F1第17戦日本GPの決勝レースが三重県の鈴鹿サーキットで行われた。昨日に引き続き好天に恵まれた鈴鹿サーキットは、かつてない大観衆に埋め尽くされ、
午後2時、気温25度、路面温度29度、湿度37%のコンディションの下で決
勝レースのスタートが切られた。2列目グリッドを独占して決勝へと臨んだパナ
ソニック・トヨタ・レーシングの2台は、序盤戦から常に上位争いを繰り広げた
が、中盤、ヤルノ・トゥルーリがバランスの不調に見舞われポジションダウン。
しかし、粘り強く戦い続け、ヤルノ・トゥルーリが6位、ラルフ・シューマッ
ハーが7位でチェッカーフラッグを受けた。パナソニック・トヨタ・レーシング
は、チームのホームレースでファンの声援に応え、2台揃ってダブル入賞、ポイ
ント獲得を果たした。
ヤルノ・トゥルーリ : カー・ナンバー8
シャシー:TF106/08B
決勝 : 6位 トップと46.717秒差
グリッド : 4番手
「日本GPでポイントを獲得出来たことは悪い結果ではないが、我々はもっと良
い結果を期待していた。良いスタートを切ったが、最初のコーナーでアウト側に
行こうとして行き場を失ってしまった。しかし、序盤は好調で、トップのペース
に容易に追随出来た。最初のピットストップの後も、新しいタイヤで速いラップ
タイムをマーク出来、順位を上げることが出来た。しかし、2回目のピットスト
ップの後は、苦しいレースとなってしまった。戦略は上手く行っていたが、最後
のタイヤセットに若干の問題を抱えることとなり、最初の10周に渡って苦戦を
強いられた。昨日と何が異なっていたのかを分析する必要があるが、今日は昨日
よりも少し涼しかったことが、タイヤのパフォーマンスに何らかの影響を与えた
のかも知れない。その後は、私のペースも改善されていったが、周回遅れも増え、
行く手を阻まれ、それ以上のポジションアップは困難だった。さらなる好成績も
可能だったとは思うが、重要なことは、コンストラクターズポイント争いのため
に、我々2人が揃ってポイントを獲得出来たということだ」
ラルフ・シューマッハー : カー・ナンバー7
シャシー:TF106/10B
決勝 : 7位 トップと48.869秒差
グリッド : 3番手
「チームのために、2人で5ポイントを獲得出来たことは喜んではいるが、より
良い結果が得られていたはずだ。上手くスタートを切り、3位を守って第1コー
ナーに進入出来た。実際に序盤、我々は順調で、最初のピットストップまで、前
を行くライバルと同様のペースを維持出来た。ヤルノ・トゥルーリが新しいタイ
ヤで私を先行し、その後はずっと彼の後でレースの大部分を過ごすことになって
しまった。2回目のピットストップの後、彼は私よりも遅いペースとなり、追い
越しを試みたが、それは非常に危険であり、ポイントの獲得すら失う危険を伴っ
ていたために諦める決断をした。とはいえ、これまでの厳しかった2レースを考
えれば、今日の結果は満足行くものだ」
新居章年 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「日本GPで2台揃って完走、ポイントを獲得出来たことはチームとして喜ばし
い。しかし、もっと良い成績を期待して応援していただいた皆さんには本当に申
し訳なく、また残念だ。これは最後の給油ピットインでヤルノ・トゥルーリ車の
バランスが崩れてしまったためであったが、この課題はしっかり分析し解決した
い。この週末を通して見れば、手応えはしっかり感じ取ることが出来たし、チー
ムも自信を深めることが出来た。次の最終戦ブラジルGPでは、是非良い成績で
今年を締め括りたい」
冨田務 : TMG会長 兼 チーム代表
「とても厳しいレースであった。そして、目標が表彰台であっただけに、大変残
念だ。昨日の予選では素晴らしいグリッドポジションを得て、ドライコンディシ
ョンも完璧であった。我々は、上手くスタートを切り、ヤルノ・トゥルーリがF.
アロンソの果敢な攻めにポジションを譲ったものの、最初の給油ピットインまで
は、トップと遜色ないペースで戦えた。我々の最初のピットインは、多くのライ
バルがピットインを開始する1周か2周前であり、戦略は間違っていなかった。
ヤルノ・トゥルーリが新しいタイヤでラルフ・シューマッハーの前に出たが、ま
だ我々のペースは充分に速かった。この段階では、まだ表彰台は現実的なものだ
った。特にその後、ミハエル・シューマッハーが戦列を去ったこともあり、その
可能性は高かった。しかし、残念ながら2回目のピットストップの後、ヤルノ・
トゥルーリが不調に見舞われ、ピットアウト後10周に渡ってペースが落ちてし
まった。原因は調査しなくてはならないが、その時点でより速かったラルフ・シ
ューマッハーもこの影響を受け、後続の数台に先行を許してしまった。このため、
我々は6位と7位に甘んじることとなった。今日の結果からも、上位チームに対
してまだ足りない部分があるということを再認識させられたが、それでも、セー
フティカーの入らない、クリアなコンディションで上手く戦えたことには満足し
ている。多くの声援をいただいたファンとスポンサー、そして、トヨタ自動車、
関係各社に感謝の意を表するとともに、より良い結果とならず、申し訳ない気持ちだ」
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