北米2連戦の後半戦 伝統の聖地でアメリカGPに挑む
昨年4位入賞のJ.トゥルーリとR.シューマッハーが再びポイント獲得争いへ
2007年6月11日(月)
日曜日に行われたF1第6戦カナダGP決勝でポイント獲得を果たしたパナソニック・
トヨタ・レーシングは、北米2連戦の後半戦となるF1第7戦アメリカGPへと、カナダの
モントリオールからアメリカのインディアナポリスへと南下する、短い旅に飛び立った。
インディアナポリス・モーター・スピードウェイは長い伝統を持ち、アメリカン・モーター・
レーシングの記憶を呼び起こさせる場所であり、2000年からF1アメリカGPの開催地と
なっている。近代的なF1サーキットともいえるコースは、有名なオーバルコースの
バンクに入る前に、曲がりくねったインフィールドのコースを走り抜けるのが特徴だ。
パナソニック・トヨタ・レーシングは何度かこのコースで好結果を残しており、ヤルノ・
トゥルーリは昨年、後方からスタートを切りながらバトルを展開し、4位でフィニッシュ
している。今シーズンはこれまでのところ、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって
試練の期間のようであったが、この週末は、アメリカへの旅で最良の結果と更なる
ポイント獲得を目指す。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー11
「アメリカン・モーター・レーシングの聖地であるインディアナポリスは特別な場所であり、
特別な雰囲気を持っている。しかし、残念ながら私にとってはあまり幸運なコースではなく、
2度に渡って忘れてしまいたいようなアクシデントに遭遇している。とはいえ、今
私は更なる期待と共にインディアナポリスを訪れ、悪い記憶は忘れ去ってしまうつもりだ。
スーパースピードウェイに設けられたF1コースにおける主な挑戦は、セットアップの
バランスを得ることだ。バンクから第1コーナーへと向かうフィニッシュラインのストレート
では充分な最高速が必要とされ、その上で低速かつ曲がりくねったインフィールド
区間での安定性も保持しなくてはならない。今シーズン私は努力を強いられているが、
我々の状況は改善出来ると今でも確信している。我々はカナダGPでポイント獲得を
果たし、そして、インディアナポリスでは過去にチームは好記録を残している。
日曜日には良い結果を得て、チームが上昇機運に乗れることを期待している」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー12
「パナソニック・トヨタ・レーシングの一員となってからずっと、インディアナポリスで私は
良いパフォーマンスを見せてきた。2005年にはポールポジションを獲得し、昨年は、
ピットレーンからのスタートにもかかわらず4位でフィニッシュを果たすことが出来た。
インディアナポリス・モーター・スピードウェイは世界で最も重要なレースの一つを開催
する場所であり、ドライバーにとって特別なコースだ。人々は本当にモータースポーツに
対して情熱的で、誰もが友好的なので、サーキットと市街地のどちらの雰囲気も
楽しみにしている。F1のコースは特にテクニカルと言うわけではないが、滑りやすく、
ストレートでの最高速のためにダウンフォースを削るので、インフィールドでは低速
コーナーでのメカニカルグリップを得るべく努力する必要がある。我々は2007年を
困難なシーズンで過ごしており、カナダGPは私にとって非常に厳しいレースとなって
しまったが、この週末は良い戦いが出来ることを望んでいる」
パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「インディアナポリス・モーター・スピードウェイは2つのサーキットを最高の方法で結び
つけている。周回の一部は23秒間に渡りスロットル全開を強いられるオーバル区間
であり、残りは曲がりくねったインフィールド区間となっている。セットアップを行うに
当たっては、明らかに妥協が必要となる。単純計算をすると、ダウンフォースの強弱に
かかわらず同じようなラップタイムとなってしまう。非常に高いダウンフォース設定で
走行すると、インフィールド区間では速いがストレートでは遅くなり、低ダウンフォース
設定では反対の状況になる。決勝レース中は、他車を追い越すために、そして追い
越されないように、ストレートでの速度が重要だ。このためダウンフォースは低めの
設定となる。また、インフィールド区間からバンクへと加速していくために、リアタイヤの
摩耗は、シーズン中でも最も厳しいサーキットの一つだ。カナダGPの公式練習中に
見舞われたフロントサスペンションのトラブルに関しては、再現されることはないと
考えており、心配していない。ジル・ビルヌーブ・サーキットの第8ターンは独特の
ものであり、この問題を改善するための充分な時間はある。インディアナポリスでは
再びポイント圏入りを果たし、好調の下で北米大陸を後にしたい」