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Rd.10 Grand Prix of Europe
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ヨーロッパGP テクニカル・プレビュー パスカル・バセロン Q+A

●イギリスGPは期待が持てただけに、逆にフラストレーションがたまる結果だったと思いますが、いかがだったでしょう?
「レースでは、本来の自分たちのレベルのパフォーマンスに見合った結果を残すことができず苦戦したのは明らかだし、しかもこれは初めてのことではない。だがシルバーストーンでのわれわれのパフォーマンスのレベルそのものは良好だった。今シーズンここまでで最高だったし、自分たちがいるべき場所にいたと思う。BMWと競い合いつつ、その他のチームの前にでることができていたしね。純粋な速さではルノーをやや上回り、BMWと同レベルだった。その点では満足ができたものの、最終的には望んでいた結果を達成できず残念だった」

●ラルフとヤルノのリタイヤに関しては何が原因だったのですか?
「われわれは、シルバーストーンでのレース中にいくつかの問題に見舞われてしまったんだ。ラルフにはピットストップの際に左前輪に問題が生じた。ホイールが適切に固定されていなかったためにリタイヤせざるをえなかった。ヤルノはこれとはまた別の問題を抱えていた。そもそも週末のはじめから、ヤルノはラルフに比べてクルマのセットアップに馴染めていなかった。ただし予選ではラルフにそれほど離されることなくトップ10入りできたわけで、それが大きな問題とは言えなかった。ただし、彼がラルフよりセットアップに満足できていなかったのは確かだ。どうやら日曜日にコースコンディションがこれまでにない状況に変わったせいで、ヤルノはバランスもグリップもまったく得られない状態になってしまったらしい。そのためタイヤの内圧を変え、コンパウンドを変え、ノーズを交換した後は、もはや彼を手助けできる手段は何ひとつ残されていなかった」

●イギリスGPの週末におけるラルフのパフォーマンスについてはいかがですか?
「ラルフは週末を通じて非常に好調だった。1回目のフリー走行からレースに至るまで、今回の週末のラルフは良好なパフォーマンスを発揮してくれたし、特に肝心の予選第2セッションでは各セクターの自己ベストタイムを更新して、うまくアタックをまとめてくれた。あれは非常にいい仕事ぶりだったね」

●ヨーロッパGPではクルマに何かアップデートを施すのでしょうか?
「ニュルブルクリンクでは細かな空力面のアップデートを行う。これはほとんどのレースで予定している継続的な改善の一部だ。ときにはアンダーフロアからボディワークに至るまで、すべてを変える大きなアップグレード・パッケージを持ち込むこともある。次にそれを行うのはブダペスト(ハンガリーGP)だろう。ハンガリーではレース用に新しいパッケージを予定しているが、今回のものは空力効率の点で2~3個所ほど継続的な改善を施しただけだ」

●シルバーストーンと比較してニュルブルクリンクはいかがですか? 前回の速さを今回も発揮できると考えていいでしょうか?
「もちろん同じレベルのパフォーマンスが発揮できることを願っている。ただしコースの特性は異なる。シルバーストーンは、たとえばタイヤへの負担という意味では極めて特殊なコースだ。コーナリングスピードの平均値に関しても同じことが言える。いっぽうでニュルブルクリンクは全体的にもっと平均的なレベルにある。ダウンフォースを中程度にして走ることになるし、ブレーキングの安定度に関しても平均的だ。タイヤの使い方に関してはマニクール(フランスGP)の場合に似ているが、ただしフロントへの負荷の偏りや、リアタイヤに厳しくなる状況はないため、あのときほどキツくはない。それよりもあらゆる点ですこしずつ制約を受けるという感じだろう。トラクションにもすこし制約があるはずだし、フロントエンドにも制約があるだろう。ニュルブルクリンクは平均的なコースだが、ただしだからといってつまらないという意味ではない。挑戦しがいのあるコースだが、ただしたとえばシルバーストーンが持っているような特徴はない、ということだ」

●ニュルブルクリンクならではのユニークな要素は何かありますか?
「ユニークと言えるのは天候だね。太陽が照っているときは、田舎の風景と相俟って、とても快適な場所になる。だが現在のヨーロッパが見舞われている異常気象の影響もあるのか、ときには予想外のとても奇妙な天候になることもある。だから、温かくて防水加工されたジャケットを持っていくべきだろうね!」

●ニュルブルクリンクの旧コースに関して、何か個人的な体験談はありますか?
「2~3年前に1度、トヨタのライバル社のひとつが製造するスポーツ・サルーンカーで、あそこを走ってみたことがある。でも2~3周しただけでブレーキが故障してしまい、走行を終えなければならなかった。あのブレーキはひどかったね。旧コースは本当に素晴らしいコースで、1周している間にアクセル全開で走り去っていくプロのドライバーをあちこちで目にできるし、それと同時に、40人の乗客を乗せたバスやオートバイ、コンバーチブルの乗用車など、あらゆるクルマに遭遇できるんだ。あれは本当に驚きだ。ときどきちょっと怖くなることもあるけどね!」

●今週末のチームの目標は何でしょう?
「今のわれわれの目標はBMWと競って、レースでトップ6に入れるようがんばることだ。そのためにはシルバーストーンでの自分たちの速さが目標になるだろう。ドライバーのふたりにはトップ6を目指して戦ってもらいたいと思う」