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Rd8. Grand Prix of Great Britain
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ヤルノが最後尾から追い上げて11位獲得。ラルフは1周目にリタイヤ

シルバーストーンで開催されたイギリスGPにおける週末の努力の成果として、パナソニック・トヨタ・レーシングは、ヤルノ・トゥルーリによる11位という結果を得ただけにとどまった。

 
2006年6月11日(日)
 

予選で7番手という上位グリッドを獲得していたラルフ・シューマッハーだが、1周目の高速で難しいベケッツ・コーナーでアクシデントに見舞われ、そこでレースを終えることになった。ラルフのTF106Bはトロロッソのスコット・スピードに接触されてしまい、できる限りの努力はしたものの、それ以上クルマをコントロールすることができなかった。ラルフはコースを横切る形になり、そこでウィリアムズのマーク・ウェバーと接触し、2台ともリタイヤとなった。

「ああしたことが起こったときにドライバーにできることなんて何もない」と話すラルフ。「大きなフラストレーションを感じているよ。予選の後、われわれはさらなるポイント獲得に向けていい位置にいると確信していたからね。だが私は2レース連続でいいスタートを切ることができず、その結果、集団の中に飲み込まれ、問題を抱えることになってしまった。だがああいったことを故意にやろうとするドライバーなんていないし、とにかく今回のことは過去のことにして前を向いていかなければならない」

いっぽうでヤルノのレースは、予選でのエンジン・トラブルによる最後尾スタートの影響もあり、妥協せざるを得ない状況だった。

「あのトラブルが起こるまで、私はずっと楽観的に考えていた」と説明するヤルノ。「クルマのバランスはよかったし、バルセロナやシルバーストーンのような高速サーキットでのテストでもいいパフォーマンスを発揮できていたからね。ただしここでは前のクルマに近づいて走るとダウンフォースを失うため追い越しが難しい。最初のピットストップでは予選で使わなかった新品タイヤが残っていたお陰もあって、いくつか順位を上げることができた。2回目のピットストップでも同じ作戦でバリチェロを抜けるのではと期待していたが、残念なことにピットアウト後の私はデビッド・クルサードの後ろになってしまった。自分にできることはすべてやってみたが、実際の所、最後尾からスタートしてポイントを獲得するというのはまったく現実的ではなかった」

レースでは現ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソ(マイルドセブン・ルノー)が3連勝を飾り、2006年のタイトル争いでミハエル・シューマッハー
(スクーデリア・フェラーリ・マールボロ)との差を23ポイントへと広げた。そのシューマッハーはこのレースでは2位となり、続く3位はチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンとなった。4位は2台目のルノーのジャンカルロ・フィジケラ、5位はフェラーリのフェリペ・マッサ、6位はマクラーレンのファン‐パブロ・モントーヤとなり、ポイント圏内の最後の2台はBMWザウバーのニック・ハイドフェルドとジャック・ビルヌーヴとなった。

トヨタのシャシー部門シニアゼネラル・マネージャー、パスカル・バセロンは次のように述べている。「ラルフのスタート失敗はちょっとしたミステリーだ。というのも、われわれは最近スタートに関して懸命に取り組んできたからね。スタート失敗の結果、彼は1周目の渋滞にはまってしまったし、また、その後スピンへと追い込まれたときに彼にできることは何もなかった。ヤルノのレースは当然ながら予選でのトラブルで大勢が決まってしまっていたが、彼はレース中ずっとプッシュし続けて、可能なことはすべて達成してくれた」

F1世界選手権はシーズン中盤のフライアウェイレース(ヨーロッパ圏外でのレース)のため、これから大西洋を越えてモントリオールとインディアナポリスを転戦するが、チームはその前にさらにテストを重ねるためモンツァへと向かうことになる。

1 F・アロンソ
ルノー
2 M・シューマッハー
フェラーリ
3 K・ライコネン
マクラーレン
4 G・フィジケラ
ルノー
5 F・マッサ フェラーリ
6 J・モントーヤ
マクラーレン
7 N・ハイドフェルド
ザウバー
8 J・ビルヌーブ
ザウバー
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