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新居章年リポート
2007年7月9日(月)いつもご声援ありがとうございます。第1回F1グランプリが開催された伝統の一戦、イギリスGPの模様を報告します。 ●合同テストの好調ぶりをキープして予選で前に出たい 金曜日の走行は天候が不安定ながら、6月下旬にシルバーストンで行ったテストの結果を受け、好タイムをマーク。よいスタートを切ることができた。
●金曜日の走行も好調持続。気を緩めず2台予選トップ10を狙う 車両は外観上はフランスGP仕様と変わらない。しかし、フレッシュエンジン搭載に伴い吸排気系の向上を図るなど細かい改善が行われている。
ただ、午後のフリー走行2回目に記録したラルフ(シューマッハー)の3番手とヤルノ(トゥルーリ)の5番手というポジションに関しては、燃料搭載量やコースインしたときのタイミングが異なるので、上位につけたからといって油断はできません。幸い、土曜日以降は天気も回復し、安定した条件で予選とレースが行われるという予報なので、そこで自分たちのポジションが見えてくると思います。まずは、予選はしっかりと戦いたい、2台揃ってトップ10内というのはもちろん、できればもう少し上のポジションを狙いたいというのが金曜日の走行を終えての心境でした。
●開幕戦の教訓を活かした空力思想が奏功。ラルフは今季最高の6番手を獲得
タイヤはハード、ミディアムとも好パファーマンスを発揮し、ラルフは今季最上位の予選6位を獲得。レースにも期待がかかったのだが……。 本当に久しぶりで、前回2台揃って予選で最終ピリオドに進出したのが、いつだったかを調べたほどでした。今シーズン開幕前のバーレーンで強風に悩まされたことがいい勉強になって、2週間前にここシルバーストンで行われた合同テストでは、風の影響によるエアロダイナミクス面での神経質な挙動は、かなり改善されたようです。
とはいえ、手放しで喜ぶことができないのも事実です。それは、今季のチーム予選最高位の6位を獲得したラルフがとても調子が良かったのに対して、ヤルノがいまひとつ波に乗れなかったことです。これは風の影響を受けたとき、ヤルノ車の方がそれを敏感に感じてしまう傾向があることが関係しているものと思われます。そんななか、ヤルノが予選できっちりとタイムをまとめて、最終ピリオドへ進出したのは、さすがです。
今回、ブリヂストンさんが持ち込んできた2種類のタイヤは、どちらも高いパフォーマンスを発揮してくれて、レースでは両方とも勝負タイヤとなる可能性があります。しかしながら、2種類のタイヤにそれぞれの特徴があることも確かです。それをうまく使い分けるタイヤマネージメントをレースではしっかりと行っていく必要がありました。
●安全を考慮して、リタイアを決定 1回目のピットストップを終え、ポジション挽回を目指し再び戦いに挑んだラルフであったが、安全上重要な部位のトラブルが発生したため、リタイアを決断せざるを得なかった。
予選結果のアドバンテージを生かすことができず、とても残念なレース結果となってしまいました。レース前に心配していたスタートで、ラルフが出遅れたためにルノー勢とBMWのハイドフェルトに先行を許しましたが、その後は彼らと同様のペースで走行してくれたことは収穫です。しかしながら、1回目のピットストップ後に「左前輪ベアリングがおかしい」(ラルフ)と言って、ピットインしてきました。しかし、ピット前で調べてみると、ホイールナットの締め付けに問題があることが判明したんですが、その原因を特定することができず、トラブルを抱えている場所が場所だけに、そのまま原因不明のまま走行を続けさせることもできないので、リタイアさせることにしました。ヤルノは機械的なトラブルはなかったんてすが、10周目あたりからタイヤのグリップダウン症状に見舞われ、ペースが上がりませんでした。1回目のピットストップでニュータイヤに交換してもその症状は改善されなかったので、2回目のピットストップを少し早くして、ここまで装着したハードタイヤと異なるミディアムを履かせて改善を試みました。しかしながら、ヤルノは「グリップ力は多少上がったがタイムが出ない」と状態は好転しませんでした。またラルフのトラブルの原因もレース中にはっきり特定できなかったため、この時点で安全を考慮しリタイアさせることにしました。 トップ10から2台がスタートして、揃ってリタイアに終わるのは残念であり、不本意な結果です。ファクトリーに帰って原因を究明し、第2の地元GPとなるニュルブルクリンクで行われる次戦ヨーロッパGPでは、ぜひいいレースをお見せしたいと思いますので、ご声援よろしくお願いします。 シルバーストーンでの新居章年。今回は一発の速さを見せたTF107だが、レースでは不調に終わる。更なる改善を果たすべく、今週はスパ・テストに臨む。 |