7/11~7/17 現地トレーニング & 欧州ラリー選手権(ERC)第6戦「auto24 Rally Estonia」参戦
今回の課題
勝田・新井にとって初めてのERCに参戦。
第3者がレッキに同行することが認められないため、事前のテスト走行からクルーのみでペースノートを作るトレーニングを行う。自分のペースを掴み、ペースノートに沿った走行をすることを目標とし、ERCに挑戦する。
今回のスケジュール
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- 7/11
- 走行トレーニング (Korneti ラトビア)
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- 7/12
- 走行トレーニング (Sirvaste-Aiaste/Rua エストニア)
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- 7/14
- auto24 Rally Estonia (レッキ)
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- 7/15
- auto24 Rally Estonia (予選、SS1)
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- 7/16-17
- auto24 Rally Estonia (SS2-16)
7/11 mon- 12 tue現地トレーニング
週末に参戦するERCラリーエストニアに向け、事前のテスト走行もエストニア及びエストニアの道と似たラトビアのステージで実施。ERCでは、これまでのフィンランド国内選手権とは異なり、第三者がレッキ車に同乗することができないため、テスト走行でも同様にクルーだけでレッキを行い、その後講師とノートの内容を確認した。2日間で各ドライバーそれぞれ約150キロを走行。両ドライバーとも、セッティングを少しずつ変えながら走行を繰り返し、週末のラリーに向けてセッティングを行った。走行、ペースノート共に満足のいく結果が得られ、週末に向けて自信をつけた。
7/15 fri- 17 sun auto24 Rally Estonia
両選手にとって初めての挑戦となったERCは、各国から実力ある選手が集まるラリー選手権である。今回のエストニアのコースはERCの中でも特に車速の高いコースで、2人のドライバーにとってチャレンジングな取り組みとなった。
15日に行われた予選結果に基づく出走順選択により、勝田は5番手、新井は6番手でスタート。新井はSS5までクラス7位と健闘していたが、SS6のハイスピードコーナーで車両を大きく転倒させ、損傷がロールケージにまで及んだためリタイアとなった。勝田はSS3でコースオフし、リヤサスペンションを破損させてデイリタイア。メカニックにより勝田の車両は修復され、翌日にリスタートすることが可能となったが、SS11で再びコースオフし、この日もリタイアに終わった。両選手にとって苦い経験となったこのラリーだが、それぞれラリードライバーとしてレベルアップするための課題が明らかとなった。次戦までのトレーニングの中でその課題の解決を図る。
チーフインストラクターのヨウニ・アンプヤ氏は「今回は2人とも残念な結果に終わった。フィンランド国内ラリー選手権から欧州ラリー選手権へとステップアップしたが、彼らの成長スピードから考えれば早すぎることはなかった。今回のリタイアの原因は明らかで、次につなげていく過程と考えている。次戦も挑戦していく姿勢を失わずに、このプログラムを継続していく。」と語った。
トレーニング日記
- 今回の目標
- ペースノートの表記以上のことはせず、とにかく完走をして経験値を上げること
- 参戦して感じたこと
- 人生の中で最も規模の大きなラリーへの参戦となった本戦、国内選手権に比べると遥かに盛り上がっていて驚かされることばかりでした。シェイクダウン、予選を行ったのも初めて、加えて地元のトップ選手たちの尋常ならざるスピードには度肝を抜かれました。同世代の若い選手も多く参戦しているこの大会は自分の位置を知るためには最高の機会でした。
- 今回学んだこと、成長できたと思う部分
- SS6でのペースノートの表記が少し間違っていたためにコースオフしてしまい、チームやサポート、応援していただいている方の期待に応える事ができず申し訳なかったです。二度と同じ間違えをしないようにペースノートをひたすら作りこんで精度を上げていきたいです。走ることができなかった2日目は、ストップウォッチを持って観戦ポイントに行き、他の選手の走りを研究しました。スタート、シケイン、ジャンクション・・・今まで気付けなかった意外なタイムの落とし穴に気づく事ができた事も大きな収穫です。こういった課題を次回に生かしていきたいです。
- 今回の目標
- 完走して経験を積むことと、少しずつドライビングの幅を広げて行くこと。また、ステージ毎の路面の違いを感じながらマージンを取った中でペースを上げていくこと。
- 参戦して感じたこと
- どのステージもハイスピードステージで、路面はフィンランドよりも柔らかく、ラフさがありました。柔らかい路面コンディションによりコーナーによって深く轍ができているコーナーもあり、ラリー経験の少ない自分にとっては轍のあるコーナーでのライン取りに苦戦しました。ハイスピードステージは走っていてとても楽しいです。
- 今回学んだこと、成長できたと思う部分
- 完走すると言う目標を達成する事ができず申し訳ない気持ちです。テストからドライビングの幅も広がり、レッキでもペースノートの正確さも少しずつ良くいい流れを掴んでいました。SS2までダニエルとのコミュニケーションもうまく取れていたのですが、SS3でコースオフ。目から入る情報に頼りすぎてしまったのが原因で、ペースノートの情報をより正確に頭の中でイメージできていればこの様な事が無かったと思います。また、SS11でクラッシュしてしまったのは自分のメンタルサイドの問題だと感じました。今回の経験を糧に、同じミスを繰り返さないようトレーニングを重ね、今自分自身ができることをさらに努力していきます。
- 講師コメント
- 今回の二人のリタイアはとても残念だった。新井についてはレッキのミスが原因で、経験の少ないドライバーには仕方のないこと。彼の運転についての理解とコントロール能力に問題は無い。セッティングを改善するためにエンジニアやメカニックともうまく話し合いができており、走行も終始安定している。
勝田は戦略を頭では理解していたものの、その走りができなかった。テストでは、クルマをきちんとコントロールし、一定の速いスピードで走ることができており、ペースノートのスキルも向上している。しかし、経験の少ない彼にとって、競技での走行経験を重ねることが何よりも重要。
R5車両にステップアップして以降、両ドライバーとも大きなミスなく550キロのテスト走行を行ってきた。リスクを取ることなく、それぞれ自分のペースを保ち、運転をコントロールすることができると期待していたが、残念な結果となった。二人の課題はそれぞれ異なっており、今後もそれぞれにあったサポートを行いながら、次回ラリーフィンランドに向けて準備を行っていく。
7月28(木)~31日(日)にフィンランドで行われるFIA世界ラリー選手権(WRC)RC2クラス第8戦「Neste Rally Finland」に参戦!
応援よろしくお願いします!!
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