5月31日(日)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリージャパンの最終日デイ3が愛知県で行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)が優勝。セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)は総合2位、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は総合3位、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合4位、前日のデイリタイアから再出走したオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は総合21位でフィニッシュしました。
ラリージャパンの最終日デイ3は愛知県内が戦いの舞台に。ヌカタ(額田)、レイク・ミカワコ(三河湖)という2本のステージを、シェイクダウンの逆送となるSS17/18「クラガイケSSS」および豊田スタジアムでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は74.06kmと3日間でもっとも短く、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は226.29kmでした。最終日はやや雲が多い朝となりましたが、降雨はなくステージの路面は一日を通してドライ。最終日に相応しい絶好のコンディションで熱い戦いが繰り広げられました。
前日のデイ2が終了した時点で総合2位のオジエに17.8秒、総合3位のパヤリに44.4秒差を築いていた首位エバンスは、デイ3オープニングのSS15でベストタイムのソルベルグと2.1秒差の2番手タイム。SS16では今大会初のベストタイムを記録した勝田と2.7秒差の5番手タイムとなり、その時点でオジエとの差は17.8秒と、デイ2終了時点のタイム差をキープしました。続くクラガイケSSSでの2本のステージはオジエが、SS17で2番手タイムをシェアした勝田とソルベルグに0.4秒差、SS18では2番手タイムのソルベルグに0.7秒差の連続ベストタイムを記録。首位エバンスとの差は15.5秒と僅かに縮まりました。
豊田スタジアムでのミッドデイサービスを経て始まった再走ステージの1本目、SS19ではソルベルグが、2番手タイムの勝田に4.4秒差をつけるベストタイムをマーク。オジエは3番手タイム、エバンスは4番手タイムとなり、トップ2の差は13.3秒差とさらに縮まりました。そして迎えた最終のパワーステージ、SS20「レイク・ミカワコ2」をエバンスは5番手タイムで走破。オジエは3番手タイムでしたが順位は変わらず、エバンスが総合2位オジエに12.8差をつけて優勝。第2戦ラリー・スウェーデン以来となる今シーズン2回目、ラリージャパン通算3回目となる優勝を飾りました。エバンスはパワーステージ5番手タイムと、日曜日のみの合計タイムで競われる「スーパーサンデー」4位によるボーナスの3ポイントも獲得し、ドライバー選手権では首位の座をキープ。ドライバー選手権2位の勝田に対するリードを20ポイントに拡大しました。今回の勝利によりエバンスのWRC通算優勝回数は13勝となり、表彰台獲得回数は50回となりました。
総合2位のオジエは、パワーステージ3番手タイム、スーパーサンデー3位でドライバー選手権では6位から5位へとポジションアップ。総合3位のパヤリはパワーステージ4番手タイム、スーパーサンデー5位で、ドライバー選手権では5位から4位へと順位を上げました。パヤリは今大会でも表彰台に立ったことにより、今シーズンのポディウム登壇は5回目となり、速さと安定性を高いレベルで両立し続けています。また、デイ1で遅れをとりながらもデイ2で順位を挽回した勝田は総合4位でフィニッシュし、パワーステージ2番手タイム、スーパーサンデー2位で多くのボーナスポイントを獲得。ドライバー選手権2位の座を守りました。ソルベルグは最終日、パワーステージとスーパーサンデーの両方でトップに。ソルベルグのベストタイムにより、GR YARIS Rally1は直近のターマック3戦で50ステージ連続となるベストタイムを獲得。現行Rally1車両による最後のターマックラリーを最高の形で締めくくりました。
TGR-WRTはエバンスの優勝による25ポイントと、オジエの総合2位による17ポイントに加え、ボーナスの17ポイントを獲得。マニュファクチャラー選手権首位の座を守り、選手権2位のライバルに対するリードを127ポイントに拡げました。
サポート選手権のWRC2では、昨年のラリージャパンWRC2勝者であるアレハンドロ・カチョン(スペイン)が、最終ステージまで首位と激しい優勝争いを繰り広げ、18.3秒差の2位(総合11位)でフィニッシュ。また、TGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀は、WRC2カテゴリー3番手タイムを3回記録するなど最終日も速さを示し、自身初となる3位表彰台を獲得。総合でも12位でフィニッシュしました。
<<豊田 章男 (TGR-WRT会長)>>
エルフィン、スコット、3度目のラリージャパン優勝おめでとう!
