スーパーフォーミュラ 2015年 第2回公式テスト岡山 2日目
第2回公式テスト岡山 2日目、ジェームス・ロシターがトップタイム
石浦宏明、ウィリアム・ブラーも上位に付け、最後のテストを締めくくる
快晴の空の下、岡山国際サーキットで第2回公式テストの2日目が行われた。コースオープンは1日目より20分早い午前9時。だがコースオープン直後、No.4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)が1コーナー手前にクルマを止めてしまったため、開始早々、赤旗となりセッションは中断された。
石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
まもなくセッションが再開するとNo.7 平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が1分14秒299のタイムをマークしトップに。またNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)も1分14秒710で総合4番手に付けている。
セッション開始15分、昨日のトップタイムをマークしたNo.8 小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が1分14秒049で総合トップに立つと、No.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)も1分14秒125で2番手に。その後、No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が1分14秒099を記録して2番手に割り込み、トヨタエンジン勢が総合1-2-3-4に並ぶことになった。
安定したラップタイムを刻み始み、走行を行うトヨタエンジン勢。No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)は「今回は(今シーズンのルールに従って)燃料リストリクターが絞られたのでパワーは減っているように感じる。でもライバルも同じ条件だし、フィーリングは良くなった。いろいろな制御マップをテストして,ターボラグを感じないような方向へ進化しつつある」とコメントしている。
セッション残り10分となった午前10時50分、小林は40周を走り終えてペースアップし、タイムを1分13秒618へ更新して総合5番手(トヨタエンジン勢の4番手。ロシター、平川、国本の順)に進出、その後今度はセッション残り10分を切った時点でNo.18 中山雄一(KCMG)が1分13秒572を記録し小林の上へ出た。中山は「今年のエンジンは,トラクションをかけるときのパワーの出方がなめらかになって扱いやすいんです。クルマも自分も良いところまでまとまってきたように思います」と語っている。
セッション残り5分、ロシターは1分12秒783までタイムを縮めて総合トップに立った。トヨタエンジン勢ではNo.20 アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)が総合4番手(トヨタエンジン勢2番手)、平川が総合5番手(トヨタエンジン勢3番手)で午前のセッションを終えた。平川は2時間にわたるセッションで65周と最もラップ数を稼いだ。
ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)
サーキットサファリやピットウォークが行われた後、午後のセッションは13時30分に始まった。このセッションではLENOVO TEAM IMPULの19号車にドライバー変更があり、デ・オリベイラに代わって前回の鈴鹿テストでも19号車のステアリングを握った安田 裕信が走行することなった。手の負傷から復帰し、ここまで順調に走行していたかに見えたデ・オリベイラだったが、午前のセッション中に痛みが強くなったため、大事を取ってテストを切り上げた。
午後のセッションは気温が上り、午前中に比べて路面コンディションが悪化。多くのドライバーが決勝レースを想定したロングランのシミュレーションを行っていたこともあり、タイムの動きは少なかった。
セッションが残り15分になると、多くのドライバーが予選を想定したタイムアタックシミュレーションを行った。まずはロシターが1分13秒627、石浦が1分13秒388をそれぞれマークし、トップタイムを更新。ロシターはさらにタイムを更新し、1分13秒148までタイムを伸ばした。そしてセッション終了まで5分を切ったところでブラーがタイムアタックを行い、総合4番手(トヨタエンジン勢ではロシター、石浦に次ぐ3番手)となる1分635秒を記録しセッションを終えた。小林はタイムアタック中にオーバーランしタイム短縮はならなかった。
シーズン開幕前最後のテストとなった今回の岡山。2日間を通した総合トップタイムはロシターの1分12秒783(2日目午前)、トヨタエンジン勢の2番手(総合3番手。2日目午後)は、1分13秒151の石浦。3番手(総合4番手。1日目午後)には、小林が1分13秒182で続き、2日間のテストを終えている。
ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)
鈴鹿よりも状況は進化して運転しやすくなりました。でも岡山国際サーキットを走るのは初めての経験だったので、最初の日は午前も午後も戸惑いました。でもチームがよくサポートしてくれたのでどんどん慣れていきました。今日の結果はハッピーですね。昨日に比べたら全く違う走りができました。ただ、まだ100%の性能をSF14から引き出すことはできていないので、正直なところ岡山国際サーキットの攻め方がわかったとは言えない状況で,レースの展開も読めません。まずは開幕戦を戦うことに集中したいと思っています。そこで経験を積めばグレードアップして、岡山では、ある程度の結果を出せるのではないかと思っています。
