TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、6月22日（木）から25日（日）にかけて、アフリカのケニアで開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦「サファリ・ラリー・ケニア」に、カッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス／スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ／ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元／アーロン・ジョンストン組(18号車)の4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。サファリ・ラリー3年連続優勝と、今シーズン5勝目を目指します。

今年で70周年を迎えるサファリ・ラリーは、数あるイベントの中で最も過酷なラリーのひとつとして知られ、2021年に19年ぶりにWRCのカレンダーに復帰しました。その年、TGR-WRTはオジエが優勝し、TGR WRCチャレンジプログラムの勝田が総合2位でフィニッシュ。昨年はロバンペラが優勝、エバンスが総合2位、勝田が総合3位、オジエが総合4位と1-2-3-4フィニッシュを飾り、トヨタにとって通算10回目となるサファリ優勝を果たしました。その歴史的な勝利に貢献した4人のドライバーが今年もサファリに挑み、勝田は今回もTGR WRCチャレンジプログラムのサポートによる出場となります。

かつてサファリは、完全には封鎖されていない一般道路を使った、非常に長いステージによって構成されていました。現在は他のWRCイベントと同様の比較的コンパクトなフォーマットで開催されていますが、それでもこのラリーならではの多くのチャレンジが選手たちを待ち受けます。グラベル（未舗装路）のステージは、大きな石がゴロゴロ転がる荒れた区間もあれば、直進することすら困難な柔らかい砂地の区間もあるなど、難易度が非常に高いステージが多くあります。また、雨が降るとコンディションが一変し、乾いた埃っぽい路面が一瞬にして深い泥の路面に変わることもあります。

ラリーのルートは昨年大会と重なる部分が多く、サービスパークは首都ナイロビから北側に約100km離れたナイバシャ湖の近くに置かれます。21日（水）の午前中にはサービスパークの近郊でシェイクダウンが行われ、22日（木）はナイロビに移動し町の中心部でラリーがスタート。午後2時過ぎからナイロビ近郊のカサラニでSS1として4.84kmのスーパーSSが行われ、競技が始まります。23日（金）はナイバシャ湖を中心に、反時計回りに3本のステージを日中のミッドデイサービスを挟んで各2回走行。24 日（土）は今大会最長の一日となり、選手たちはエルメンテイタ湖まで北上し3本のステージを日中のミッドデイサービスを経て各2回走行。SSの合計距離は150.88kmとなります。最終日の25日（日）は再びナイバシャ湖周辺が舞台に。反時計回りに、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行し、そのうちSS14/17「マレワ」は、2021年に使用したステージを一部見直したものとなります。また、SS16の再走ステージとなる最終のSS19「ヘルズゲート2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4日間で19本のステージを走行し、その合計距離は355.92km。リエゾン（移動区間）も含めた総走行距離は1190.79kmが予定されています。

なお、今年のケニアでは、コンセプトカーであるHilux MHEVもテストカーとしてデモ走行します。アフリカ大陸のようなインフラが未整備な市場におけるカーボンニュートラル実現に向けた一つの選択肢としての試みです。WRCで4度世界王者に輝き、かつてトヨタWRCチームの一員としても活躍したユハ・カンクネンがステアリングを握ります。