トヨタ・モータースポーツ有限会社（Toyota Motorsport GmbH = TMG）は、TS030 HYBRIDのシャシーの設計・製作、空力開発、さらにテストからレース参加までのオペレーションを担っている。
　その原点はラリーで、トヨタ・チーム・ヨーロッパ（TTE）としてセリカGT-Fourやカローラで世界ラリー選手権（WRC）に参加して大活躍。4度のドライバーズ・タイトルと3度のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得した。その後、主な活動の場をサーキットに移したTMGは、1998年と99年にル・マン24時間にエントリー。1998年には2位入賞を果たしている。そして2002年からは「パナソニック・トヨタ・レーシング」のチーム名でF1世界選手権に進出。2009年の撤退までトヨタF1活動の中心的役割を果たした。
　ドイツの商工業都市、ケルンにあるTMGの広大な敷地内には大型風洞、エンジンダイナモ、ドライブシミュレーターなどの充実した設備があり、トヨタのワークスチームとしてモータースポーツに参加する他、高レベルのエンジニアリング・サービスをF1チームを含む外部企業やトヨタ系列会社に提供している。