トヨタとWECの歴史
トヨタは長きに渡り、耐久レース、ル・マン24時間、WECに挑戦を続けている。中でも"TOYOTA SPORTS"を意味する"TS"を冠したレーシングカーには、その時代であらん限りの技術的挑戦を行い、そして勝利を目指し戦ってきた。歴代のTSシリーズとWECや耐久レースで活躍してきた各車を紹介しよう。
トヨタとWECの歴史（1982年〜1990年）
トヨタ89C-V（1989年）
TS030 HYBRIDへと続くトヨタとWECの歴史のはじまりは1982年の富士6時間WEC IN JAPANにまで遡る。
トヨタ・トムス85C-L（1985年）
トヨタ・トムス85C-L（1985年）
トヨタ・トムス85C（1985年）
トヨタ88C（1988年）
トヨタ90C-V（1990年）
トヨタ90C-V（1990年）
TS010（1991年〜1993年）
トヨタTS010(1992年）
グループC規定に則ってトヨタが開発し、V10 3.5 リッターのNAエンジンを搭載した。デビューは1991年の世界スポーツカー選手権（SWC）最終戦オートポリスで、G.リース/A.ウォレス組が6位入賞。翌92年のSWC全戦に参加し、開幕戦モンツァでG.リース/小河等が見事優勝を飾った。ル・マン24時間には3台参加し、最上位は関谷正徳/P.H.ラファネル/K.アチソン組の総合2位だった。翌93年のル・マン24時間にも3台参加。1992年の活躍から優勝候補と目されながらも様々なトラブルに見舞われ、最高位は関谷正徳/鈴木利男/E.アーバイン組の4位であった。
トヨタTS010（1992年）
トヨタTS010（1992年）
トヨタTS010（1992年）
左からP.H.ラファネル、関谷正徳、K.アチソン（1992年）
トヨタTS010（1992年）
小河等の遺影を持ち、2位表彰台に立った
3選手(1992年）
トヨタTS010（1992年）
TS020（TOYOTA GT-One）（1998年〜1999年）
TS020（1999年）
ル・マン24時間制覇を目的に当時のGT1規定でTTE（現TMG）が設計・製作した。エンジンはグループC用3.6リッターV8ツインターボを改造して搭載。1998年と99年のル・マン24時間に参加した（99年はLM GTPクラス）。3台体制で臨んだ1998年は2台が序盤からトップ争いに加わるが共にリタイアし、片山右京/鈴木利男/土屋圭市組の9位が最上位。翌99年もGT-Oneの名で3台が参加。予選で1-2位を獲得。レースでも主導権を握るが、不運に見舞われ2台がリタイア。終盤、猛烈な追い上げを見せた片山右京/鈴木利男/土屋圭市組が2位表彰台を獲得した。
トヨタTS020（1998年）
トヨタTS020（1998年）
トヨタTS020（1998年）
トヨタTS020（1999年）
トヨタTS020（1999年）
2位表彰台に立った左から土屋圭市、
鈴木利男、片山右京(1999年）
TS030 HYBRID（2012年〜）
TS030 HYBRID（2012年）
ハイブリッド車の先駆者として最先端技術を誇るトヨタがレース専用に開発したハイブリッドシステム「THS-R (TOYOTA Hybrid System - Racing)」を採用したトヨタ初のLM P1カー。新設計のNA3.4リッターガソリンエンジンとデンソー製モーター・ジェネレーター・ユニットを搭載。日清紡との共同開発によるキャパシタ（蓄電装置）を介したエネルギーの回生と力行は後輪で行う。シャシーはTMGで設計・製作。2012年のル・マン24時間では8号車（A.デビッドソン）が予選で335.2km/h を、7号車がフリープラクティスで332.1km/h記録して最高速度で1、2位を占めた。3位はNo.4アウディR18 Ultraの331.1km/h。決勝では7号車が一時トップに立つもトラブルでリタイア。8号車もアクシデントにより完走はならなかった。
TS030 HYBRID（2012年）
TS030 HYBRID（2012年）
TS030 HYBRID（2012年）
TS030 HYBRID（2012年）
TS030 HYBRID（2012年）
TS030 HYBRID（2012年）
