WRC 第9戦 ラリー・エストニア デイ1 ハイスピードグラベル・ラリーのエストニアが開幕
初日の全SSを制したパヤリが首位に立ち、ソルベルグが総合2位につける

2026.07.18(土)- 07:00配信

7月17日(金)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・エストニアが開幕。デイ1としてエストニア南部タルトゥのラーディに設けられたサービスパークを起点に7本のステージが行われ、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(GR YARIS Rally1 5号車)が首位に立ち、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)が総合5位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合9位につけました。なお、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)はSS6でタイヤにダメージを負い、デイリタイアとなりました。

5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)

前戦アクロポリス・ラリー・ギリシャは荒れた未舗装路面を走行するサバイバル色の強いラフグラベル・ラリーでしたが、ラリー・エストニアは非常にスムースかつハイスピードなグラベルステージが戦いの主舞台に。走行初日となるデイ1は、午前中にシェイクダウンが行われた後、午後1時過ぎから競技がスタート。全18本合計301.80kmのステージを48時間少々で走り切るという、3日間の凝縮された戦いが始まりました。

朝8時過ぎにスタートしたシェイクダウンでは、ドライバー選手権首位のエバンスと、選手権4位につけるパヤリが最速タイムをシェア。選手権2位の勝田は3番手、昨年このラリーで初めてGR YARIS Rally1をドライブしWRC初優勝を飾ったソルベルグは4番手、2021年以来のエストニア出場となるオジエは5番手のタイムを記録しました。

デイ1はサービスパークの南側エリアで3本のステージを、タイヤフィッティングゾーンを挟んで各2回走り、一日の最後にはエルヴァの市街地で全長1.72kmのスーパーSSをSSS7として走行。7本のステージの合計距離は103.42kmでした。ステージは全体的にドライコンディションとなり、ルースグラベルが道の表面を覆う非常に滑りやすいセクションも多くありました。そのため、出走順1番手のエバンス、2番手の勝田、3番手のオジエなど選手権上位のドライバーたちは、ルースグラベルを掃き飛ばしながらの不利な条件での走行を余儀なくされました。

オープニングステージのSS1では、出走順4番手のパヤリがベストタイムをマーク。続くSS2、SS3でもパヤリは最速タイムを刻み、SS2で2番手タイムを記録して総合2位に順位を上げたソルベルグに対し、4.1秒のリードを築きました。波に乗るパヤリは、タイヤフィッティングゾーン後の3本の再走ステージも全て制し、ソルベルグとの差を14.1秒に拡大。さらに、エルヴァの市街地で行われた最終のスーパーSSでもベストタイムを記録するなど、デイ1の全ステージを最速で駆け抜け、総合2位ソルベルグとの差を14.7秒に拡げてデイ1を締めくくりました。ソルベルグはパヤリのペースにはやや及びませんでしたが、スーパーSS以外のステージを全て2、3番手のタイムで走り抜き、総合3位アドリアン・フォルモー(ヒョンデ)と1.8秒差ながら総合2位の座を守りました。

久々のラリー・エストニア出場となったオジエは、確実性の高い走りでデイ1を走行し、総合4位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)と9.3秒差の総合5位で初日を走破。また、出走順トップのエバンスは忍耐強く一日を戦い、総合9位につけました。エバンスと同じくルースグラベルの影響を大きく受けた勝田は、SS5終了時点で総合6位につけていました。しかしSS6でタイヤにダメージを負い、交換可能なスペアタイヤが残っていなかったためデイリタイアとなりましたが、明日のデイ2では再出走を予定しています。

サポート選手権のWRC2では、トップと2.5秒差の2位にテーム・スニネン(フィンランド)が、5秒差の3位にローぺ・コルホネン(フィンランド)が、7.4秒差の4位にTGR WRCチャレンジプログラムのグローバル生で、SS3で自身初のベストタイムを記録したヤスパー・ヴァヘル(エストニア)がつけるなど、3台のGR Yaris Rally2が首位争いに参加。また、同じくGR Yaris Rally2で出場するTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀はSS1でスピンを喫するも14位に、松下拓未は16位に、後藤正太郎は17位につけています。

