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        TDP初の現役高校生チャンピオン!

        2009年7月21日

        皆さんこんにちは!TDP事務局のフクです。

        今回の、TDPドライバー『プレイバック編』の第3弾は、6月の富士ラウンドのフォーミュラ・ニッポンで難しいコンディションの中、見事にルーキー1番乗りで表彰台に上った大嶋和也君の紹介をしたいと思います。

        TDP初の現役高校生チャンピオン!

        昨年1年間をヨーロッパで戦い、今季再び日本で戦うことになった和也君ですが、そんな和也君は1987年生まれの22歳。そんな彼と私の付き合いは彼が15歳の時から始まりました。

        和也君がフォーミュラトヨタ・レーシングスクール(以下FTRS)にやって来たのは2002年、彼がまだ中学3年生の時でした。その時和也君は既にカート界でも実績を上げていて、私も彼の名前は知っていました。そんな免許もない中学生の和也君、当然それなりには走るだろうなとは思っていましたが、何と雨の中の走行でベンチマークとして走っていた当時の現役F3ドライバーよりも速く走ったのです!もちろんその年彼は合格となり、TDPドライバーとして歩む道筋が開けたのです。

        そして和也君がFTRSに参加した年のフォーミュラトヨタ(以下FT)のシーズン最終戦後に、富士スピードウェイの近所で行われたシリーズ表彰式での事。FTRSでスカラシップを獲得した和也君が、翌年練習生としてスカラシップ生に加わることが発表される晴れ舞台でした。

        和也君はその晴れ舞台に、滋賀県で行われたカートレースを終えて直行で駆けつけました。そして、家族がその表彰式用の学校の制服を持って会場に。そして、発表の段になり、いよいよ舞台に上がった和也君。何か違和感があります・・・

        上着の袖が短く、丈も何だか短め・・・昔流行った短ラン?(詰め襟学生服の短い物です)そして足元は白いスニーカー。それを見ていたある関係者は、「う~ん、田舎の中学生は垢抜けなくていいね~」なんて微笑ましく見ていたのですが、実はこれ和也君の2歳下の弟君の制服だったのです・・・
         かくして、和也君はこうして4輪(レーシングカートに対してこの様に呼びます)ドライバーとしての道を歩き出すことを世間に対してお披露目したのです。

        まるで短ラン!の様な和也君の上着 両脇の一貴と可夢偉もデビュー前です

        まるで短ラン!の様な和也君の上着
        両脇の一貴と可夢偉もデビュー前です

        シリーズチャンピオンを獲得した2005年表彰式

この時は丈もしっかり合っています

        シリーズチャンピオンを獲得した2005年
        表彰式、この時は丈もしっかり合っています

        さて、これはレーシングカートもそうなのですが、4輪の世界も平日のテストや、レースウィークもFTくらいのクラスでは、月曜から走り始めたりなんてこともあります。そのため、レース活動を行いながら、高校で必要な出席日数を確保するのもなかなか大変という状況があります。

        しかし、中学生のうちにスカラシップを獲得して、それを考慮して高校を選ぶことが出来た和也君が選んだ高校は、あの多数の芸能人を輩出している堀越高校でした!しかも、コースは芸能コース!ここだとレース活動を"仕事"として認めてもらえ、"公欠"扱いとしてくれたのです。

        そのため、和也君は実家のある群馬県富岡市から、堀越高校のある東京都中野区まで、毎日片道3時間の道のりを3年間通い続けたのです。1日の学業を終えて疲れた和也君、たまに新幹線で寝過ごして、降りるはずの高崎で降りずに目を覚ましたら新潟!なんてこともあったそうです。

        そして、芸能コースだけに当然ながら同じクラスには芸能人がいて、その中には現在テレビで毎日の様に見かける『長澤まさみ』ちゃんや『鈴木杏』ちゃんや『手越祐也』君など錚錚たるメンバーが顔を並べていました。
         長澤まさみちゃんが、映画『タッチ』よろしく、「かっちゃん、頑張って!」とサーキットに応援に来た事は・・・これまでにありません・・・残念ながら・・・

        2003年シーズン前テストにて

        2003年シーズン前テストにて

        レースの方では2003年は中嶋一貴、小林可夢偉のレースに帯同し、2人がステップアップを果たした2004年に、FTデビューを果たすこととなりました。  
        そして筑波サーキットで行われたFTシリーズの開幕戦、1年間レースに出ずに我慢してきた思いを爆発させ、見事開幕2戦をポール・トゥ・ウィンで飾ったのです!

