GAZOO Racing、2027年ダカールラリーへのFCEV*での挑戦に向け準備を加速

2026.10.21(水)- 16:00配信

  • GAZOO Racingが2027年のダカールラリーでエントリーする水素を使用した燃料電池自動車(FCEV)「DKR GR FC Hilux」の車両製作が完了
  • ダニア・アキールを「Dakar Future Mission 1000」カテゴリー参戦時のドライバー及びテストドライバーに選出
  • DKR GR FC Hiluxは、走行時にテールパイプからCO₂を排出せず、燃料電池スタック2基と高圧水素タンクを搭載
  • 本プロジェクトは、代替パワートレーン技術の可能性を探るトヨタのマルチパスウェイアプローチの一環で、モータースポーツおよび将来の市販車におけるテールパイプCO₂排出量の削減に貢献し得る知見の獲得を目指す

GAZOO Racingは、2027年ダカールラリーにおける燃料電池自動車(FCEV)での挑戦について、過酷な大会に臨むドライバー、およびDKR GR FC Hiluxの技術情報を含む詳細を発表しました。

「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の一環として、GAZOO Racingは新技術の実験車両を対象とする「Dakar Future Mission 1000」カテゴリーに参戦します。本プロジェクトは、トヨタとして初めて、水素を燃料とする燃料電池自動車(FCEV)での本格的なモータースポーツ競技となります。また、モータースポーツの現場で人材育成を行うGAZOO Racingの取り組みでもあります。

テスト開始:
DKR GR FC Hiluxの開発は、短期間かつ集中的な開発プログラムとして、複数の関係者による緊密な連携のもとで進められました。ベルギー・ブリュッセル近郊にあるトヨタの欧州R&Dセンター、TOYOTA GAZOO Racing W2RCチームを運営しDKR GR Hiluxを開発したOverdrive Racing、ドイツ・ケルンのTOYOTA RACING GmbHならびにトヨタ自動車が協力し、プロジェクトが進行しました。

DKR GR FC Hiluxの車両製作は完了しており、現在、競技デビューに向けた走行テストが進行中です。

ドライバー発表:
サウジアラビア出身のラリードライバー、ダニア・アキールが、テストおよびダカールラリーでのドライバーを務めます。
2021年にラリーレイドでのキャリアを開始して以来、経験豊富で実績ある選手へと成長したアキールは、初出場のダカールラリーではT3クラスでトップ10入りを果たし、2025年にはチャレンジャーカテゴリーでダカールラリーのステージ優勝を達成。その後もW2RCの2025年および2026年シーズンで複数のステージ優勝を挙げ、W2RCアブダビ・デザート・チャレンジではチャレンジャークラス優勝を果たしました。また、2024年と2025年にはOverdrive Racingがエントリーしたトヨタ・ハイラックスを駆り、FIA中東バハカップを2度制しています。

ダニア・アキール コメント:
自動車の世界で新しい技術がどのように形になっていくのかを学べる、素晴らしい機会です。このような先駆的な取り組みを運転席から目の当たりにできることは、本当に貴重な経験であり、光栄であると同時に大きな喜びでもあります。そして、ドライバーとしてのフィードバックをこれらの技術開発に活かしてもらえることは、とても特別なことです。ラリーレイドにおいて、ドライバーの最大の強みは、さまざまな地形や環境の中でレースを行い、状況の変化に柔軟かつ的確に対応する力です。新しい車両や技術の信頼性と耐久性を限界まで試すには最適だと考えます。また、進化する技術に適応することで、自分自身のスキルを高め、ドライバーとしてもさらに成長できると考えています。

主要諸元:
DKR GR Hiluxと同じプラットフォームをベースとし、チューブラーフレーム、セーフティセル、サスペンション、ブレーキを活用するDKR GR FC Hiluxは、燃料電池スタック2基を1つのシステムとして組み合わせた高出力ユニットを搭載しています。また、MIRAIと同じ高圧水素タンクを採用しています。

専用eアクスル、IAV Dragoon ECU、新たな電子システムを選定したほか、一部のカーボンファイバー部品を置き換える天然繊維パネルや、新しい高電圧冷却システムといった革新的なソリューションも導入します。車両にはTOYO TIREのOPEN COUNTRYタイヤを装着します。

量産部品と先進技術を組み合わせることで、GAZOO Racingは「Dakar Future Mission 1000」カテゴリーの過酷な環境下で各部品のテストを行い、そこで得られる経験は、将来の市販車や燃料電池用途の開発に役立つ知見の移転につながります。

オフィシャルスポンサーのJameel Motorsport、およびパートナーである株式会社デンソー、TOYO TIRE株式会社、IAV社の支援のもと、トヨタはモータースポーツにおける水素技術と燃料電池技術の可能性を探る挑戦を引き続き推進します。

DKR GR FC Hilux 主要諸元
シャシーチューブラーフレーム
ボディカーボンファイバーおよび天然繊維
パワートレーン燃料電池スタック2基(ツインスタック)-IAV ECUによる制御
システム出力400 kW
燃料圧縮水素ガス
燃料搭載量MIRAI用高圧水素タンク4本(合計8.4 kg)
冷却高電圧システム
サスペンションダブルウィッシュボーン、ストローク350 mm
全長4,500 mm
全幅2,300 mm
全高2,100 mm
車両総重量2,500 kg未満
タイヤOPEN COUNTRY M/T-R

*燃料電池自動車(Fuel Cell Electric Vehicle)