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ルカ・マルモリーニ、東富士研究所を語る
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Higashi Fuji Technical Center at the forefront of R&D in Japan
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ルカ・マルモリーニ、東富士研究所を語る
エンジン開発は言うまでもなく東富士研究所の需要な任務のひとつだ。ここでは東富士研究所との共同作業について、エンジン部門テクニカルディレクターのルカ・マルモリーニが語った。
~TMG広報スタッフ
 
プロフィール  
TMGと東富士研究所はどのくらいの頻度で情報交換しているのでしょう? また、それはどういった手段で行っていますか?
「トヨタのF1エンジン開発において東富士研究所は計り知れないほど重要な役目を果たしています。ドイツのわれわれとも頻繁にやり取りをしており、とても近い関係にあります。現在進行中の研究課題について、東富士研究所のスタッフと打ち合わせをすることは週に何度もありますね」

「通常は2週間に1度、定例会議を行っており、その機会にデータやアイディアなどを交換します。ほかにも部門別の打ち合わせもしています。たとえばリサーチ、デザイン、製造、といった各部門ごとの打ち合わせを定例会議とは別の機会に行っています。F1エンジンの開発の進捗については、こうした形で頻繁に東富士研究所とやりとりしているのです」

東富士研究所からもたらされた特定の情報が好結果につながったという事例はありますか?
「長期の開発計画と研究以外にも、日本の東富士研究所で進行している活動の中でわれわれのプロジェクトに対しポジティブな影響を及ぼしてくれたものはいくつもあります。たとえば過去にはエンジンのインジェクションに関するプロジェクトを行い、まずはテスト用エンジンでその成果が試され、その後レース用エンジンにも採用されました。われわれはエンジン開発のさまざまな分野で常時共同作業を行っていますから、何かひとつの例を取り上げるのは難しいですね」

では東富士研究所との共同作業において、特に重要なことは何でしょうか?
「こうした研究開発のプロセスで大切なのはチームワークということです。どの部門やグループもなくてはならないわけですし、同時にケルンにあるTMGと日本にある東富士研究所がひとつのユニットとして機能していなければなりません。こうした共同作業が可能になったのは、最新のコミュニケーション・テクノロジーのお陰ですね。そこにはもはや距離という概念は存在しません。ビデオ会議は迅速で効率の良いコミュニケーション手段なのです。われわれのようにひとつのチームとして、定められている通りに仕事をしていけば、遠く離れているために生じる障害も容易に克服できるようになるわけです」

toyota-f1.comインタビュー

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