2015シーズン最終戦 無念のリタイヤ

2015.10.26 スーパー耐久2015

6チームにST-4クラス王座獲得のチャンス

スーパー耐久シリーズもいよいよ最終戦となった。すでに5クラス中3クラスでシリーズチャンピオンが確定しているが、86号車が参戦するST-4クラスは6チームに王座獲得の権利が残されている。現在、ランキングトップは#52(埼玉トヨペット)と#13(エンドレス)が同ポイント、#58(小林自動車)が3ポイント差で3位。TOYOTA Team TOM’S SPIRITはトップと12.5ポイント差でランキング6位。自力でのシリーズタイトルの獲得はないものの、ライバルの順位次第ではまだ可能性は残されている。
これまでの戦いを振り返ってみると、開幕戦(もてぎ)は2位、第2戦(菅生)はエンジントラブルでリタイヤ、第3戦(富士)は3位、第4戦(オートポリス)は2位、第5戦(岡山)は16位でノーポイントと言う結果である。細かいトラブルや歯車が噛みあわずに優勝を逃しているため、最終戦は何としてでも勝ちたい1戦である。鈴鹿サーキットは86と相性のいいテクニカルレイアウトであると同時に、2014年に優勝を獲得している相性のいいコースの一つだ。マシンはこれまでの経験やノウハウを注ぎこみ、重箱の隅の隅まで細かな調整が施された。

セットアップに悩んだ予選 7位から巻き返しを図る

マシンは木/金曜日の練習走行でセッティングを実施。金曜日の練習走行では86勢トップタイムを出すなど好調の兆しが見えたが、土曜日の予選は一転して苦しい状況となった。Aドライバーの蒲生尚弥選手、Bドライバーの井口卓人選手共に2分22秒代前半とタイムは伸び悩み、合算タイムで7位に沈んでしまう。ちなみにランキングトップの#52は2分20秒代というスーパーラップで予選1位であった。
蒲生選手は「他の86と比べるとトップスピードが伸びません。#52とのタイム差を見てしまうと、今回はちょっと苦しい戦いになるかもしれませんね」と言うコメントも…。
他のST-4クラスのチームを覗いてみると、6チームにシリーズチャンピオンのチャンスがあるので、どのチームも普段よりピリピリムードであるが、TOYOTA Team TOM’S SPIRITの雰囲気はいつも通り、エンジニア/メカニックは与えられた業務をいつも通り行っている。どんな状況でも慌てず冷静にというわけである。

確実に順位を上げていったが19周目の130Rで大アクシデント

木曜日の練習走行から時折激しい風が吹くが秋晴れの鈴鹿サーキット。日曜日の決勝は雲一つない快晴の中、午後1時にスタートが切られた。スタートドライバーの井口選手は、トップスピードが伸びないマシンながらも、コーナリングスピードの高さで上位のマシンを追いかけ着実に順位を上げて5位までジャンプアップ。しかし、今回の鈴鹿はST-Xクラスのタイヤバーストが続出、レース開始から早いタイミングでセーフティカーが入ったため、どのチームもピット作戦の変更を余儀なくされ、順位は序盤から大きく動いた。TOYOTA Team TOM’S SPIRITも当初よりも早めのタイミングでピットインを行い、ドライバーを松井孝允選手に交代。大きく順位を落とすことなくここから追い上げを開始。
しかし、19周目にアクシデントが襲った。4位を走る#95(スプーンS2000)が130Rアウトの縁石に乗りスピン。その真後ろを走っていた松井選手は逃げ場がなく#95と接触しマシンはフロントセクションを大破。

結果はリタイヤ。この時点でTOYOTA Team TOM’S SPIRITの2015シーズンは終了した。もちろんシリーズチャンピオンを目指していたチームにとっては納得できる結果ではない。ただ、勝てるマシン、勝てるドライバー、勝てる体制であっても、ゴールラインを超えるまで何が起こるか解らないのがレースの難しさであり面白さでもある。
今シーズンを振り返ると、6戦中3回の表彰台を獲得している一方で、それ以外の3戦はノーポイント(リタイヤ2回)と言う結果となった。タラレバを言っても仕方ないが、ノーポイントのレースでも優勝を獲得のチャンスがあったのも事実である。この結果を教訓にリベンジを期待したい。

一方、ST-4クラス争いは、残り20分で#52(埼玉トヨペット)と#13(エンドレス)の86同士の一騎打ちとなり、何度もサイドバイサイドを見せるなど、2台が激しい攻防戦を展開。このガチンコバトルを#52が制して、86初となるチームタイトルを獲得した。

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