4月10日(金)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦クロアチア・ラリーの競技初日デイ1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の2クルーが躍進。TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(GR YARIS Rally15号車)が首位に立ち、TGR-WRTの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合3位につけました。なお、TGR-WRTのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)および、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は、デイリタイアとなりました。
2年ぶりのWRC開催となるクロアチア・ラリーは、9日木曜日の午前中にシェイクダウンが行われ、全長3.44kmのターマック(舗装路)ステージで、開幕戦ラリー・モンテカルロの勝者ソルベルグが最速タイムを、第3戦サファリ・ラリー・ケニアでWRC初優勝を飾った勝田が2番手タイムを、第2戦ラリー・スウェーデンを制したエバンスが4番手タイムを、スウェーデンとサファリで3位表彰台を獲得したパヤリが7番手タイムを記録。その後、首都ザグレブに代わり新たにホストタウンを務めることになった沿岸都市「リエカ」で、夜7時過ぎから始まったセレモニアルスタートでラリーは開幕しました。
競技は、一夜明けた10日金曜日の朝9時過ぎからスタートし、リエカの西側エリア、アドリア海に突き出すイストリア半島に新たに設けられた、4本のターマックステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その合計距離は126.86kmと長く、3日間で最長の一日になりました。ラリー前は天候の悪化も予想され、降雪の可能性もあったため本来は設定がなかった雪道用のスタッドレスタイヤも急遽用意されましたが、デイ1は一日を通してドライコンディションでの戦いになりました。
オープニングのSS1では、エバンスがベストタイムを、パヤリが8.1秒差の2番手タイムを記録。一方、ソルベルグはスタートして約4kmの地点でワイドに脹らみバンクに接触。クルマはスピンして道の反対側の路肩に落ち、スタックしてしまいました。その結果、ソルベルグは残念ながらデイリタイアとなりました。続くSS2ではエバンスが、2番手タイムのパヤリに7.7秒差をつけ連続でベストタイムを記録。首位エバンスと総合2位パヤリの差は15.8秒に拡がりました。ところが、エバンスはSS3でコースオフ。デイリタイアとなってしまいました。なお、ソルベルグ、エバンスともに土曜日のデイ2で再出走を予定しています。
エバンスのデイリタイアによりパヤリが首位に立ちましたが、SS3ではティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がベストタイムを刻んで総合2位に順位を上げ、ふたりの差は2.7秒に。しかしパヤリは午前中最後のSS4でベストタイムを記録し、このステージで2番手タイムを刻み総合2位に順位を上げた勝田に8.4秒の差を築いて午前中のループを終えました。
リエカ近郊、グロブニク・レーシングサーキットでのミッドデイサービスを経て始まった午後の再走ステージでは、1本目のSS5でパヤリが2番手タイムの勝田に1.8秒差をつけるベストタイムを記録。差は10.2秒に拡がりました。続くSS6ではヌービルがベストタイム、勝田は2番手タイム。3番手タイムのパヤリは首位を守りましたが、勝田は総合3位へと後退しました。SS7でもヌービルがベストタイムを記録したことにより、パヤリとヌービルの差は6.3秒に縮ましました。しかし、一日の最後のSS8ではパヤリがベストタイムを刻み、ヌービルとの差を13.7秒に拡大して首位で一日を終えました。なお、パヤリがデイを終えた時点で首位に立つのは今回が初となります。
一日の最後のSS8で2番手タイムを記録した勝田は、総合3位は変わらずも、総合2位ヌービルとの差は僅か0.9秒に。TGR-WRTのマニュファクチャラーズポイントを獲得するという重責を負って一日を走行しながらも、良い位置で競技初日を締めくくりました。
サポート選手権であるWRC2では、GR Yaris Rally2のアレハンドロ・カチョンが3位、総合でも8位に。ローペ・コルホネンはWRC2で5位、総合10位につけています。また、TGR WRCチャレンジプログラムのドライバーとしてGR Yaris Rally2で出場の山本雄紀は、WRC2にはエントリーしてはいませんが、Rally2クラス6位、総合12位につけています。
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
今日は私たちにとって複雑な感情が入り混じった一日でした。オリバーとエルフィンがこれほど早くリタイアしてしまったのはもちろん残念ですが、これがラリーというものですし、このようなことも時折起こり得るものです。今日のステージはドライバー全員にとって初めてのコースでしたし、間違いなく非常にトリッキーな道でした。一方で、サミがラリーをリードし、貴元が3位につけるなど、我々は依然優勝を争っています。二人とも今日のコンディションの中で安定感があり、ミスもなく、本当に素晴らしい走りを見せてくれました。明日もこの調子で走り続けてくれることを願っています。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
