これであなたもブリーラム通!GTタイ戦インサイドレポート
2015年シーズンのSUPER GTの唯一の海外戦がタイ・ブリーラム県にあるチャン・インターナショナル・サーキットで行われた。白熱のレースは中継やレースレポートでお楽しみいただくとして、ここではインサイドレポートとして、ブリーラム戦ならではのドライバーやチームの様子やチャン・インターナショナル・サーキットの雰囲気などをお伝えします。
移動は大型バス&ハイエースで
日本からタイに到着したドライバーやチームスタッフの多くは首都バンコクから大型バスに乗り、チャン・インターナショナル・サーキットがあるブリーラム県を目指します。バンコクからブリーラム県までは約400km。休憩時間を含め、約7時間の道のりです。サーキットとホテルの間の移動など、ブリーラム市内の移動にはハイエースコミューターが使われます。レース車両と同じゼッケンが貼られているので、どのチームのクルマなのかひと目でわかりますね。
クルマや機材は、約1ヶ月前に日本を出発
クルマやピットで使用する機材は、約1ヶ月前の5月中旬に日本を出発。船便でタイへと運ばれました。タイ到着後はトレーラーに積まれ、陸路でチャン・インターナショナル・サーキットへ。輸送に使われたコンテナはピット裏に並べられ、レースウィークを通じてチームの機材置き場として活用されました。海外開催となるため、細かなパーツまでひとつひとつにナンバーが振られ管理されています。
今年はクーラー完備で快適!
輸送に使われたコンテナの後ろに並ぶ「BRIC」と書かれた建物は、各チームに割り当てられたチーム控室。ここにもハイエースと同じように各チームのゼッケンが貼られています。昨年のチーム控室はテントだったため、非常に蒸し暑かったそうなのですが、今年はクーラー完備の仮設コンテナハウスとなり快適に過ごすことができたそうです。
コースを歩いてチェック
金曜日の午後と土曜日の早朝、レーシングコースを歩いてチェックする時間が設けられました。写真は、金曜日午後の模様。1日で最も暑い時間帯でしたが、決勝レースとほぼ同じ時間に行われたため、多くのドライバーやチームスタッフがコースをチェックしていました。初めての走行となるLEXUS TEAM KeePer TOM'Sの平川 亮選手は、自転車を片手に入念に(?)チェックを行っていました。
変圧器は欠かせません
海外戦では、現地のスーパーで食材を調達し、ピット裏に即席のキッチンで料理を作るチームもあります。写真のLEXUS TEAM ZENT CERUMOもそんなチームのひとつ。ただピット裏は火気厳禁のため、IHクッキングヒーターを使用します。タイは日本とは異なる220Vの電圧のため、電化製品を使用する場合は変圧器が必須です。
1日に何度も洗います
予選日には気温38度/路面温度58度を記録し、猛烈な暑さとなったチャン・インターナショナル・サーキット。ドライバーやメカニックたちが着る耐火スーツも、汗だくになってしまうため、洗濯は欠かすことができません。各チームとも1日に何回も洗濯機を回します。また陽射しが強く短時間で乾くため、ピット裏やコンテナの周囲には、たくさんの洗濯物が。これも海外戦ならではの光景ですね。
移動は無料シャトルで
チャン・インターナショナル・サーキットでは、トラックをベースにした無料のシャトルバスが数多く走っています。イベント広場やスタンドなどサーキット内の移動だけでなく、ブリーラム駅との往復などSUPER GT観戦には欠かせない移動手段として活躍していました。
トヨタ車のワンメイクレース
今回のサポートレースとしてトヨタ車のワンメイクレースが3つ行われました。そのひとつ「TOYOTA COROLLA ALTIS ONE MAKE RACE」には、カローラの4ドアセダンでアジア専用モデルのALTIS(アルティス)がレース車両として使われています。また、初代ヴィッツをベースにしたVIOS(ヴィオス)による「TOYOTA VIOS ONE MAKE RACE」、女性ドライバー限定の「TOYOTA VIOS LADY ONE MAKE RACE」も行われました。女性ドライバー限定レースには元レースクィーンの日本人ドライバー、小林 真奈美選手も参加していましたよ。またオフィシャルカーとしてハイラックス・エキストラキャブが使用されていました。
イベント広場ではモーターショーが人気
昨年も人気を呼んでいたモーターショー「BRIC SUPER GT FESTIVAL」が今年も催され、多くのファンが訪れていました。トヨタ・モーター・タイランドが出展したブースにはサポートレースとして行われたALTIS(アルティス)やニュルブルクリンク24時間レース参戦車両が展示されています。タイのモータースポーツの盛り上がりをうかがわせていました。
帰国後も慌ただしく
レース終了後、サーキットでは遅くまで撤収作業が行われていました。再びコンテナに積まれたクルマや機材は、約3週間かけて日本へ輸送され7月中旬にチームに戻ります。直後に公式テスト(7/25〜26、スポーツランドSUGO)が控えているため、帰国後もチームは慌ただしく準備に追われることになります。