昨年までの紅葉の道でも速かったし、今回の新緑の道でもエルフィンは速かった。モリゾウと走った蒲郡でもエルフィンは一番速かった。
きっと日本の道との相性が良いんだと思います。
そして私の目の前で何度も勝ってくれたドライバーもエルフィンだけです。
きっとモリゾウとの相性も抜群なんだと思います。
もし今度大事なラリーがあったら、ぜひモリゾウを呼んでください。
すぐに秘書とスケジュールの相談をしたいと思います。
セブとサミのおかげもあって1-2-3フィニッシュ。
今回はその表彰台に新たなCEOの近も連れていってもらえました。
「お金大好き」を自称する経理出身の彼ですが、
実際はドライバーとして草ラリーにも出るほどのクルマ好き。
はじめてポディウムに連れて行ってもらえたことを、
エルフィンやチームのみんなに感謝していました。
オリバーと貴元にとっては悔しいラリーでした。
特にオリバーは、私がサービスに訪れた時が一番辛そうなタイミングでした。
落ち込むオリバーにヤリ-マティやユハが声を掛け、
さらにはセブがアドバイスを送り肩をポンと叩いていました。
このチームの強さを改めて実感できた嬉しいシーンでした。
今までならラリージャパンを終えて一息つける時季でしたが今回からは違います。
まだまだシーズンの折り返し。そしてこの先はグラベルの厳しい道ばかり。
チームのみんな、まだまだハードワークをよろしくお願いします!
<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
我々チームはラリージャパンでまたしても素晴らしい結果を残すことができました。ホームタウンである豊田市で4年連続優勝を達成し、さらに4年間で3回目となる表彰台独占を果たせたことを、私たち全員が誇りに思うべきでしょう。エルフィンはテクニカルな路面や刻々と変化するコンディションが特徴のこのラリーにおいて、まさに達人の域に達しているといえますし、今回もスタートからフィニッシュまで完全にラリーを支配していました。セブとサミも素晴らしい走りを見せ、再び表彰台に上がりました。貴元はラリー序盤の苦しいスタートから見事に巻き返し、オリバーも日曜日に得られる最大ボーナスの10ポイントを獲得し、今日の目標を達成しました。また、雄紀がホームイベントで力強い走りを見せ、WRC2で初表彰台を獲得したことも大変嬉しく思います。このように、私たちにとって今回のラリージャパンも大成功で終えることできました。チーム全員の素晴らしい働きに感謝します。そして、今週末ここ日本で目にした、ラリーへの熱い応援と情熱にも心から感動しました。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
今回もラリージャパンで優勝し、我々チームが成し遂げた素晴らしい結果の一翼を担えたことを、本当に嬉しく思います。今回も素晴らしいクルマを用意してくれたチーム全員、そしてモリゾウさんにも感謝します。彼のサポートへの感謝の印として、この勝利を報告することができて本当に嬉しいです。チームメイトからのプレッシャーもあって終始接戦となり、バトルを楽しむことができました。ラリー序盤から良いスタートを切り、有利な出走順を活かして金曜日に良いタイムを記録し、それを最後まで維持することができました。このクルマでの最後のターマックラリーは本当に楽しかったですし、勝利で締めくくることができて本当に嬉しかったです。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
ラリージャパンでの1-2-3-4フィニッシュは、チームにとってまたしても素晴らしい結果になりました。エルフィンとスコットはこの週末非常に強く、優勝に相応しい戦いをしたと思います。おめでとう! 私としては、いつものように優勝を目指してここに来たので、2位という結果に完全に満足することはできませんが、だからといって決して悪い結果ではありません。今回はクルマ全体のパッケージに関して完璧なフィーリングを得られたとは言えなかったですが、それでもこの週末はまずまずの仕事ができたと思いますし、自分たちにできる最大限の戦いをしたとも思います。チーム、そしてモリゾウさんのために今回も好結果を残す一助となれたことを嬉しく思います。いつも大きなサポートをしてくださっていることに心から感謝します。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
TOYOTA GAZOO RacingのRally1ドライバーとして初めてラリージャパンに出場し、ファンの皆さんからの熱い情熱とサポートを感じることができたのは素晴らしい経験でした。クルマのフィーリングは素晴らしく、パフォーマンスも最高でした。自分のベストを尽くしましたが、残念ながら昨日は予想外の滑りやすい路面で足をすくわれてしまいました。非常に残念でしたが、最終日は再びクルマの調子がとても良く感じられました。タイヤに厳しいパワーステージでの走りは完璧ではありませんでしたが、それでも今朝目標に掲げていた、最大のボーナスポイントを獲得するというターゲットを達成できたことは嬉しく思います。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
自分たちのチームが日本で1-2-3-4フィニッシュを達成できたことは素晴らしいと思います。自分自身の結果には満足していませんが、力強く巻き返すことができたのは良かったです。今日はもっとプッシュできると感じられましたし、ペースもかなり良く、最終的に多くのポイントを獲得することができました。チーム全員、そしてターマックで信じられないほど素晴らしい走りができるこのクルマを準備してくれたみんなに心から感謝します。そして、今回も自分たちを応援してくださった日本のファンの皆さんにも心から感謝します。今回は表彰台に上がれず申し訳ありませんが、皆さんに優勝をお届けできるように来年も頑張ります。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
