スーパーフォーミュラ 2013年 レース車両解説
ドライバーの技量が問われるSF13
シリーズ名の変更とともに、今シーズンからSF13と呼ばれることになったスーパーフォーミュラの参戦車両。参戦全車が、2009年よりアメリカのスウィフト・エンジニアリング製のシャシーを使用している。エンジンは3.4リッターV型8気筒で、トヨタとホンダが供給している。タイヤは全車がブリヂストン製。シャシーとタイヤがワンメイクとなっており、エンジンも基本仕様が定められているだけに、ドライバーの腕とチームの能力が勝敗に大きく影響する。
シャシーは、カーボンファイバー(炭素繊維)で成形されたモノコックにエンジン&トランスミッションを搭載させ、ダブルウィッシュボーン式のサスペンションとウィングを装着する。特徴的な大きなフロントウィングなど、高い空力性能を実現したエアロデザインが目を引く。
エンジンも排気量以外に、V型配置のシリンダーの挟み角も90度と決められ、ターボの過給は認められず自然吸気であるなどの仕様が定められている。最高許容回転は、10,300rpmで、最高出力は600馬力以上を絞り出す。この最高許容回転に関してはオーバーテイクシステム(OTS)と呼ばれるシステムが組み込まれている。これはドライバーがステアリングに付けられたオーバーテイクボタンを押すと、20秒間だけエンジンの回転数リミットの上限が10,700rpmにアップ。OTSが操作するとドライバーの頭上後方にあるオーバーテイクランプが点滅する。これはスーパーフォーミュラ独特のシステムである。
トヨタはスーパーフォーミュラ用として「RV8K」エンジンを全19台中11台に供給(2013年シーズン)。RV8Kは、基本設計を変えることなくSUPER GTやル・マンのカスタマー用エンジンとしても活躍している。
エンジン | |
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型式 | RV8K |
総排気量 | 3400cc |
最大出力 | 600PS以上 |
気筒数 | V型8気筒 DOHC 32バルブ |
吸気 | 自然吸気 |
重量 | 120kg(エアボックス、エアフィルター込み) |
回転数制限 | 10,700rpm (オーバーテイクシステム作動時。通常は10,300rpm) |
回転数制限方式 | ECU |
シャシー | |
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車両名称 | スウィフトSF13 |
全長 | 4775mm |
ホイールベース | 3000mm |
車両最大幅 | 2000mm (※車両中心線からタイヤの外側まで実測1000mm以内) |
車体最大幅 | 1600mm (※ウィングを除く、ボディワークの最大幅) |
フロントウィング幅 | 1800mm |
リアウィング幅 | 1220mm |
トランスミッション | リカルド社製6速シーケンシャル(パドルシフト) |
タイヤ | |
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タイヤ | ブリヂストン製 |
フロントタイヤ | 235/55R13 |
リアタイヤ | 340/620×13 |