チャレンジプログラム(ラリー) 3/7~12 現地トレーニング & Tahko SM-Ralli 参戦 レポート

3/7~12 現地トレーニング & Tahko SM-Ralli 参戦!

今回の課題

冬の環境でのトレーニングは今回が最終。気温の上昇により雪が解け始め、これまでに比べ、より一層コントロールが重要となる。そのような環境の中、前回同様、少しでも多く経験を積み、正確なペースノート作りを身に付け、参戦を通し、判断力・精神力を養う。

今回のスケジュール

  1. 3/7 Mon
    走行・ペースノートトレーニング(Huhtimäki)
  2. 3/8 Tue
    走行トレーニング(Riuttaniementie 3.8km,Lähdeahontie 4.6km)
  3. 3/9 Wed
    ペースノートトレーニング(Jukojärvi,Leustu)
  4. 3/10 Thu
    移動日&アドミニストレーションチェック
  5. 3/11 Fri
    Tahko SM-Ralli Day1(レッキ、SS1 - SS2)
  6. 3/12 Sat
    Tahko SM-Ralli Day2(SS3 - SS7)
轍の中できれいなラインを保つ練習は、両ドライバーにとって新しい経験となった。
轍の中できれいなラインを保つ練習は、両ドライバーにとって新しい経験となった。

3/7 mon - 10 thu 現地トレーニング

週末のラリー参戦に向け、3日間で走行とペースノートのトレーニングを行った。気温が上がり、柔らかくなった雪の道には走るほどに深い轍ができ、非常に難しいコンディションとなった。トレーニングにはミッコ・ヒルボネンも加わり、両ドライバーの運転を確認した。ペースノートトレーニングでは、必要な情報を入れつつも、よりシンプルなノートを作ることを課題に取り組み、両ドライバーとも、かなり苦戦した箇所もあったが、走行は順調に進んだ。
新井のコドライバーは、今回オーストラリアのグレン・マクニール選手に協力いただくこととなり、走行トレーニングから合流。 ペアを組むのは久しぶりの二人であったが、相性はよく、二人ともリラックスした表情でトレーニングに挑んでいた。勝田・バリットペアもノート確認を繰り返し行い、週末に向けて自信をつけた。

轍の中できれいなラインを保つ練習は、両ドライバーにとって新しい経験となった。
轍の中できれいなラインを保つ練習は、両ドライバーにとって新しい経験となった。
セレモニアルスタート/フィニッシュ及びサービスパークは、地元客で賑わうフィンランドのスキーリゾート。
セレモニアルスタート/フィニッシュ及びサービスパークは、地元客で賑わうフィンランドのスキーリゾート。
Day1、凍った湖の上でのSS2を走る勝田・バリット組。
Day1、凍った湖の上でのSS2を走る勝田・バリット組。

3/11 fri - 12 sat Tahko SM-Ralli

  1. DAY1 (3/11)
    - SS1 Tahkomäki(14.99km)
    - SS2 Tahkolahti(2.45km)
  2. DAY2 (3/12)
    - SS3 Niittyjärvi(14.99km)
    - SS4 Siikajärvi(32.83km)
    - SS5 Lastukoski (6.72km)
    - SS6 Vuotjärvi (10.00km)
    - SS7 Pieksä (23.34km)

フィンランド国内選手権第3戦、Tahko SM-Ralliはフィンランド東部のNilsiaを舞台に開催され、勝田、新井は今シーズン3戦目のラリーに挑戦した。7つのスペシャルステージ、総SS距離107キロのラリーである。

勝田は、前回に続いてペースノートに基づいた着実な走りを貫き、完走を果たした。勝田本人は、難しいコンディションとハイスピードのステージで、ペースノートの作成が難しかったと話したが、完走し満足そうな表情を見せた。講師のヨウニ・アンプヤも、Group Nクラスで4位という成績は立派であると、事前の戦略通りに走りをしっかりコントロールした勝田の頑張りを称えた。

一方、新井は初日にマシンのエンジントラブルが発生し、SSを走ることなく、あいにくのデイリタイアとなった。しかし、Ralli2規則に則り、5ステージを残した2日目は1本目から出走。最初のSSではペースを掴みきることができなかったが、講師やコドライバーから的確なアドバイスを受け、後半にかけて徐々にペースを取り戻し、特に最終ステージではゴール近くまでクラストップのスプリットタイムを出すなど大いに健闘した。