いい気分ですし、再び表彰台に戻ることができて嬉しいです。ポルトガルでの出来事さえなければ、今頃素晴らしい連勝記録が続いていたはずです! 金曜日は最高のスタートとは言えなかったですが、それ以降は素晴らしいペースを発揮し、何度かステージ優勝もできたので全体的には非常にポジティブです。今回が、このクルマでの最後のターマックラリーとなってしまったのは残念です。なぜなら、ターマックでの走りが本当に楽しかったからです。今回、チームがまたしても素晴らしい結果を残したことを嬉しく思います。皆さん、本当にありがとう。そして、これからも頑張って行きましょう。
<<山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)>>
地元開催のラリージャパンで、WRC2での初表彰台を獲得できたことは自分にとって本当に特別なことです。チーム、そして週末を通して応援してくれた日本のファンの皆さんに心から感謝します。皆さんの声援が自分たちにさらなるエネルギーを与えてくれましたし、今はただただ幸せです。このラリーでの自分の目標は、表彰台に立つことでした。金曜日の朝はコンディションがトリッキーで、そこで少しタイムを失ってしまいましたが、その後は非常に速く、安定したペースで走り、力強く巻き返すことができました。後方のライバルに十分なリードを築いた後でも、結果のことをあまり考えすぎず、ただ次のステージに集中して集中力を切らさないようにしました。今後のラリーに向けて自信がつきましたし、近い将来、今回と同じか、あるいはそれ以上の結果を残せることを願っています。
<<ラリージャパンの結果>>
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) 3h17m08.0s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +12.8s
3 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +51.4s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m03.5s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +2m34.8s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +3m13.6s
7 ヘイデン・パッドン/ジョン・ケナード (ヒョンデ i20 N Rally1) +4m44.8s
8 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン (フォード Puma Rally1) +5m45.2s
9 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) +9m21.3s
10 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +9m23.0s
21 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +49m43.6s
(日本時間5月31日19時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<WRC2の結果>>
1 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (ランチアYpsilon Rally2 HF Integrale) 3h26m29.3s
2 アレハンドロ・カチョン/ボルハ・ロサダ (トヨタ GR Yaris Rally2) +18.3s
3 山本 雄紀/ジェームス・フルトン (トヨタ GR Yaris Rally2) +2m54.4s
4 エミル・リンドホルム/ガブリエル・モラレス (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m50.3s
5 新井 大輝/立久井 大輝 (トヨタ GR Yaris Rally2) +7m37.6s
6 勝田 範彦/保井 隆宏 (トヨタ GR Yaris Rally2) +14m12.1s
<<第7戦終了時点でのドライバー選手権順位>>
1 エルフィン・エバンス 151ポイント
2 勝田 貴元 131ポイント
3 オリバー・ソルベルグ 102ポイント
4 サミ・パヤリ 96ポイント
5 セバスチャン・オジエ 90ポイント
6 アドリアン・フォルモー 89ポイント
7 ティエリー・ヌービル 73ポイント
8 ヘイデン・パッドン 21ポイント
9 エサペッカ・ラッピ 21ポイント
10 ヨアン・ロッセル 20ポイント
<<第7戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位>>
1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 370ポイント
2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 243ポイント
3 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 106ポイント
4 M-Sport Ford World Rally Team 85ポイント
<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、6月25日(木)から28日(日)にかけて、ギリシャで開催される第8戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」です。昨年までは中央ギリシャ地方のラミアを中心に開催されてきましたが、今年は首都アテネの中心部から西に約90km離れたシーサイドタウン、ルートラキがラリーの中心に。ただし、いくつかのステージはこれまでと同じエリアで行われ、山岳地帯の非常に荒れたグラベルロード(未舗装路)が戦いの舞台となります。6月は例年気温がかなり高くなるため、今年もクルマとタイヤとドライバーに非常に厳しいラリーとなることが予想されます。
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