スーパーフォーミュラ 2015年 第1戦(開幕戦)鈴鹿 決勝
アンドレ・ロッテラーが独走で開幕戦勝利!
中嶋一貴が2位に入りトヨタエンジン1-2フィニッシュ
スーパーフォーミュラの開幕戦が鈴鹿サーキットで行われ、予選3番手から抜群のスタートを切ったアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が独走で優勝。同じく5番手スタートからジャンプアップした中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が2位で続き、トヨタRI4Aエンジンが2年目の開幕戦を1-2フィニッシュで飾った。
決勝日19日(日)は朝方雨に見舞われ、午前9時5分からのフリー走行はウェットコンディション。しかし、その後路面は乾いていき、決勝前にはドライコンディション、しかし、空には雲が立ちこめる微妙な状況でのスタートを迎えた。
午後3時にフォーメーションラップが開始され、43周の決勝レースのスタートが切られた。3番手グリッドのロッテラー、5番手グリッドの中嶋一貴が抜群のスタートダッシュを決め、1コーナーまでに一気に1-2位に浮上。これに、4番手スタートの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が3位で続いた。
石浦は山本尚貴(TEAM 無限)の猛追を受け、オーバーテイクシステムを共に使い合いながらの、序盤からの激しいバトルを展開。しかし、惜しくもかわされ、4位に後退。その間に、首位のロッテラーは2位中嶋一貴との差も広げていき、盤石の首位独走態勢となった。
中嶋一貴は、石浦をかわした山本に追われることとなったが、その差を1秒前後でコントロール。トップ3台はこの順位と間隔のまま周回を重ねていくこととなった。
一方、注目の小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は10番手スタートだったが、直前8番手の国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がスタートでエンジンストール。この影響もあり小林は12位までポジションダウン。中団グループでの混戦を避けるべく、燃料的にぎりぎりのタイミングである9周目に早くもピットへ。タイヤ交換と給油を行い、単独走行での追い上げを狙った。
翌周、予選で16番手と振るわなかったアンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)も同様の作戦でピットイン。こちらはタイヤを交換せず,給油のみで小林の前でコースに復帰した。小林はカルダレッリに前をふさがれる形となり、フレッシュエアでのクリアラップを狙った作戦は奏功せず。ポジションアップは果たせなかった。
中盤戦は大きな動きはなく、折り返しを過ぎた27周目、13位を走行していた国本がピットイン。ここで給油の際に出火。火はすぐに消し止められたものの、国本は大きくタイムをロスすることとなってしまった。
29周目終了時に、2位走行中の中嶋一貴がピットイン。翌周、中嶋一貴を追っていた山本もピットへ向かったが、中嶋一貴は素早いピット作業にも助けられ、山本の前でポジションをキープ。その翌周にはロッテラーもピットへ。盤石のピット作業で、全車がピットを終えた時点で、再びロッテラーが2位中嶋一貴に7秒程の大差をつけて首位に立った。
ピット戦略で、最後まで引っ張る作戦を採ったのがジェームス・ロシター(KONDO RACING)。前半戦はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)に4秒ほどの差をつけられての7位を走行していたが、ピット戦略が奏功し、タイヤ無交換作戦を採ったこともあり、オリベイラの前でピットアウトすることに成功した。 終盤戦は、ロシターをテール・トゥ・ノーズで攻めるオリベイラ、そしてこのバトルに追いついた石浦の3台による5位争いが白熱。残り2周となった42周目、バックストレートで共にオーバーテイクシステムを使ってのバトルから、シケインでの勝負を賭けたオリベイラだったが、2台は接触。ロシターがコースオフするも順位は変わらず、ファイナルラップでの争いになるかと思われた。
しかし、ファイナルラップに更なるドラマが。好走を見せていたロシターが突然スローダウン。痛恨の燃料切れによりコース脇に車両を停めることに。このファイナルラップでは、中嶋一貴と2位を争っていた山本もトラブルでストップする波乱の幕切れとなった。
一方で、首位のロッテラーは大差をつけての余裕の独走チェッカー。中嶋一貴が2位で続き、2年目を迎えたトヨタ「RI4A」エンジンは開幕戦を1-2フィニッシュで飾った。
山本のリタイヤによりオリベイラが4位、石浦が5位フィニッシュ。小林は9位でチェッカーを受けた。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
優勝:
PETRONAS TEAM TOM'S 2号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー
今日は嬉しい一日となった。チームメイトと共に1-2フィニッシュ出来て最高だ。チーム力による成果だ。常に勝てている訳ではないが、持っているチーム力がこういう時に現れるんだと思う。スタートがキーポイントだった。首位に立ててからはプッシュし続けた。僕のレースとして見れば、展開はシンプルだったが、簡単なレースではなかった。良いクルマを仕上げてくれたからこそ結果がついて来たと思っており、チームに感謝している。
2位:
PETRONAS TEAM TOM'S 1号車 ドライバー 中嶋 一貴
スタートが一番のキーだと言うことは、重々承知していた。結果的には、スタートは上手く行って良かった。頭の中では、スタートでアンドレを抜く予定だったのだが。2台で前に出る事が出来たが、後ろについたライバルが速く、基本的にずっと後ろを気にしながら走る状況できつかった。出来れば前を追いかけたかった。セクター3では自分の方が速かったので、スプーンなどでミスさえしなければ抜かれることはないと思っていたが、ラスト1周まで気が抜けなかった。今後の課題だと思っている。
スーパーフォーミュラ 2015年 第1戦(開幕戦)鈴鹿 決勝レース結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | アンドレ・ロッテラー | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:14'01.371 | 202.40km/h | 1'41.196 |
2 | 1 | 中嶋 一貴 | PETRONAS TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:14'10.855 | 9.484 | 1'41.431 |
3 | 41 | ナレイン・カーティケヤン | DOCOMO DANDELION M41Y SF14 Honda HR-414E | 43 | 1:14'29.077 | 27.706 | 1'41.048 |
4 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | LENOVO TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:14'40.370 | 38.999 | 1'41.490 |
5 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:14'41.450 | 40.079 | 1'42.022 |
6 | 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 43 | 1:14'45.279 | 43.908 | 1'42.225 |
7 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 43 | 1:14'46.146 | 44.775 | 1'42.010 |
8 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40S SF14 Honda HR-414E | 43 | 1:14'53.040 | 51.669 | 1'40.912 |
9 | 8 | 小林 可夢偉 | Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:14'57.804 | 56.433 | 1'42.498 |
10 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING SF14 Honda HR-414E | 43 | 1:15'11.156 | 1'09.785 | 1'42.875 |
11 | 20 | アンドレア・カルダレッリ | LENOVO TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:15'15.889 | 1'14.518 | 1'43.130 |
12 | 7 | 平川 亮 | ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:15'16.222 | 1'14.851 | 1'42.672 |
13 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:15'29.955 | 1'28.584 | 1'42.908 |
14 | 4 | ウィリアム・ブラー | FUJI×D'station KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 43 | 1:15'37.976 | 1'36.605 | 1'41.994 |
15 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 42 | 1:12'29.394 | 1Lap | 1'41.021 |
16 | 3 | ジェームス・ロシター | FUJI×D'station KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 42 | 1:12'55.322 | 1Lap | 1'42.457 |
17 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 42 | 1:14'35.747 | 1Lap | 1'41.431 |
34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 6 | 10'29.007 | 37Laps | 1'42.877 | |
10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | DNS |