今回のラリーは、解けた大量の雪のため、経験豊富な地元ドライバーにとっても難しいラリーとなった。8度のチャンピオンを誇るユハ・サロ(プジョー 208 R5)も、調子が振るわず、シュコダFabia R5を駆るオーレ・クリスチャン・ヴェイビ(ノルウェー)と三菱Evo9のヤルコ・ニカラ(フィンランド)が激しく優勝を争うこととなった。結果的には、ニカラのリアデフがSS6で壊れたことにより、ヴェイビが59:10.7で勝負を制した。Group Nクラスのトップは前回同様テーム・アスンマー(スバルWRX Sti R4)。アスンマーのタイムは59:37.8で、4位の勝田との差は3:05.7であった。

セレモニアルスタート/フィニッシュ及びサービスパークは、地元客で賑わうフィンランドのスキーリゾート。
セレモニアルスタート/フィニッシュ及びサービスパークは、地元客で賑わうフィンランドのスキーリゾート。
Day1、凍った湖の上でのSS2を走る勝田・バリット組。
Day1、凍った湖の上でのSS2を走る勝田・バリット組。

トレーニング日記

Hiroki Arai
今回の目標
前回のラリーの反省を生かし、ステージをすべて走り切ること
今回参戦したラリーのコースの特徴
ジャンクションが多く、リズムの変化に加え、轍も深く走行ラインが制限される難しいラリーでした。轍から外れると極端に車が減速してしまうのでスピードが回復するまで時間がかかります。走行順も二輪クラスからのリバースオーダーで、自分たちの走るころには50台以上が走り終えた後の路面で、ラインを外すと滑りやすい雪の層が通常よりも多く残っていました。
成長できたと思う部分、学んだこと
SS6、SS7のスプリットタイムでも最終セクションまで総合ベストタイムと拮抗していたので、どこでタイムロスをしているのか自分の苦手分野を分析して改善する良い機会となりました。SS6はセカンドベストのタイム、SS7はスタックするまではクラスベストで走ることが確認でき、充実した時間が過ごせたと思います。
講師コメント
前回のラリーでは困難にぶつかったが、このラリーを通し多くのことが改善された。前日のリタイアでのペナルティのため、順位争いには加われなかったのは残念だったが、後半にかけて徐々にペースを取り戻し、多くを学ぶことができたようである。フィジカル面の強化と、よりシンプルなペースノート作成が今後の課題である。
Takamoto Katsuta
今回の目標
前回同様、雪の上のドライビングやペースノートの精度を確認し、65%のドライビングを維持できるようにトライしました。
今回参戦したラリーのコースの特徴
3月ということで気温の上昇により、雪がかなり柔らかくなっていました。
ステージ自体は高速コーナーと低速コーナーのミックスといった感じで、さらに柔らかい雪とグラベル、轍という難しい路面コンディションだったので、たくさんのコースオフ車両で外側の雪壁が無くなっているコーナーが多く、瞬時の状況判断が難しかったと感じました。
成長できたと思う部分、学んだこと
ダニエルと良いコミュニケーションを取り、すべてのステージ内外で常に落ち着いて、ラリーを進めることができました。ミスもなくしっかりマージンを築いてのドライビングを身体で覚えることができたと思います。また、四駆で深い轍を走るのが初めての経験だったので、かなり苦戦しましたが、最後には轍に入れる部分と外す部分、絶対に外してはいけない部分の判断が、見た時の状況判断でできるようになったので、大きな収穫だったと思います!
講師コメント
最初からよいスピードで走ることができており、難しいコンディションでもうまくクルマをハンドリングできていた。ハンドリング、ペースノートの作成においては冬の間に着実な成長が見られた。今後の課題は、フィジカル面の強化と、英語のペースノートに対する反応力であると考えている。
講師 ヨウニ・アンプヤ

今回のまとめ

タフコラリーは、当日の暖かい日差しにより、雪が解け、轍の多い非常に難しいコンディションのラリーとなったが、両ドライバーともよい走りで冬のシーズンを締めくくることができた。
2016年の最終的なゴールまでには、まだまだこなすべきことがあるが、彼らの成長は前向きに評価できるものであり、ドライバーは多くを経験し、学んだ。プログラムは計画通り進んでいると言える。夏のシーズンでの彼らのさらなる成長に期待してほしい。

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