7月18日(土)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・エストニアの競技2日目デイ2が、エストニア南部タルトゥのラーディに設けられたサービスパークを中心に行われ、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(GR YARIS Rally1 5号車)が首位を守り、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のオリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)は総合2位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)は総合5位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合6位に、前日のデイリタイアから再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合26位につけました。
ラリー・エストニアのデイ2は、サービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行。その後ミッドデイサービスを経て、午後はサービスパークの南側エリアで2本のステージを2回走り、一日の最後にはサービスパークのすぐ近くで1.76kmのスーパーSSを走行。9本のステージの合計距離は149.6kmと、3日間で最長でした。デイ2もまた好天に恵まれ路面は概ねドライでしたが、デイ2は軟らかい路面のステージが多く、2回目の走行では深い轍が刻まれ、非常にトリッキーなコンディションになったセクションも多くありました。
デイ1の全ステージでベストタイムを刻んで首位に立ち、総合2位のソルベルグに対し14.7秒のリードを築いたパヤリは、デイ2でも好調を維持。オープニングのSS8、SS9でベストタイムをマークし、連続ベストタイム記録を9に伸ばしました。その結果、朝の2本のステージで2番手タイムだったソルベルグに対するリードは17.6秒に拡がりました。しかし、続く2本の再走ステージではソルベルグが連続ベストタイムを記録。両者の差は14.1秒に縮まりました。
ラーディでのミッドデイサービスを経て始まった、南側エリアでのステージではSS12、SS13、SS14と3ステージ連続でパヤリがベストタイムをマーク。ソルベルグに対するリードを25.8秒と大きく拡げました。続くSS15ではソルベルグとパヤリが2番手タイムをシェアし、タイム差は変わらず。サービスパークのすぐ近くで行われたデイ2最終のスーパーSS、SS16ではソルベルグがベストタイムを刻むも順位は変わらず、パヤリは25秒のリードを保ち首位でデイ2を締めくくりました。
デイ1で総合5位につけたオジエは、デイ2でも確実性の高い走りを続け、順位を堅守しました。また、選手権リーダーとしてデイ1では不利な出走順トップを担ったエバンスは、デイ2では出走順が3番手とやや改善されたこともありペースが向上。最初の2本のステージで総合9位から3ポジションアップに成功し、オジエと30.1秒差の総合6位で一日を終えました。デイ1でタイヤにダメージを負いデイリタイアを余儀なくされた勝田は、デイ2で再出走。ただし、出走順がトップとなったことで路面のルースグラベルのクリーニング役を担うことになり、誰よりも不利な条件で一日を戦うことになりました。しかし勝田は気持ちとアプローチを切り替え、デイ2では今後に向けて新たなセットアップオプションを試すことに集中。明日の最終日デイ3と、次戦ラリー・フィンランドに向けて有益なデータを得ました。
サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2を駆る前日2位のテーム・スニネン(フィンランド)と、3位のローぺ・コルホネン(フィンランド)が激しい順位争いを展開。最終的にはコルホネンが2位に順位を上げましたが、3位スニネンとの差は0.8秒と僅かです。今回がWRC2デビューでありながらもデイ1ではクラスベストタイムを記録し、4位につけていたTGR WRCチャレンジプログラムのグローバル生のヤスパー・ヴァヘル(エストニア)は、残念ながらSS8でコースオフを喫しリタイアとなり、大会を終えました。また、同じくGR Yaris Rally2で出場するTGR WRCチャレンジプログラムの山本雄紀はSS14終了段階で11位まで順位を上げていましたが、SS15でクラッシュによりデイリタイア。一方、松下拓未は12位、後藤正太郎は13位と、両者ともデイ1から順位を4つ上げました。
<<ユハ・カンクネン (チーム代表代行)>>
サミの走りは今日も非常に印象的でした。思い通りにクルマを走らせることができていたようですし、無理にプッシュしたり大きなリスクを冒したりすることなく、ごく自然に速く走ることができています。オリバーも非常に良い走りをしていましたが、午前中に彼が2回ベストタイムを記録した時でさえ、サミは難なく応戦し、午後にはさらに速いタイムを出しました。まだ2本のかなり長いステージが残っていますが、彼にアプローチを変えるよう指示するつもりはありません。10ポイントを獲得できるチャンスがあって、これだけの速さがあるのですから、ペースを落とす理由はないでしょう。
<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
今日は良いスタートを切ることができました。昨日よりも少し出走順が良くなり、走りのフィーリングも良かったので、順位をいくつか挽回するという目標を達成することができました。午後はいくつか異なるセッティングを試しましたが、期待していたような方向には進まなかったかもしれません。それでも、少なくとも明日に向けてしっかりとしたベースを築くことはできました。明日は1本のステージを2回走るだけですが、多くのポイントを獲得することが可能なので、ベストを尽くさなければなりません。
