2013年型TS030 HYBRID レース車両解説
ル・マン24時間レース及びFIA世界耐久選手権(WEC)へ向けて
開発された改良型TS030 HYBRID
TS030 HYBRIDのパワートレインには、トヨタ自動車(株)東富士研究所のモータースポーツ部で開発され、昨年型から更に改良が加えられたトヨタ・ハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)が搭載。独創的なスーパー・キャパシタを使用するハイブリッド・システムは300馬力を発生し、3.4リットル自然吸気V8ガソリンエンジンが発生する530馬力をアシストする。
技術規則が大きく変更される2014年シーズンを前に、2013年シーズン用に更なるパワー、効率、制御レベルと信頼性の向上を図った。
TS030 HYBRIDのシャシーも、信頼性と保守性/整備性の向上に主眼を置くと共に、更なるパフォーマンスの向上をはかり、2013年シーズン用として設計された。改良型モノコックを含む進化した空力パッケージは、2013年のレギュレーション変更によりワークスLMP1カーに課せられた最低車両重量15kg増の影響を最小限に抑え、かつ、パフォーマンスの向上を可能としている。
主要諸元 | |
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名称 | TS030 HYBRID |
タイプ | ル・マン・プロトタイプ (LMP1) |
ボディーワーク | カーボンファイバーコンポジット |
フロントガラス | ポリカーボネート |
ギヤボックス | 横置きシーケンシャル6速ギヤボックス |
ギヤボックスケーシング | アルミニウム |
ドライブシャフト | CV式三叉プランジジョイント・ ドライブシャフト |
クラッチ | マルチディスク |
ディファレンシャル | ヴィスカス機械ロック式ディファレンシャル |
サスペンション | プッシュロッド式 独立懸架ダブルウイッシュボーン(前/後) |
スプリング | トーションバー |
アンチロールバー | 前/後 |
ステアリング | 油圧式パワーステアリング |
ブレーキ | 2系統油圧式ブレーキ・システム アケボノ製モノブロック軽量合金キャリパー (前/後) |
ブレーキ・ディスク | カーボン製ベンチレーテッド・ディスク(前/後) |
ホイール | マグネシウム鍛造ホイール |
フロントホイール | 14.5 x 18 inch |
リアホイール | 14.5 x 18 inch |
タイヤ | ミシュラン・ラジアル |
フロントタイヤ・サイズ | 36/71-18 |
リアタイヤ・サイズ | 37/71-18 |
シートベルト | タカタ |
全長 | 4650mm |
全幅 | 2000mm |
全高 | 1030mm |
燃料タンク容量 | 73リッター |
パワートレイン | TOYOTA HYBRID System - Racing (THS-R) |
エンジン | 90° V8 自然吸気エンジン |
燃料 | ガソリン |
エンジン排気量 | 3400cc |
バルブ数 | 4 |
エア・リストリクター | 1 x 43.3mm |
キャパシタ | 日清紡ホールディングス |
後輪ハイブリッド・ モータージェネレータ | デンソー |
最高出力 | 530PS(エンジン)+300PS(モーター) |
車両重量 | 915kg以上 |