        2004年デビューウィンを飾った表彰台で

        2004年デビューウィンを飾った表彰台で

        ちなみに、TDPドライバーとしてのデビュー戦で優勝を飾ったのは、これまでには和也君ただ1人です。ちなみにこの時、関谷校長は「TDPドライバーのどちらか(2名いました)が勝たなかったら坊主になる!」と約束していたので、この優勝には非常に安堵感を浮かべており、一部期待していた人達に坊主頭を公開することはありませんでした(笑)

        その後2年目のFTで、TDPドライバーとしては初めて「現役高校生」としてシリーズタイトルを獲得し、その後もTDPドライバーとしては、どちらも初となる全日本F3、そして、本年のパートナーである石浦宏明と共にスーパーGT300クラスでのタイトルを獲得し、ヨーロッパに渡ることとなりました。

        しかし、このヨーロッパ進出にも裏話があり、ヨーロッパ参戦にあたりレースでのリザルトはもちろんの事、関係者より英語に関しての課題クリアも条件とされていた和也君。春先の段階で、かなりそこに足りていなかったために、そのリミットとなる7月までに、英語の猛勉強を義務付けられ、当時のF3で走っていたトムスの担当エンジニアの横で、毎日7時間!机に向かうこととなったのです。

        その甲斐あって何とか英語の課題もクリアして、無事にヨーロッパに渡ることになったのです。
        だったら、もっと早くから勉強しておけば良かったのに・・・と言う感じですが、私も今になって英語の勉強をしていて、「高校のうちにしっかりやっておけば良かった」と後悔しています。
        これを読んでいるレーサー志望の人は、学生のうちにたっぷり勉強しておいて下さいね!

        2008年ユーロF3参戦時

        2008年ユーロF3参戦時

        ドイツでのトレーニング風景

        ドイツでのトレーニング風景

        そして和也君と言うと、今年は再びチームメイトということもあり、サーキットでは石浦君と一緒に居ることが多いのですが、この2人、歳は結構離れていますが、石浦君が大人なこともあり、良好な関係を築いています。

        そんな2人は、FTでは別チームでタイトル争いを繰り広げ、全日本F3、GT300のチームメイト、そして今年のGT500でのチームメイトと、かなり縁があります。そしてこの2人は、全日本F3参戦時代には同じアパートの隣の部屋に住んでいました。
        そのため、遅刻をしない様に早く起きた方が、相手の部屋側の壁をノックして起こし合うというロマンチック(?)な生活をしていました。
        念のため断わっておきますが、2人はけっして怪しい関係ではございません!・・・多分

        これまでに数々の"TDP初"という栄冠を勝ち取ってきた和也君。今後はGT500、FNでのTDP初タイトルに向けて頑張ってもらいたいと思います!

        2003年シーズン前テストにて

        次回は国本京佑選手の特集を予定しています。

        【TDP情報】
        石浦宏明 『頭文字D The Message』講談社より発売中
        誌面で飯田章選手との対談ページが掲載されています!
        「頭文字D The Message」紹介ページ

        石浦宏明/大嶋和也 BSフジ『D1 KING! 2009#3』出演

        リピート放送 7月25日(土) 27:30~28:00
        「D1 KING!」紹介ページ

         

        PROFILE

        TDP事務局フク
        このコンテンツは、FTRS時代からTDPドライバーをサポート しているTDP事務局のフクが、ドライバーのホットな情報や、 懐かしいエピソード、裏話を紹介しています。