーズンは「asset・テクノ」チームの年となった。
リザルト
Rank | Driver | Car name | Total time | Gap |
---|---|---|---|---|
1位 | 佐々木雅弘 | asset・テクノ・BS86 | 22'50.142 | - |
2位 | 井口卓人 | CG ROBOT BRZ BS | 22'51.879 | 1.737 |
3位 | 織戸学 | サミー☆K-one☆MAX86 | 22'52.414 | 2.272 |
4位 | 青木孝行 | ケーエムエスADVAN86R | 22'55.410 | 5.268 |
5位 | 阪口良平 | AREA86倉敷 | 22'56.962 | 6.820 |
シリーズチャンピオンドライバーコメント
チーム力やタイヤの性能など
全ての要素を味方につけてシリーズ制覇
♯34 佐々木雅弘選手
「まずはシリーズチャンピオンを獲得できて凄く嬉しいですし、ホッとしています。シーズンの開幕前から勢力的にブリヂストンのタイヤテストを行なって、戦闘力のあるタイヤが完成しました。クルマのセッティングも十分に詰めることが出来ていたのでチャンピオンを取る自信はありました。ですが初戦のもてぎではトラブルによってノーポイント。第3戦の菅生は地元ということもあり是が非でも勝ちたいと思っていて、その通りになりました。第6戦の富士スピードウェイラウンドの前にはレースカーが全損してしまうトラブルもありました。そのときに自分のレースカーを貸してくれたチームメイトの松原怜史選手には感謝しています。そんなチームメイトと両クラスでシリーズチャンピオンを獲得できたことは、言葉に言い表せないほど喜ばしいことだと思います」と苦戦したシーズン序盤からチャンピオンを決めた今戦までを振り返ってくれた。
ドライバ-ピックアップ
ランキング上位ドライバーが思う
プロフェッショナルシリーズの難しさ
♯31 青木孝行選手
「初年度から参戦していますが、今シーズンはどのマシンもタイヤメーカーも性能の極限に到達しているのだと思います。そのため予選では1秒以内に20台がひしめき合うことになっています。実力が拮抗したことは決勝レースにも影響が出ていて、今年はマシン同士のコンタクトが増えてしまいました。極限まで性能が引き上がったマシンなので、多少の無理がないとパスすることが難しいのです。接触自体は良いことではないですが、それほど白熱したレースで走ったり、成績を残すことにやりがいは感じています」と、現在の86/BRZレースは車両のポテンシャルが極限に達していると語っていた。
♯88 井口卓人選手
「十勝の2連戦は、第5戦がポールトゥウィンで第7戦は2位と結果だけ見れば非常に良かったです。しかし、両ラウンドでポールポジションを獲得できたのは運が味方したところもあり、実力だとは思っていません。ファステストラップは自信になりましたが絶対的な速さが備わったわけではないので、エンジニアさんともっと完成度の高いマシンを作っていきたいです。シーズンの後半は登り調子になっているので、この状態を維持して最終戦の鈴鹿に望みたいと思っています」と登り調子になっているが、それでもライバルよりも優れている訳ではないと厳しい見方をしていた。
♯906 阪口良平選手
「2年目となる今シーズンは、勝負の年だと思って参戦してきました。チームの地元となる第2戦では優勝できましたが、第3戦の菅生あたりからリズムが狂ってきました。タイムは出るのですが、決勝での速さが足りないこともあってレースで苦戦をしいることが増えたのです。国内のトップドライバーが集結している86/BRZレースは、少しでも調子が狂うとあっという間に順位が落ちてしまいます。シーズンを通して高いポテンシャルを維持することやマシンをマネジメントすることが非常に難しいところです」と、崩れてしまったリズムを取り戻すのが非常に難しいと語ってくれた。
次戦予告
- TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第8戦
- 開催予定:2016.10.29 ~ 30
場所:鈴鹿サーキット
※プレビューページは2016年10月中旬公開予定です。
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