<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
サミは今日、素晴らしい走りを見せてくれました。全ステージで最速タイムを記録したのは本当に驚くべきことですし、素晴らしいことです。シェイクダウンの段階から彼はクルマのフィーリングに満足していて、何も変更する必要はありませんでした。笑顔でリラックスして楽しんでいるので、このまま好調を維持してくれることを願っています。オリバーとセブも安定していましたし、明日はさらに力強い走りができると確信しています。また、エルフィンも明日は出走順が少し改善されるので、より良い走りができるはずです。貴元は今日は不運でしたが、気持ちを切り替えて前に進まなくてはなりません。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
非常に滑りやすいコンディションの道を出走順トップで走行したため、ラリーの序盤は厳しい展開となりました。できる限りのことは試しましたし、走りのフィーリング自体はそれほど悪くありませんでした。それでも競争力のあるタイムを出すことができず、後方からスタートしたドライバーたちがより速いタイムを出すのを見ると、少しがっかりしました。幸いにも午後は轍ができてきたのでタイムロスもそれほど大きくなく、明日は少なくとも自分たちより前にスタートするクルマが数台いるので、状況は少し良くなるはずです。

<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
まずまずの一日だったと思います。5位で満足するなんて私が絶対に言わないことは、誰もが知っていると思いますが、ここに来る前から厳しい戦いになることは分かっていました。5年ぶりにこのラリーに出場し、出走順3番手で走ったことを考えれば、まずまずの仕事ができたと思います。サミは今日飛ぶように速かったですし、称賛すべき走りでした。全ステージを制覇したのは特別なことです。私たちとしては、もう少し改善するためにやるべきことはまだあります。クルマと自分の走りを改善し、明日はトップのペースに近づき、順位を上げられるように頑張ります。

<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
2位はそれなりに良い順位ですが、完全には満足することができない一日でした。午前中は接戦でしたが、午後は、一日を通して素晴らしい走りをしたサミと比べると、タイムの面で少し苦戦しました。フィーリングを掴み、プッシュできるスイートスポットを見つけることに苦労しました。それでも差はそれほど大きくはないので、細かい部分の改善を続けます。明日は長い一日ですし、ステージの1回目と2回目を同じタイヤセットで走ることになるので、タイヤマネージメントが重要になるでしょう。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
今日は予定通りには行かず、午前中からかなり苦戦しました。クルマのセットアップをソフト寄りにしすぎたせいか、超高速セクションではあまりうまく機能しませんでした。タイムロスをできる限り最小限に抑えようと努めていたのですが、残念ながらセカンドループでタイヤ2本にダメージを負い、走行を続けることができなくなってしまいました。非常に残念ですが、明日からもベストを尽くして戦います。

<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
一日を終えて非常に満足しています。全ステージを制して首位に立てたのは本当に良かったですし、何よりもステアリングを握っている時の感覚が最高でした。ごく自然に、良い流れの中で運転することができました。もちろんプッシュはしましたが、大きなリスクを冒しているような感覚はなく、コントロールできていると感じていました。午前中はライバルたちとかなり接戦でしたが、午後には少し差を拡げることができました。とはいえ、まだ金曜日です。これから2日間の長い戦いが残っているので、気を抜くことはできません。それでも明日が楽しみですし、この楽しさをただ味わい続けたいと思います。

<<ラリー・エストニア デイ1の結果>>
1 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 49m43.5s
2 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +14.7s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +16.5s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +24.0s
5 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +33.3s
6 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +44.7s
7 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン (ヒョンデ i20 N Rally1) +46.5s
8 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +46.6s
9 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +49.8s
10 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン (フォード Puma Rally1) +1m04.3s
41 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +11m32.5s
(現地時間7月17日23時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

<<明日のステージ情報>>
競技2日目となる18日(土)のデイ2は、サービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行。ミッドデイサービスを経て、午後はサービスパークの南側エリアで2本のステージを2回走った後、サービスパークのすぐ近くで1.76kmのスーパーSSをSSS16として走行します。9本のステージの合計距離は149.6kmと3日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は478.13kmとなります。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
1号車(セバスチャン・オジエ、ヴァンサン・ランデ)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)

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