今朝は本当に良いスタートを切ることができました。クルマのフィーリングは良く、最初の2本のステージでは速さもありました。しかし、残念ながら3本目のステージでコースアウトするという、私たちにとってはちょっとした災難に見舞われてしまいました。コーナーが予想以上にきつく、そこに高いスピードで進入してしまったのです。せっかくのポテンシャルを活かせなかったことが本当に悔しいですし、チームにも申し訳なく思っています。今の目標は日曜日に向けて調子を取り戻し、ポイント面でどれだけ挽回できるかを見極めることです。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
今朝最初のステージでの出来事は本当に残念でした。ハードタイヤを装着してラリーコンディションのステージを走るのは初めてだったので、経験が不足していたことを考えると、少し楽観的すぎたのかもしれません。グリップを読み違えてコーナーに少し高いスピードで入ってしまい、コースを外れてウォールに当たってしまいました。チームには本当に申し訳なく思っていますが、この経験から学びを得たいと思っています。クルマのフィーリングは良かったですし、明日はさらに学びを深め、日曜日のポイント獲得に向けて準備を整えるチャンスだと思っています。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
午前中のループですでに多くのハプニングを目にし、チームにとってはかなり厳しい状況でした。オリバーとエルフィンがコースオフしてしまったのは残念でしたし、その時点で、自分が走り続けることが重要であると理解していました。ステージはグリップの変化が激しく非常にトリッキーで、ミスをしやすい状況でした。そのため大きなリスクは冒しませんでしたが、フィーリングとペースには満足していますし、うまくコントロールできていたと思います。まだ先は長く、何が起こるかわかりません。明日は路面の泥が増えて、さらに厳しい戦いになるかもしれません。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
今日のステージは本当にトリッキーで、午前中の時点でミスをしやすい状況であると分かっていました。午前中は完全には調子が良くなかったのですが、非常にクレバーかつ安定したペースで走ることができ、それが功を奏したと思います。そして午後は状況をコントロールしやすくなったと感じ、特に今日の最後のステージでは、走りをより楽しむことができました。今夜は首位に立てて良い気分ですが、まだまだ先は本当に長いと分かっています。明日も決して楽にはならないでしょうし、また厳しい一日になると思います。
<<クロアチア・ラリー デイ1の結果>>
1 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h12m18.5s
2 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +13.7s
3 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +14.6s
4 ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m15.0s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m54.6s
6 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +2m45.9s
7 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +3m08.0s
8 アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ (トヨタ GR Yaris Rally2) +3m27.9s
9 レオ・ロッセル/ギヨーム・メルコレ (シトロエン C3 Rally2) +3m35.1s
10 ローペ・コルホネン/アンシ・ヴィニッカ (トヨタ GR Yaris Rally2) +3m47.0s
49 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +59m34.5s
51 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1h19m34.5s
(現地時間4月10日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる11日土曜日のデイ2は、リエカの東側エリアが戦いの舞台になります。デイ2はミッドデイサービスの設定がなく、古都「カルロヴァツ」に設定されたタイヤフィッティングゾーンでの15分間の簡易的な整備作業のみで、4本のステージを午前と午後で各2回走行。4本のステージのうち3本は、過去に使用されたことのあるステージとなります。8本のステージの合計距離は115.96km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は409.13kmとなります。
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