<<セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)>>
今日も良いリズムで走りを楽しむことができました。残念ながらクルマが走るごとに路面は良くなり、どんどんスピードが上がっていったため、自分たちよりも順位が上のドライバーたちと戦うのは困難でした。私は常にバトルを好むタイプなので、5位は期待していたような結果ではありませんが、重要なポイントを獲得できる位置にはつけていますし、明日はさらに多くのポイントを稼ぐことも可能です。天気がどうなるか不透明ですが、状況が変わり路面のクリーニング効果が少なくなる可能性もあるので、最後までベストを尽くし続けるのみです。
<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
朝は昨日よりもはるかに良いフィーリングでした。クルマの感覚やスピードに関しては、前回と似たような感じでした。最初はまだ少し攻め切れていませんでしたが、再走ステージでは一歩前進し、バランスも良く感じられたのでプッシュしたところ、ベストタイムを記録することができました。午後はソフトタイヤのみで臨んだのですが、少し楽観的すぎたかもしれず、うまくいきませんでした。無理はしたくなかったので、自分のペースで戦おうとしましたが、信じられないようなパフォーマンスを発揮したサミには脱帽です。明日はまだ長い一日が待っていますし、ポイントを得る上で非常に重要な一日なので、できる限り多くポイントを獲得できるように頑張ります。
<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
今日は出走順がトップだったので苦戦しました。この週末はここまで路面が非常に乾燥しているので、路面クリーニングの影響はかなり大きかったです。今後や、次のラリー・フィンランドに向けてポジティブな要素を見つけるために、各ステージで様々なセッティングを試すことだけに集中しました。良い結果が得られたものもあれば、そうでないものもありましたが、少なくとも情報を得ることはできました。ラリーはまだ一日残っていますし、きっと簡単にはいかないと思いますが、ここエストニアで一生懸命応援してくれている全てのファンの皆さんのためにも、引き続き全力を尽くします。
<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
今日もまた、とても良い一日でした。クルマのフィーリングは本当に素晴らしく、午前中は2本のステージ優勝を獲得することができました。その後、オリバーがかなり良いペースで走り差を少し縮めてきたので、午後はさらにペースを上げる必要がありましたが、それがうまくいき、リードをさらに10秒拡げることができました。ステージのコンディション変化やタイヤ選択の難しさもあり、簡単ではありませんでしたが、とても満足していますし、あとは明日、このリードを守り抜くだけです。どのような天気になるか正確には分かりませんし、天気予報によるとトリッキーなコンディションになる可能性もあるようですが、楽しみです。
<<ラリー・エストニア デイ2の結果>>
1 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h08m34.0s
2 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +25.0s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +52.1s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +54.0s
5 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m32.8s
6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m02.9s
7 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +2m16.3s
8 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン (ヒョンデ i20 N Rally1) +2m42.0s
9 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン (フォード Puma Rally1) +3m03.2s
10 ロバート・ヴィルヴェス/ヤッコ・ヴィッロ (シュコダ Fabia RS Rally2) +7m07.2s
26 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +13m15.9s
(現地時間7月18日22時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
<<明日のステージ情報>>
ラリー最終日となる19日(日)のデイ3は、サービスパークを起点に、今大会最長となる24.39kmの「カーリク」のステージを2回走行。そのうち、SS17の再走となる最終のSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。2本のステージの合計距離は48.78kmと3日間で最短。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は225.27kmとなります。
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