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ルカ・マルモリーニに聞く インタビュアー:TMG広報スタッフ2007.01.12
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V型8気筒エンジン最初の年でしたが、どのような挑戦でしたか?
「本当に大きなチャレンジだった。FIAは1気筒あたりのディテールをできるだけ維持できるようにレギュレーションを定めたが、基本的には全く新しいエンジンとなった。それこそが、我々トヨタが、エンジンベンチやコースにおいて非常に早くからV型8気筒エンジンを準備していた理由である。我々は2005年の3月21日にエンジンベンチ上でテストを開始し、7月末にはコース上で実走行を始めた。これだけ早くからのテストにもかかわらず、昨シーズン中、エンジンに関するいくつかのトラブルに見舞われた。このことはチーム全体にとって良い勉強となったことを意味し、また、V型8気筒エンジンへの変更がどれほど大きなチャレンジであったかを証明するものだ」
今年の仕事には、基本的に満足していますか?
「エンジン単体として見るなら、パフォーマンスという面では満足しているが、チームやパッケージを含めた、信頼性という面ではもちろん満足していない」
V型10気筒からV型8気筒への変更で最も大きな点は何でしたか?
「V型10気筒時代には、エンジントラブルの原因となっていたが、その重要度が下がっていた多くの小さなディテールに関して、再び重要度が増していることに気付いた。ポンプを作動させる軸やラジエータの取り付けなどの小さな項目だ。V型10気筒時代の最後の2,3年には、誰もこれらについて心配しなくなっていたが、V型8気筒エンジンでは、異なる負荷と状況を経験することになった。それらは基本的にV型8気筒初年度ならではの問題であり、今年はそのような経験は何も起こらないことを望んでいる」
今シーズンからのエンジン開発凍結はどのように影響しましたか?
まず、なかなか確定しなかったことが大きく影響した。長期間にわたって、何が予定されているのかが明らかにならず、それは我々にとっては同時に多くのプロジェクトを並行して行い、全てをカバーしなくてはならないということを意味していた。まずエンジン凍結案があり、次に回転数制限のアイデアが出された。 しかし、それが以前に論議されていたとしても、誰も19000回転になるとは思っていなかった。我々は昨年中に、もっと高い回転数を使うエンジンをデザインし、導入を予定していた。そのエンジンでシーズンを終え、そして2007年へ向けて適切に導入しようとしていたが、2006年中に2007年向けエンジンのホモロゲート獲得が必要になり、その計画はストップせざるを得なかった。これは非常に多くのリソースの無駄であった」
ホモロゲート向けのエンジンに焦点を合わせ始めたのはいつですか?
「第5戦ヨーロッパGPの後、2007年へ向けたエンジン開発について考え始め、確実になったのは残り4戦か5戦になってから、モンツァあたりからだ。2007年について考える上で、全ての我々の進歩は厳しく抑えられた。他のチームも同様だっただろう」
昨年のブラジルGPで、「参考」エンジンをFIAに渡しましたが、これから数年に渡って、あのエンジンがベースとなることに満足していますか?
「あのエンジンは良いベースであると思う。しかし、レーシングチームである我々にとっては、さらに多くの開発についても考慮していただけに、開発の制限については満足していない。FIAは再調整の可能性も制限した。これは、エンジンについて予定されていた多くの開発について、ストップせざるを得ないということを意味する。エンジニアとしては、これは望むべき状況ではない」
ウィリアムズとの新しい協力体制からは、何を得られるでしょうか?
「エンジン面から見れば、信頼性やその他の調整のチャンスが2倍になるということだ。彼らはよい基準となるだろう。そして、得られるデータも2倍になる。それらはエンジンという面から見ると重要なことだ。我々のチームのシャシー部門でも、何かを学ぶことが出来、これまで以上に良い方向への判断が出来ることになるだろう。ウィリアムズ、トヨタ双方が基準を持つことになるだろう」
2007年のパッケージについて全体的な印象は?
「我々は非常に良く働き、チームは改善された。昨年見せた成績の平均よりも良いパフォーマンスを見せられると確信している。もしパッケージそのものが遅ければ、ずっと遅いままだ。我々は何度かの機会を活かし、誰もが正しい方向に向かって、正しいタイミングで仕事をこなしていることを示した。そして我々は確かにコンペティティブだった。ルノーとフェラーリの後で、3位争いをすることが可能だったと思っている。そのことは今年の“TF107”の速さを確信しているということを意味する。多くの可能性を秘めた非常に良いライバル候補もおり、極めてチャレンジングな年になるだろう。我々は良い仕事をしてきた。しかし、いつもと同じく、ライバル勢もどれほどの努力をしてきたか、3月の開幕戦で理解することになるだろう」