F1第14戦ベルギーGP 2年振りに伝統の難コースへ挑戦
R.シューマッハーとJ.トゥルーリがヨーロッパラウンド最終戦で好結果を目指す
2007年9月10日(月)
期待外れの結果に終わったイタリアGPの後、パナソニック・トヨタ・レーシングは、もう一つの歴史的なサーキットで今週末開催されるベルギーGPへと向かう。ベルギーGPが開催されるスパ・フランコルシャン・サーキットは、1年間の休催期間を経て、コースと周辺設備を改善し、今年F1カレンダーへの復帰を果たした。ラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、7月にベルギーGPの準備のために行われた合同テストにおいて、再舗装された路面と、変更されたバスストップ・シケインを試す機会を既に得た。高速で、低ダウンフォースが特徴的なモンツァ・サーキットでのイタリアGPを終えて、チームは再び通常の空力パッケージで戦われる今週末のグランプリへと挑む。全長7.004kmと、F1カレンダーの中で最長を誇るスパ・フランコルシャン・サーキットは、大きくうねった路面を持つ、チャレンジングなコースである。ベルギーGPは今季のF1選手権ヨーロッパラウンド最後の戦いであり、パナソニック・トヨタ・レーシングにとっては、次に控える富士スピードウェイでの日本GPへ向け、好結果で終えられることを期待している。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー11
「“スパ”はドイツ・ケルンのファクトリーから近いもう一つのサーキットであり、その意味でも特別な思い入れがある。しかし、“スパ”はそれだけではなく、F1カレンダーの中でも独特の存在であり、本当に印象的でチャレンジングなコーナーを持っている。そして、ベルギー・アルデンヌ地方特有の変わりやすい天候は、常に影響を及ぼす。もし降雨に見舞われても、それはサーキットの一部だけということもあり得る。我々はイタリアGPでも厳しい週末を過ごすこととなってしまったが、これから挑む“スパ”は、モンツァとは全く異なる空力パッケージを用い、サーキットの特徴はシルバーストーンに似ている。そしてシルバーストーンでは、我々は速かった。我々は7月に“スパ”でテストを行っており、良い進歩を遂げている。それだけに好結果を望んでいる。第1の目標は、いつもの通り2台揃って予選トップ10入りであり、次にポイント獲得を狙いたい」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー12
「スパは世界最高のサーキットであり、F1カレンダーに戻って来たことを本当に喜んでいる。コースの変更には多くの努力が成され、とても良くなった。特にバスストップ・シケインの改良は素晴らしい。“スパ”は、今でも世界で最も難しいサーキットの一つだ。非常にテクニカルで1周が長く、ドライバーにとって本当のチャレンジとなる。周回全域に渡って重点を置かなくてはならないため、極限を見出すのは難しい。天候がどのようになるかは全く予測出来ないが、私はいつもベルギーGPでは上手くやって来ており、今週末もそれが現実になることを望んでいる。シーズンも終盤戦に入っており、次戦には日本GPが控えている。富士スピードウェイで行われる、トヨタにとってホームレースである日本GPの前に更にポイントを追加出来れば、素晴らしいことだ。チームは非常にハードに作業を続けており、私は楽しみにしている」
パスカル・バセロン :
シャシー部門シニア・ゼネラル・マネージャー
「“スパ”はレースを戦う上で独特の場所だ。そこには奥深いモータースポーツ文化があり、サーキットは周辺地域の社会生活にとっても、経済的にも重要で、ファンの熱意を感じることが出来る。技術的な面から見ると、非常に高い平均速度と、多くのコーナーと高低差の変化によるコンビネーションが、“スパ”を特別な存在にしている。このような高速コーナーと高低差の変化を好むドライバーにとってはチャレンジングなコースだ。カーデザインの見地からも要求の厳しいサーキットであり、オー・ルージュやブランシモンのようなコーナーでは、シーズンの中でも最も高い荷重に直面する。特例として、各チームは7月に、今週末のレースへ向けた準備を行うためにテストを行った。“スパ”を訪れる前はいつも、ウェットレースでの戦略と、ウェットとドライコンディションとの移行時の対応について時間を費やす。我々は、週末に直面するであろう、あらゆる天候を経験して来ている。テストにおいて、ドライバーは好感触であり、競争力も高かった。我々は準備万端でベルギーに向かえるだろう」