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Rd.14 Grand Prix of Belgium
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ベルギーGPを振り返る ヤルノ・トゥルーリ Q+A

●ヤルノ、ベルギーGPの感想はいかがですか?
「8番手からスタートしながら11位でゴールとなったのはとても残念だった。スパは素晴らしいサーキットで、あそこを走るのはとても楽しいんだ。フリー走行から予選までクルマのバランスの感触はずっと良かった。私の予選タイムは9番手だったが、BMWザウバーのロバート・クビサがエンジン交換のペナルティで10グリッド降格になったため、スタートは8番グリッドからだった。いつものことながら、トップ3のチームのすぐ後ろの争いは非常に熾烈だったね。予選でトップ6に挑むにはあと10分の1秒か2秒足りなかったが、それでも8番手からのスタートとなり、ポイントを獲得する自信はあった」

●何がうまく行かなかったのですか?
「私はグリッドの汚れている側からスタートし、その直後に誰かが私のインに飛び込んできて行く手を阻まれ、そして接触を避けるために1コーナーの外側を大回りしなければならなくなった。私にできることはそれ以外何もなかったし、そのせいで異なる戦略を採っていたクルマの後ろを走ることになってしまった。1周を終えた時点で私はレッドブルのデビッド・クルサードのすぐ後ろにつけていたが、彼は25周目までピットインしなかった。つまりレース距離の半分を優に超えていたわけだ。私のほうは2回ストップ作戦で、1回目のピットストップを14周目に行った。そのため第1スティントでは自分本来のペースで走ることができなかったんだ」

●渋滞の中でかなりタイムを失ったわけですね?
「その通り。私は本来ならもっと速いペースで周回できたんだ。第1スティントの間中、ずっと自分よりも燃料が重いクルマの後ろをついていかなければならず、本当にフラストレーションがたまったよ。取り戻せないほど大きなタイムを失ってしまい、しかも自分たちの直線スピードが十分ではなかったらしく、前を走るクルマを追い越すこともできなかった。レース終了の1周前に記録した私のファステストラップは全体の7番手の速さで、フェラーリとのタイム差は1秒を切っていた。それに今回ポイントを獲得したドライバーのうちの2人よりも速かったんだ。これを見れば、今回のわれわれにはもっといい結果を手にできる可能性があったことがわかる。いいチャンスを1コーナーで失ってしまったことにフラストレーションを感じるよ」

●F1ドライバーはスパがとてもお気に入りのようですが、それはなぜなのでしょう?
「いろいろな理由がある。まず高低差の変化が大きいこと。あれほどの高低差は他のサーキットでは滅多にないし、特にオールージュではそれが本当に劇的に変化する。初めてあの現場に足を運んだ人は信じられない気持ちになるほどなんだ。特にそれまでテレビでしか見たことがない人はね。それからあのサーキットは全体的に高速で難度が高く、まさにクルマの限界で走っているという感じがするんだ。うまくリズムに乗ってドライビングできれば大きな満足感を感じることができる。ただし渋滞にはまってしまったら話は別だね」

●これからシーズン締めくくりとなる海外レースが3戦あるわけですが、これについてはどんなことを考えていますか?
「正直な所、私が思うのは、シーズン後半のわれわれはそれなりの速さがあったにも関わらず、これまでの所それをしっかりとした結果に結びつけることができていない、ということだね。もちろん私としては、トヨタの母国レースとなる富士スピードウェイからはその点を改善して、ちゃんとした結果を残していきたいと思っている。われわれにポイントを獲得する力があることはすでにわかっているが、中団グループの競争は非常に接近しているため(ポイントを獲得するには)完璧に近いレースをしなければならない。チームの全員がずっと一生懸命仕事をし続けているだけに、私としても2008年に向けて頭を切り替えて冬の開発プログラムをスタートさせる前に、なんとかチームがその努力の成果を手にできればと思っている。日本のファンの目の前で走る富士スピードウェイからそれを実現できれば素晴らしいだろうね」

●富士スピードウェイは楽しみですか?
「面白いレースになるだろうね。鈴鹿でのレースは毎年楽しかったが、富士スピードウェイはとても歴史あるサーキットであり、あそこを訪れるのは素晴らしいことだ。だから私も楽しみにしているよ。新しいサーキットでレースするときはいつもそうだが、今回もレースに向けて最善の準備をするために、金曜日と土曜日にデータを収集してそれをできるだけ手際よく分析していくことになるだろう。新しいサーキットに挑戦するのはいつも楽しいし、次の富士スピードウェイでのレースに向けて私のやる気も大いに高まっているよ」