TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017 シーズンエンドインタビュー

 9大会10戦、北は十勝スピードウェイから南はオートポリスまで、全国のサーキットを転戦して争われたTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race。今年も多くのエントリーを集め、どの大会でも大勢のドライバーが各々の86やBRZを駆り、ドライビングスキルや駆け引き、セッティング、戦略などを駆使して熱戦が繰り広げられ、プロフェッショナルとクラブマンの両シリーズでそれぞれ新チャンピオンが誕生してシーズンの幕が降りた。
 その5シーズン目を争ったドライバーの中から、両シリーズのチャンピオンやキーマンに今シーズンを振り返ってもらった。

ドライバーズインタビュー
プロフェッショナルシリーズ

2017年シリーズチャンピオン#97 神奈川トヨタ☆DTEC86R近藤 翼 選手

 今年はマシンが新車になったことやレギュレーションの変更がありました。その中でもチームが完成度の高いマシンを作ってくれたこととセットアップが決まったこともあり、序盤から表彰台に登れてチャンピオン争いができました。シーズンを通して優勝することができなかったのですが、それでもトラブルなく戦えたのでシリーズチャンピオンを獲得できたと思います。86/BRZ Raceは、大勢の先輩ドライバーと性能差なしに戦うことができるシリーズです。常に緊張感はありますが、成績を残せばチャンスも拡がるはずなので、活躍できて良かったです。

♯1 小倉クラッチ REVO86BS佐々木 雅弘 選手

 ブリヂストンとしては昨年から使用しているPOTENZA RE-06Dで開幕を迎えました。今年からプロフェッショナルシリーズは、新品タイヤを装着することが義務づけられていて、常にパフォーマンスを発揮できるタイヤなので、ライバル勢に対してアドバンテージがあったと思います。ですが、中盤から終盤にかけて他メーカーもニューモデルを導入してきて、開発競争が過熱しました。我々も鈴鹿サーキットラウンドでPOTENZA RE-07Dを投入して、予選で上位を独占できたのです。ただ、最終戦ではタイヤ性能と当日の路面コンディションがうまくあっていなかったことは事実で、シリーズチャンピオンを逃してしまいました。来年は、再びチャンピオンに返り咲きたいです。

♯87 KTMS 86谷口 信輝 選手

 昨年から今シーズンの前半戦は、ヨコハマタイヤを履く私と織戸選手ともに我慢のレースを強いられて、苦しい展開が続いていました。ヨコハマタイヤは様々なカテゴリーに参戦しているので、86/BRZ Raceのタイヤ開発だけを先行するわけにはいかずに、ニューモデルの投入がスポーツランドSUGOラウンドまで伸びていました。ただ、デビュー戦では表彰台を独占でき、勝てるタイヤだということを証明できたと思います。最終戦でも好結果だったので、来年が楽しみです。来シーズンは久々に86/BRZ Raceを盛り上げて、引っ張っていきたいです。

♯369 GY RACING 86平中 克幸 選手

 今シーズンは、第4戦の岡山国際サーキットラウンドで新作のEAGLE RS-SPORT V-SPECを投入して上位陣と遜色ない戦いができるようになりました。第4戦ではタイヤが出来上がったばかりでシェイクダウンも兼ねていたので、性能を引き出せたのが連勝した第5戦と6戦の十勝スピードウェイラウンドでした。中盤戦以降は、86/BRZ Raceに参戦して3年目で始めて、常にトップ10での争いができたと思います。最終戦までシリーズチャンピオンの可能性も残せていましたし。ただ、EAGLE RS-SPORT V-SPECは戦闘力が上がったとはいえ、レースラップではライバル勢に劣っているところもあります。現状の長所を活かしながら、さらに開発を進めてどのドライバーでもコンスタントに速いタイヤを作っていきたいです。

♯60 OTG DL 86服部 尚貴 選手

 今年は、本当に各タイヤメーカーの開発が鎬を削ったシーズンでした。ダンロップとしては、第4戦でアップグレードしたモデルを導入して、そのパフォーマンスによって第7戦の富士スピードウェイラウンドで初優勝することができました。勝てるタイヤを作れたということは、開発陣にとっても自信になったはずです。ただ、予選では前にいけても決勝レースで順位を下げてしまうことが多いので、いろいろと課題は残っています。来シーズンに向けては、ダンロップタイヤを履かないと勝てないようなパフォーマンスを発揮できるように開発陣とチームが一丸となって頑張っていきたいと思います。

ドライバーズインタビュー
クラブマンシリーズ

2017年シリーズチャンピオン♯38 N中部ミッドレススノコ86神谷 裕幸 選手

 去年まではプロフェッショナルシリーズでスポット参戦していて、今シーズンからクラブマンシリーズでフル参戦することになりました。走ったことのないサーキットもあったのですが、Vitz Raceのころから一緒に走っている小野田選手と情報を共有し合って戦いました。良きライバルですが、心強い仲間でもあります。また、シミュレーターを使って練習を重ねられたことも勝利の要因だと思います。シーズン当初からシリーズチャンピオンを目指していたので、獲得できて嬉しいです。会社を含めて多くの関係者やサプライヤーの協力があってこそのシリーズチャンピオンだと思っています。

♯500/600 ネッツ東埼玉ワコーズED86小野田 貴俊 選手

 クラブマンシリーズを戦ってきて、一昨年はシリーズ2位、昨年はシリーズ3位で、今シーズンも2位と、なかなかチャンピオンには届きませんね。1年間戦ってきて、勝ちきれずに本当に疲れたシーズンでした。チャンピオンにはなれませんでしたが、それでもシーズンを通して表彰台圏内で戦えたことには満足しています。いろいろなサーキットを走るなかで、得意不得意はないのですが、それでも結果がついてこないところもありました。なので、反省点や克服するところはたくさんあります。来年は常に安定して速いクルマに仕上げて、シリーズに戻ってきたいと思っています。

♯771 CUSCO BS 86
菱井 將文 選手

 昨年からレースを始めて、シリーズ5位だったのですが、今シーズンはシリーズ3位になれたので、結果からすれば良かったです。今年は開幕戦が4位で、第2戦が優勝、第3戦が3位と序盤は良かったのですが、第7戦の富士スピードウェイラウンドで車両トラブルが発生して、その後は流れが悪く、悔しい思いをしました。それでも、2年目のシーズンということで、レースの戦い方には慣れてきて楽しむこともできています。多少の駆け引きをしながら、回りをみて引くところと攻めるところが分かってきたところです。来シーズンは、全日本ジムカーナが10戦になるので、フル参戦は難しいかもしれませんが、可能な限り出場したいです。

[MOTOR GAMES TV]
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017 Rd.1~7ハイライト & Rd.8 鈴鹿サーキット

2018年の86/BRZ Raceは鈴鹿サーキットにて3月31日から開幕!

プロ・アマ問わず、全国各地から国内最多のドライバーが参戦!