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Rd.4 Grand Prix of San Marino Keizo Takahashi report
grand prix
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高橋敬三リポート:日曜日
2005年04月24日(日)

応援ありがとうございました。サンマリノGP予選2回目と決勝についてご報告いたします。

3戦連続表彰台は叶いませんでしたが、なんとかポイントを獲得することができました。ポイントを獲ることができたからうれしいか、と聞かれれば決してそんなことはありませんが、最低限の課題はクリアできました。エンジンは、かなり暑い環境で痛めつけたバーレーンGPの後を受ける2レース目。全開率の高いイモラサーキットは前戦とは別の側面でエンジンに厳しかったのですが、2台ともトラブルなく完走することができました。次戦スペインGPではフレッシュエンジンが使えますし、今シーズン初めて性能向上を果たしたバージョンアップを行う予定です。仕切直して「表彰台獲得」といういつものペースに戻りたいと思います。

イモラでの難しいレースを戦い終えた高橋敬三。  

●決勝を重視したうえで、予選順位アップを狙う
予選2回目に向けては、いままでどおりあくまでも決勝を重視した戦略で臨みました。そのなかでなんとかひとつでもポジションを上げられればいいなという考えです。あまり搭載燃料を軽くしてもレースを台無しにすることになりますから。

ラルフはタイムアタックの順番が9番目だったので、15番目にアタックをするヤルノより不利な状況だったと思います。ふたりのタイム差は、路面コンディションをどれだけ把握できていたかの差だと思っています。いずれにしても、ふたりのドライバーともにミスなく走ってくれ、予選1回目よりもポジションを上げてくれましたので、予選2回目は我々の思惑どおりに展開したと言っていいでしょう。

朝の段階では、レースの後半から雨が降る可能性があるということだったので、ピットストップ2回目の搭載燃料をぎりぎりまで決めないでいました。ところが、レース直前になって「雨は降らないだろう」という情報が入りましたので、当初の予定どおりの戦略で臨むことにしました。

●苦しい展開ながら入賞圏内でフィニッシュ
スタートはヤルノもラルフも良かったと思います。集団の前の方でスタートしたヤルノはウイリアムズのウエーバーを抜いて4番手にポジションを上げました。一方、ラルフは2つポジションを落としましたが、混乱の激しい中団からのスタートでは不利な流れに巻き込まれることも多いので、致し方ないと思います。全体としては、いいスタートだったと言えます。

タイヤを労るためにダウンフォースをやや効かせたセットアップで臨んだのですが、ヤルノが途中からオーバーステア傾向を抱え、ペースを上げることができませんでした。苦しい戦いを強いられたのはそのためです。オーバーステアがきつくなっていった影響もあるし、ペースがだんだん落ちてくると後ろが気になりだすこともあって、さらにペースが落ちる。ちょっと悪循環に陥ってしまったところがありますね。ピットのデータにもヤルノのオーバーステア傾向は伝わっていましたので、デフやトラクションコントロールの制御を調整するように指示し、改善に努めたのですが、苦しい走りに変わりはありませんでした。

ラルフのペースはヤルノよりも良かったのですが、渋滞にはまってしまって、抜け出すのに苦労してしまいました。終盤、ハイドフェルドが追い上げてきましたが、コースの特性からしてポジションの入れ替えはあり得ない状況でしたので、不安に感じることはありませんでした。それより、本来なら我々の前を走っていたビルヌーブを追い上げたかったところです。

縁石やバンプが走行に与える影響が大きいなど、イモラは特殊な部類に入るサーキットですので、この1戦だけで他チームとの相対差が大きく変わったとは思っていません。ですが、ブリヂストンが復活してフェラーリが速さを取り戻したし、B.A.Rもザウバーも速くなってきました。いよいよ混戦になってきたという印象です。

  レース後、お互いをたたえ合うヤルノとラルフ。

●戦闘力アップで「これまでのペース」に戻す
この後は当初、シルバーストンでのテストを予定していたのですが、天気が悪そうなので急遽ヘレスに変更し、2日間のテストを行うことにしました。ヘレスではタイヤの評価を行うとともに新しいアイテムを試します。

次戦スペインGPには総合的なパフォーマンスを高めたバージョンアップ仕様のフレッシュエンジンも持ち込みますので、いっそうの戦闘力アップを図って表彰台ペースに戻したいですね。混戦の度合いが強くなった状況ではなかなか難しいとは思いますが、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。去年は入賞しただけで喜べる状態でしたが、今年は目標とするところが違いますし、期待値も違いますから。

公式サイトへのアクセスありがとうございました。次戦もパナソニック・トヨタ・レーシングの応援をよろしくお願いいたします。

高橋敬三プロフィール
7位と8位を編隊走行する2台