F1第7戦モナコGPが、モナコ公国・モンテカルロ市街地の特設コースで行われる。通常のグランプリウィークと
異なり、伝統のモナコGPならではのスケジュールで、木曜日に公式練習の1回目と2回目が行われた。
気持ち良く晴れ渡った空の下、気温23度、路面温度29度、湿度61%のコンディションで午前11時に公式練習
1回目が開始され、各チームが早々にデータ取りを開始。進化型“TF106B”のデビュー戦へとパナソニック・
トヨタ・レーシングの2人のドライバーは、公式練習1回目から積極的に走行を重ね、ヤルノ・トゥルーリが
11周を走行して15番手、ラルフ・シューマッハーは14周で16番手タイムを刻んだ。2時間のインターバルを
挟んで行われた公式練習2回目は、気温は変わらず23度ながら路面温度は47度まで上昇。パナソニック・
トヨタ・レーシングの2台は狭く、曲がりくねった難コース攻略へ向け、着実に周回を重ね、データを収集。
ヤルノ・トゥーリが11番手、ラルフ・シューマッハーが18番手となり、明後日、土曜日に行われる公式練習
3回目と予選、そして、日曜日の決勝へと臨む。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー8
シャシー:TF106/08B
公式練習1回目 : 15番手 1分18秒703(トップと1.991秒差) 11周
公式練習2回目 : 11番手 1分17秒325(トップと1.418秒差) 25周
「モナコでの典型的な木曜日であったが、多くの結論を導き出すのは難しい。路面のグリップは低く、一日を
通じてあまり改善されなかった。しかし、我々は大きなトラブルに見舞われることもなく、多くの周回をこなす
ことが出来た。今回がデビュー戦となる進化型“TF106B”をより改善すべく、いくつかの異なったセットアップを
試したが、まだやるべきことは多い。ここは公道特設コースであり、路面の状況は、レースの週末を通じて
常に変化する。それに応じてセットアップを調整し、予選と決勝で最大の能力が発揮できるようにする必要が
ある。このコースでは、些細な失敗も許されないので、経験こそが最も重要なものとなる。追い抜きが困難な
ため、常に予選が極めて重要となるが、土曜日の予選は、22台のF1カーが走行するために、クリアラップを
確保することが難しく、厳しいものとなるだろう」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー7
シャシー:TF106/07B
公式練習1回目 : 16番手 1分19秒021(トップと2.309秒差) 14周
公式練習2回目 : 18番手 1分17秒793(トップと1.886秒差) 26周
「公式練習初日としては納得のいく一日であったが、グリップの確保に苦しんだ。セットアップに関してまだ
いくつかやらなくてはならないことはあるが、路面が大きく変化するモナコにおいてはいつものことだ。木曜日に
おけるモナコでのラップタイムは、シーズン中の他のレースに比べると参考になりにくい。コースは狭く、
何事もなくレースウィークを終えることが挑戦なのだ。だから、進化型“TF106B”のパフォーマンスについて
語るのはまだ早い。この進化型はメカニカルな面での進化を遂げているが、新しい空力パッケージが完成した
わけではない。しかし、これは確実に進化を遂げており、今後のレースで結果をもたらしてくれるはずだ」
ディーター・ガス : レース&テスト チーフ・エンジニア
「今日はいつものモナコの初日同様に、午前、午後共に難しい公式練習セッションとなった。どちらのドライバーも、
公道の路面から想像される通り、グリップの欠如を訴えた。路面のグリップは一日を通して改善されていったが、
大きなものではなかった。路面にラバーが乗るまでには多くの時間を要し、午後のセッションではクリアな
周回を確保することが出来ず、良いタイムを記録することが出来なかった。しかし、我々は辛抱強く、計画
していた作業を全て終えた。我々は、これからどこまでやれるのか、データを調べる必要がある。一つ確実
なのは、土曜日には路面は全く異なるものになっているだろうということだ」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「今日は“TF106B”の初グランプリへ向けた初日であり、車両の確認をまず行った。そのため午前中の
セッションから両ドライバーとも積極的に周回を重ね、メカニカル、空力両面からセッティングを進めた。
市街地サーキットの初日であり、グリップが低いということはあったが、トラブルなく初日のプログラムをこなす
ことが出来た。明日金曜日はモナコ独特の休養日であるが、今日のデータをしっかり活用し、土曜日の
予選へと体制を整える」
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