2017年プレスリリース
TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム
勝田貴元、ラリー・イタリア サルディニアWRC2クラス3位入賞
勝田貴元、新井大輝が、6月8-11日に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアのWRC2クラスに参戦し、勝田・サルミネン組がクラス3位(総合14位)で入賞を果たした。一方、新井・マクニール組は不運が重なりリタイア。また同週末、コ・ドライバーの足立さやかは、フィンランドラリー選手権第5戦O.K. Auto Ralliにドライバーのヤルッコ・ニカラと参戦したが、最初のSS(スペシャルステージ)でコースオフし、リタイアとなった。
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勝田・サルミネン組
ラリー・イタリア サルディニアは、様々な道のコンディションを含む。表面が目の細かいグラベルに覆われる軟らかい道の下には硬い岩や石が隠れており、路面の状況は刻々と変化する。同じステージを2度目に走る際はさらに岩や石が多くなり、勝田、新井にとっては前戦のポルトガルをも超える難しいラリーとなった。また30度を超える気温も体力を消耗させ、二人にチャレンジングな環境を与えた。
勝田・サルミネン組は4日間を通し、堅実なペースでミスのない走りを貫いた。デイ3、SS11走行中にエンジンが止まるトラブルに見舞われたが、1分弱の停止の後、エンジンの再始動に成功。また、SS15ではパンクを喫したが、ゴールまで2キロ地点であったためそのまま走り切ることができた。運も味方につけた勝田は、これまで積み重ねてきたトレーニングの成果を存分に発揮し、WRC2クラス3位で表彰台を勝ち取った。
一方、新井・マクニール組はデイ1のSS1から不運に見舞われた。スタート前に起こった電気系統のトラブルによりペースノートが聞こえず、ワイパーも動かず前が見えない中での走行を強いられた。その後、ロードセクションで修理を試みたが直すことができずデイリタイア。デイ2は大きなトラブルなく走行を重ね、デイ3も最初のステージからよいタイムを刻んでいたものの、SS12でコースオフしデイリタイア。デイ4で再び出走したが、SS17でライン上の大きな石をヒットしドライブシャフトとサスペンションが壊れ、リタイアを余儀なくされた。新井にとっては不運が重なる厳しい戦いとなった。
フィンランド南部のコウヴォラを中心に行われたO.K. Auto Ralliは、9本のSSから成りジャンプを含む高低差のある高速グラベルラリー。ニカラ・足立組はSS1の5キロ地点、高速セクションの中、雨で滑りやすくなっていた木製の橋でグリップを失いコースオフし、走行継続を断念。足立の実戦トレーニングの場は、9月に持ち越しとなった。
■選手コメント
勝田貴元:今回のラリーはコーナー毎にコンディションが違ったことが一番難しかったです。いつパンクしてもおかしくないような道がずっと続き、今までで一番タフなラリーでした。SS11でエンジンが止まったときは、もう自分のラリーが終わったかと思いました。この難しいラリーを完走できたことは大きな収穫です。コ・ドライバーのマルコとのコミュニケーションは回を重ねる度に良くなっていて、彼のおかげで自分がフォーカスすべきことを貫くことができました。またチームのおかげで車に対して常に自信を持ってラリーに挑めています。いつも支えてくれているマルコ、インストラクターのヨウニを始め、チームの皆と家族に感謝の気持ちを伝えたいです。
新井大輝:前回に続いてのリタイアとなり、とても残念です。今回はエンジニアからのアドバイスと自分の元々のドライビングを融合させることを試み、イメージが固まってきた頃にリタイアとなってしまいました。ラリー中に学べたことは多かったのですが、結果に繋げられなかったのが残念です。ですが、きれいな走りができたステージではクラストップタイムに近い良いタイムを出せたことは励みになりました。チームともしっかり話し合い、次回に繋げたいです。
足立さやか:フィンランドの高速ラリーに対応するため、今回からペースノートで使う言葉を大きく変えました。新しい言葉で色々試したかったので、たった5キロでのリタイアはとても残念です。コースオフの原因になった橋は木でできていて突然路面が変わりました。ノート自体は悪くなかったと思いますが、雨を見込んでもっと注意の言葉を入れるべきだったと後悔しました。今後はもっと色んなことを想定し、細心の注意を払っていきます。
ヤルッコ・ニカラ:とても残念な結果に終わりましたが、今回のようなこともラリーにはつきものです。5キロ地点にあった橋はとても滑りやすく、グリップを失ってバンクにぶつかってしまいました。いくつかの原因が考えられるので、何が起こったか、これからしっかり分析します。
■講師コメント
ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター):チームにとっては、複雑な週末となりました。これまでで一番と言えるラリーを展開した勝田は、終始堅実なペースを保ち、彼とコ・ドライバーのサルミネンがこれまで積み重ねてきた努力に値する素晴らしい結果を出しました。対照的に、新井にとっては不運が重なる週末となりましたが、問題なく走行できたときには競争力のあるタイムを出せたことはよかったと思います。ニカラと足立のラリーはあまりにも早く終わってしまいましたが、私がフィンランドに戻ってから、二人と共に状況や原因をしっかり分析し、今後に向けての課題を見つけます。
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勝田貴元
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新井・マクニール組
■WRC2クラス結果(h:時間、m:分、s:秒)
1 Jan Kopecky/Pavel Dresler (Skoda Fabia R5)
3h36m36.5s
2 Ole Cristian Veiby/Stig Skjarmoen (Skoda Fabia R5)
+2m16.4s
3 Takamoto Katsuta/Marko Salminen (Ford Fiesta R5)
+7m01.9s
4 Yohan Rossel/Benoit Fulcrand (Citroen DS3 R5)
+10m44.9s
5 Pierre-Louis Loubet/Vincent Landais (Ford Fiesta R5)
+23m49.7s
リタイア Hiroki Arai/Glenn Macneall (Ford Fiesta R5)
■FRC結果(h:時間、m:分、s:秒)
1 Kalle Rovanpera/Risto Pietilainen (Skoda Fabia R5)
39m46.3s
2 Juuso Nordgren/Mikael Korhonen (Skoda Fabia R5)
+27.7s
3 Marko Manty/Joni Makela (Skoda Fabia R5)
+28.4s
4 Jesse Turunen/Kari Kallio (Hyundai i20 R5)
+51.8s
5 Juha Salo/Jarno Ottman (Peugeot 208 T16 R5)
+1m00.5s
リタイア Jarkko Nikara/Sayaka Adachi (Subaru Impreza R4)
■次戦
勝田と新井の次戦は7月14-15日にフィンランドで開催されるAutoglym Rally。高速のグラベルラリーであり、二人がその後に参戦するFIA世界ラリー選手権第9戦ラリー・フィンランドの調整を兼ねた参戦となる。また足立は、9月8-9日に開催されるフィンランドラリー選手権第6戦Uusikaupunki Ralliにヤルッコ・ニカラのコ・ドライバーとして参戦する。
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