WEC 2014年 第2戦 スパ・フランコルシャン6時間レース 予選
トヨタ・レーシングのTS040 HYBRID
2戦連続で最前列から決勝レースへ
5月2日(金)、FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選が行われた。ウェットから徐々に乾いていく難しいコンディションの下、予選終了直前まで激しく順位が入れ替わるタイムアタック合戦が繰り広げられ、TS040 HYBRIDは#8が最前列2番手グリッドを獲得。#7はその後方4番手につけ、明日の6時間レース決勝に臨む。
トヨタ・レーシングは、変わりやすいコンディションに翻弄されたスパ・フランコルシャン6時間レースの予選セッションで、2戦連続となる最前列グリッドを獲得した。
開幕戦で勝利を挙げ、選手権をリードする、アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8が、セッション終了間際までトップタイムを守っていたが、最後に惜しくもポルシェにかわされ、最前列2番手グリッドとなった。
アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、中嶋一貴の#7は4番手。共に濡れた路面でウェット用タイヤで予選をスタートしたが、中盤にはスリックタイヤに履き替え、タイムを上げていった。
昨年から、WECの予選システムは2人のドライバーがそれぞれ最低2周以上のタイムアタックを行い、ベスト2周ずつの計4周平均タイムで争われる。
#7はサラザンと中嶋がドライブ。序盤溝のないハイブリッド・インターミディエイトタイヤでアタックしたサラザンは予選終盤再び中嶋からステアリングを受け継いでコックピットに収まり、更なるタイムアップを果たした。
#8も同様に、ブエミが最初にアタックしたが、デビッドソンのタイムアタック終了後、再びブエミがドライブし、好タイムをマークした。
ブエミがタイムアタックを終え、セッション終了を示すチェッカーフラッグが振られた時には、#8はトップタイムを守っていた。しかし、まだタイムアタックを終えていなかった#14ポルシェがこのタイムを上回り、ポールポジションを獲得した。トヨタ・レーシングは、ポルシェのプロトタイプカーレース復帰後初のポールポジション獲得に祝福を送りたい。
この日は、2時間ずつ2回の公式練習走行で始まり、最初の公式練習セッションから降雨に見舞われ、早速、変わりやすいことで有名な「スパ・ウェザー」の洗礼を受けることとなった。
トヨタ・レーシングは1回目の公式練習セッションで多くの周回を重ね、6人のドライバー全員がウェットタイヤを装着して走行。#7が2番手、#8が3番手タイムをマークした。
公式練習2回目には、コンディションが良くなり、チームはドライでのセットアップを試した。ラップタイムもコンディションの改善と共に着実に向上していった。
公式練習では2度にわたって短い赤旗中断があったが、TS040 HYBRIDは2台共に40周以上と多くの周回をこなし、チームのトータルでは1000km以上を走破した。この公式練習セッションでは#8が2番手、#7が4番手となった。
明日3日(土)午後2時半(日本時間午後9時半)に6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
公式練習第1回目:2番手(2分15秒415)42周
公式練習第2回目:4番手(2分01秒292)41周
予選:4番手(平均2分03秒177)
ステファン・サラザン:
奇妙な予選だった。WECの予選フォーマットでは通常2度も運転はしない。しかし、そのどちらでもトラフィックが問題だった。LMP1を追い抜きにかかるのがいつもトラフィックに見舞われる場所で、そのせいでタイムを失った。レースのように前車を捕まえに行ったのだが、上手く行った時もあればそうでない時もあった。とにかく今日はトラフィックが問題だった。しかし、このコースで我々のTS040 HYBRIDは好調で、レースでは当然勝ちに行く。
中嶋一貴:
今日はいつもの予選とはちょっと違った。状況はトリッキーで、リズムを掴むのが非常に難しかった。私がステファン・サラザンからステアリングを受け継いだ時にはコースが乾き始め、スリックタイヤでタイムアタックに臨んだ。しかし、ベストタイムを記録することは出来なかった。ただ、その後ステファンに再びステアリングを託し、好タイムを出せたおかげで4番手のグリッドを獲得することが出来た。このスタート順位なら十分に勝利を狙えると信じている。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
公式練習第1回目:3番手(2分15秒467)40周
公式練習第2回目:2番手(2分00秒638)44周
予選:2番手(平均2分01秒836)
アンソニー・デビッドソン:
予選セッションのかなりの部分でトップタイムを守り続けていたので、ポールポジションを獲れなかったのは何とも残念だ。しかし我々は、ベストを尽くすことが出来たし、良い状態だと思う。セバスチャンは最後にもう一度タイムアタックへ挑み、平均ラップタイムを上げてくれた。我々はやるべきことを全てやった感じもあり、少々胸が痛い。明日は多くのポイントとトロフィーを獲得出来るよう、そちらに集中する。
セバスチャン・ブエミ:
ポールポジションを獲りたかったので少々残念だ。ポルシェはうまくまとめたと思う。祝福したい。今は、明日何が出来るかを見極めることだ。最前列からスタート出来るのは実に嬉しいことなので、出来る限りプッシュして行きたい。この予選セッションは最後まで厳しい戦いだった。ポールポジションの位置を守り続け、最後の瞬間にそれを失ったのは残念だが、それもレースだ。