トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)とは?
トヨタは、日本および世界のトップカテゴリーで活躍できるドライバーを育てるためのプログラムを、継続的に実施している。優れた才能を発掘し、磨きあげるだけでなく、継続的にステップアップできるよう配慮されている。それがトヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)である。
そのプログラムにおいて、核となっているひとつがフォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)。カートレースでの実績を持っていれば、14歳からの受講が可能。年に数回(2012年は1回)が開催され、学生でも受講しやすいよう毎年夏休み、またはそれに準じた時期に合わせて開校される。
校長は、長年トヨタのレーシングドライバーとして活躍し、日本人初のル・マン24時間レース優勝者として知られる関谷正徳氏。講師はトヨタのレース経験豊富なドライバーが務め、トップドライバーによるきめ細かい指導を行っている。開校場所は静岡県の富士スピードウェイ・ショートコース。日程は2泊3日の合宿形式で行なわれる。
TDPでは、FTRS受講生の中で特に際立つ可能性が見出された者に対し、翌年以降のレース参戦の機会が与えられてきている。2013年においては、FTRSを卒業した7名のドライバーがFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)にトヨタ推薦枠で参戦し、技術的なアドバイザーのほか、フィジカルトレーナーやメンタルトレーニングコーチのサポートを受け、1年間のレース活動を行っていく。
FCJでチャンピオン、もしくはそれに匹敵する結果を示した者には、さらに全日本F3選手権や、SUPER GT等のレース参戦を支援している。更に、ステップアップを遂げた後も実績により、その後の上位カテゴリー参戦への支援も継続 していく。
TDPドライバーには、SUPER GTやスーパーフォーミュラなどに参戦する中嶋一貴、平手晃平、石浦宏明、大嶋和也、国本雄資など国内を代表するトップドライバーが顔を揃えている。また、中嶋一貴は2013年も「TOYOTA Racing」より伝統のル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権(WEC)に参戦する。TDPドライバーは国内外のあらゆるレースシーンで活躍することが期待されている。
TDPのこれまでと主な戦績 | |
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1995年 | 国内外のトップカテゴリーで活躍できるレーシングドライバーの発掘・育成と正しいドライビング教育によるモータースポーツ底辺の健全な拡大を目的に、フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)が開校する |
2000年 | FTRSにスカラシップシステムが制定される |
2001年 | 現在のTDPドライバーの前身、FTRSスカラシップ生がレース参戦(フォーミュラ・トヨタ)を開始、同シリーズで初優勝達成 |
2002年 | フォーミュラ・トヨタで優勝 (平手晃平:16歳2ヶ月 当時四輪最年少優勝記録) |
全日本F3選手権に参戦、同シリーズでの初優勝を達成 (片岡龍也) | |
2003年 | 初の欧州参戦 (ユーロF3、フォーミュラ・ルノー) |
フォーミュラ・トヨタでプロジェクト初のタイトル獲得 (中嶋一貴:当時日本人史上最年少王者) | |
SUPER GT 300クラスに参戦、同シリーズで初優勝を達成 (片岡龍也) | |
2004年 | SUPER GT 500クラス、フォーミュラ・ニッポンに参戦 |
2005年 | 欧州の育成プログラム「TOYOTA DRIVERS ACADEMY (TDA)」と併合し、日欧共同の「TOYOTA YOUNG DRIVERS PROGRAM (TDP)」となる |
フォーミュラ・ルノー イタリアシリーズおよびユーロカップでWタイトルを獲得 (小林可夢偉) | |
フォーミュラ・トヨタでスカラシップ生 二人目となるタイトルを獲得 (大嶋和也) | |
SUPER GT 500クラスにおいて初優勝を達成 (片岡龍也) | |
2006年 | F3ユーロシリーズで初優勝を達成 (平手晃平) |
SUPER GT 300クラスでGT史上最年少ポールポジションを獲得 (大嶋和也) | |
2007年 | GP2シリーズ参戦 (中嶋一貴、平手晃平) |
SUPER GT 300クラスのタイトル獲得 (大嶋和也、石浦宏明) | |
全日本F3選手権でタイトル獲得 (大嶋和也) | |
フォーミュラ・チャレンジ・ジャパンでタイトルを獲得 (国本京佑) | |
TDPドライバーが初めてF1に参戦、同時に初ポイント獲得 (中嶋一貴) | |
2008年 | F1世界選手権にフル参戦 (中嶋一貴) |
トヨタF1チームのサードドライバーに抜擢 (小林可夢偉) | |
GP2アジアシリーズ、およびGP2シリーズで初優勝 (小林可夢偉) | |
SUPER GT 300クラスの最年少優勝を記録 (国本京佑) | |
フォーミュラ・ニッポンで初優勝 (平手晃平) | |
F3世界選手権(マカオGP)でTDPドライバーが初優勝 (国本京佑) | |
フォーミュラ・チャレンジ・ジャパンのシリーズタイトルを2年連続で獲得 (国本雄資) | |
2009年 | GP2アジアシリーズタイトル獲得 (小林可夢偉) |
トヨタF1チームよりF1参戦 (小林可夢偉) | |
2010年 | SUPER GT 500クラス、300クラス 両クラス全員がTDPドライバーでの優勝を達成 (大嶋和也、石浦宏明、井口卓人、国本雄資) |
全日本F3選手権で、日本記録となる開幕から10連勝を達成 (国本雄資) | |
2011年 | F1世界選手権で連続入賞記録と獲得ポイントの日本人記録を更新 (小林可夢偉) |
2012年 | ル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、 第6戦WEC富士で初優勝(中嶋一貴: FIA世界選手権で日本人20年ぶりの勝利) フォーミュラ・ニッポンでドライバーズチャンピオンを獲得(中嶋一貴) |