小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)
今日は、気温が上がってコンディションが変化した影響で思い通りに走れませんでした。でもこれがなぜなのかを考える材料として活かし、第2戦の岡山でのレースに備えます。ぼくはまだコースにもタイヤにも慣れていないので、とにかくガンガン走るだけです。第2戦では、そういうコンディションの変化に対応する力が問われることになると思いますが、チームを信頼して良いレースをお見せしたいと思います。
中山雄一(KCMG)
前回の鈴鹿に比べるとトップからの差も縮まってバランスが良くなってきました。2日間かけて少しずつですがタイムも着々と上がってきたのでいいテストだったと思います。岡山国際サーキットの中では、アットウッドコーナーが好きなんです。理由は,景色がいいから(笑)。ファンの皆さんがあそこまで行くのは大変ですけども、アップダウンがあっておすすめの観戦ポイントです。鈴鹿ではQ3に残ってポイント獲得、岡山での第2戦では表彰台を目標にしたいと思います。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)
(負傷した)手の痛みが強くなったので大事を取って2日目の午後は走行をあきらめました。今年は去年ほどライバルとエンジン性能差がなくなるかもしれないので岡山でのレースは非常に激しくなると思う。第2戦の岡山では、バックストレートで僕のブレーキングを見て欲しい。あとはダブルヘアピン。あそこが大好きなんだ。自分の負傷のせいで、鈴鹿での開幕戦を完全な状態で迎えるのは難しいと思うけど、第2戦の岡山までには時間があるので、負傷を完全に治して岡山では素晴らしいレースをお見せたいと思う。
アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL)
昨日の走り出しから、僕たちのチームの車はなかなかスピードを出し切ることができませんでした。どうすれば良くなるのかを昨日、いろいろと試した結果、今日になってかなり良くなりました。新エンジンは改良されてターボラグを意識しないで済むようになりましたね。岡山国際サーキットは、ラストセクターが好きです。2つ左右に続くスローコーナーがあって、そこから2つ速いコーナーが続く。速く走るのは非常におもしろいセクションだし外から見ていても迫力を感じられると思います。岡山でのレースまでには十分準備をして良い結果を出しますよ。
国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
今年から岡山でレースがあるということで、サーキットへの合わせ込みをしているんですが、昨日からどうもうまくいかないことがあって、いろいろとクルマをいじっているんですがうまく進んでいないのが実情ですね。グリップ感が薄くて、苦労しています。パッシングポイントも少ないコースなので、もし第2戦の観戦に来るファンにはスタートの迫力を味わってもらうのがいいと思う。まだぼく自身、セッティング面でこのコースを学びたいところなんですが,時間が限られていますから。(エンジンは)ドライバビリティは良くなって、うまく改良されたと思いますが、パワーの差が縮まった分、レースは非常に激しいものになると思います。
スーパーフォーミュラ 2015年 第2回公式テスト岡山 2日目 セッション3(午前)結果
順位 | No. | ドライバー | チーム/エンジン | タイム | 差 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ジェームス・ロシター | KONDO RACING TOYOTA RI4A | 1'12.783 | 183.158km/h | 31/33 |
2 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda HR-414E | 1'13.067 | 0.284 | 15/43 |
3 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 Honda HR-414E | 1'13.335 | 0.552 | 42/42 |
4 | 20 | アンドレア・カルダレッリ | LENOVO TEAM IMPUL TOYOTA RI4A | 1'13.376 | 0.593 | 45/46 |
5 | 7 | 平川 亮 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans TOYOTA RI4A | 1'13.401 | 0.618 | 12/65 |
6 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA RI4A | 1'13.429 | 0.646 | 36/49 |
7 | 2 | 松田 次生 | PETRONAS TEAM TOM'S TOYOTA RI4A | 1'13.432 | 0.649 | 41/41 |
8 | 10 | 塚越 広大 | REAL RACING Honda HR-414E | 1'13.531 | 0.748 | 37/37 |
9 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA RI4A | 1'13.564 | 0.781 | 24/29 |
10 | 18 | 中山 雄一 | KCMG TOYOTA RI4A | 1'13.572 | 0.789 | 43/48 |
11 | 8 | 小林 可夢偉 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans TOYOTA RI4A | 1'13.618 | 0.835 | 41/49 |
12 | 41 | ナレイン・カーティケヤン | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda HR-414E | 1'13.655 | 0.872 | 48/48 |
13 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE Honda HR-414E | 1'13.698 | 0.915 | 17/30 |
14 | 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING Honda HR-414E | 1'13.708 | 0.925 | 39/40 |
15 | 19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | LENOVO TEAM IMPUL TOYOTA RI4A | 1'13.730 | 0.947 | 44/46 |
16 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING Honda HR-414E | 1'13.923 | 1.140 | 32/48 |
17 | 4 | ウィリアム・ブラー | KONDO RACING TOYOTA RI4A | 1'14.250 | 1.467 | 38/41 |
18 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL RACING Honda HR-414E | 1'14.319 | 1.536 | 9/11 |
スーパーフォーミュラ 2015年 第2回公式テスト岡山 2日目 セッション4(午後)結果
順位 | No. | ドライバー | チーム/エンジン | タイム | 差 | 周回 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ジェームス・ロシター | KONDO RACING TOYOTA RI4A | 1'13.148 | 182.244km/h | 48/51 |
2 | 38 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA RI4A | 1'13.151 | 0.003 | 39/39 |
3 | 40 | 野尻 智紀 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda HR-414E | 1'13.625 | 0.477 | 36/42 |
4 | 4 | ウィリアム・ブラー | KONDO RACING TOYOTA RI4A | 1'13.635 | 0.487 | 34/36 |
5 | 8 | 小林 可夢偉 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans TOYOTA RI4A | 1'13.677 | 0.529 | 17/40 |
6 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE Honda HR-414E | 1'13.759 | 0.611 | 50/52 |
7 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 Honda HR-414E | 1'13.775 | 0.627 | 35/39 |
8 | 2 | 松田 次生 | PETRONAS TEAM TOM'S TOYOTA RI4A | 1'13.815 | 0.667 | 56/57 |
9 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL RACING Honda HR-414E | 1'13.855 | 0.707 | 37/45 |
10 | 20 | アンドレア・カルダレッリ | LENOVO TEAM IMPUL TOYOTA RI4A | 1'13.960 | 0.812 | 38/41 |
11 | 39 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA RI4A | 1'13.987 | 0.839 | 15/21 |
12 | 10 | 塚越 広大 | REAL RACING Honda HR-414E | 1'13.989 | 0.841 | 51/57 |
13 | 18 | 中山 雄一 | KCMG TOYOTA RI4A | 1'14.032 | 0.884 | 33/34 |
14 | 65 | ベルトラン・バゲット | NAKAJIMA RACING Honda HR-414E | 1'14.125 | 0.977 | 52/52 |
15 | 7 | 平川 亮 | KYGNUS SUNOCO Team LeMans TOYOTA RI4A | 1'14.141 | 0.993 | 49/49 |
16 | 19 | 安田 裕信 | LENOVO TEAM IMPUL TOYOTA RI4A | 1'14.721 | 1.573 | 52/52 |
17 | 64 | 中嶋 大祐 | NAKAJIMA RACING Honda HR-414E | 1'14.760 | 1.612 | 46/46 |
18 | 41 | ナレイン・カーティケヤン | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda HR-414E | 1'15.627 | 2.479 | 42/47 |