10月に入りようやく秋めいて涼しくなってきましたが、サーキットではシーズン終盤を迎えて熱い戦いが続いています。今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、LEXUS RC F GT3が出場した日米の3レース全てで表彰台獲得という大活躍の模様をお送りします。
WeatherTech SportsCar Championship第11戦 プチ・ル・マン
MOTUL Petit Le Mans
10月9日(水)から12日(土)にかけて、米国ジョージア州ブラセルトンのミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで2024年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第11戦「プチ・ル・マン」が10時間の耐久戦として行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
1月のデイトナ24時間から始まった長いシーズンもいよいよ最終戦を迎えました。最終戦は伝統の「プチ・ル・マン」。10時間と長い戦いに、GTDプロクラスの14号車はジャック・ホークスワースとベン・バーニコートにカイル・カークウッドを加えた3人体制、GTDクラスの12号車もフランキー・モンテカルボ、アーロン・テリッツ、パーカー・トンプソンの3人体制で臨みました。
予選では、14号車が11番手。12号車はセッション中に出された赤旗のタイミングが悪くタイム抹消となり、ほぼ最後尾の17番手から決勝レースに臨むこととなりました。
決勝レースでは、ほぼ最後尾からスタートした12号車が長いレースで着実に順位を上げていき、2回目のフルコースイエロー時には上位争いに加わるまでに。その後も合計68周にわたりレースをリードするなど、表彰台圏内での争いを続け、3位でチェッカー。表彰台でシーズンを締めくくりました。
一方、14号車はスタート担当のホークスワースから、30分ほどで出された最初のフルコースイエロー時にカークウッドへ早めにドライバー交代。フルコースイエローのタイミングも活かしたピット戦略で首位に立ち、合計46周にわたって首位を走行しましたが、108周目、首位でピットへ向かいホークスワースへと交代した直後、突然のエンジントラブルに見舞われ、戦線離脱を余儀なくされました。
これで今季の同シリーズは全日程を終了。LEXUS RC F GT3は、GTDプロクラスとGTDクラスそれぞれで1勝、表彰台は2回ずつ。ポールポジションはGTDプロクラスで1回、GTDクラスで4回という成績でシーズンを終えることとなりました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 13位 | 11番手 | 14 | ジャック・ホークスワース ベン・バーニコート カイル・カークウッド | バッサー・サリバン | 113 | 300 Laps |
GTD | 3位 | 17番手 | 12 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 410 | 1 Lap |
AUTOBACS SUPER GTシリーズ第7戦 オートポリス
AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
AUTOBACS SUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」が10月19日(土)、20日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催されました。
例年であれば、ここオートポリスラウンドは最終戦のひとつ前となるため、サクセスウェイトは半減されますが、今季は第5戦の延期により、今大会は最大重量での戦いとなります。終盤戦までタイトル争いに加わるためにも重要な一戦となる3時間のロングレースに注目が集まりました。
19日(土)は、朝からの雨と濃霧で公式練習がキャンセルとなりました。一旦雨が止んでピットウォークなどは実施されましたが、昼過ぎには再び雨が降り始め、雷を伴う豪雨に。天候の回復が見込めず、コース上も土砂が出るなどの被害が出たため、この日の走行は全てキャンセル。予選は20日(日)の朝に延期され、予選、決勝がワンデーで行われることとなりました。
20日(日)、雨は止んでいるものの、霧が残り、気温は12度、路面温度も13度と寒さを感じる中、通常のノックアウト方式ではなく、各クラス30分間の計時予選が午前8時から行われました。
GT300クラスの予選スタート時はまだコース路面は濡れており、序盤はほとんどの車両がレインタイヤでコースイン。気温も低く、霧で日差しもなかったため、なかなか乾かない路面でタイヤの選択に悩むセッションとなりました。
セッション終盤、スリックに換えた車両も出てくる中、残り6分というところでスピンを喫した車両が停止したことで赤旗が出され、3分ほどの中断の後に再開。全車最後のアタックに出て、次々にタイムが塗り替えられていきました。
そんな中、最後にK-tunes RC F GT3 96号車のアタックを担当した高木真一が好タイムをマークし、2列目4番手グリッドを獲得。イゴール・オオムラ・フラガのANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車は23番手となりました。
予選の後、FIA-F4のレースを挟んで、午後1時20分より決勝レースが開始されました。空にはまだ雲が残っているものの、路面は完全に乾き、気温14度、路面温度は21度まで上昇。日差しも出てくる中で、大分県警の白バイ、パトカーの先導によるパレードラップ、フォーメーションラップに続き、3時間で争われる決勝のスタートが切られました。
2列目4番手グリッドからスタートを切った96号車高木が、序盤から激しい上位争いを展開。6周目には2位、11周目にはついに首位に立ちました。
ハイペースで首位を逃げる96号車は、20周目には2位に25秒もの大差をつけて独走状態となっていましたが、21周目にセーフティカーが出され、このマージンは帳消しとなってしまいました。
再スタート後、33周を終えて高木は首位のままピットへ向かい、新田守男へと交代。セーフティカー前にピットインしていた車両などに先行され、大きくポジションダウン。その後は何度もセーフティカーが入る荒れた展開の中、一時はトップ10圏外まで落ちるもじりじりと順位を取り戻して行きました。
終盤も素晴らしいペースで追い上げた96号車は、3位までポジションアップ。最後はセーフティカー先導のままチェッカーとなりましたが、見事3位でフィニッシュ。チームとしては2021年のオートポリス戦以来3年ぶりの表彰台を獲得しました。
50号車は、決勝前のウォームアップ走行時にクラッチトラブルに見舞われ、スタートには間に合わず、レース中も修復作業を続けることに。レースが残り1時間ほどになったところでようやく修復を終えてコースインし、29周を走行しましたが、完走周回数には到りませんでした。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
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3位 | 4番手 | 96 | 新田 守男/高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 88 | 14.971 |
リタイア | 23番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ/ 古谷 悠河 | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 29 | 59 Laps |
ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第6戦 岡山
スーパー耐久レースin岡山
10月26日(土)と27日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE の第6戦「スーパー耐久レースin岡山」が開催されました。
今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。前大会鈴鹿をポール・トゥ・ウィンで制し今季初勝利を挙げた31号車は、今大会も永井 宏明/小高 一斗/小山 美姫/嵯峨 宏紀のドライバーラインナップで3時間レースに挑みました。
26日(土)に行われた予選では、Aドライバーの永井とBドライバーの小高の合算タイムで3番手グリッドを獲得しました。
27日(日)は2グループに分けて3時間レースが実施され、31号車が出場するグループ1は午後1時半過ぎに、路面は乾いているものの空は重い雲に覆われた中でスタートが切られました。
小高がスタートを担当した31号車は、2列目3番手グリッドから抜群のダッシュを決めて1コーナーで1台をパスし、2位へとポジションアップ。まもなく首位走行車両がドライブスルーペナルティを科されたことで首位に立ちました。
小高は首位を守ったまま70分ほど走行し永井へと交代。その頃には軽い雨も落ちてきましたが、永井も70分以上のスティントを走り抜き、最後の小山へとドライバーチェンジ。小山も難しいコンディションの中で着実な周回を重ね、3位でチェッカー。2戦連続での表彰台獲得となり、残るシーズン最終戦に逆転タイトルの望みを繋ぎました。
リザルト(ST-Xクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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3位 | 3番手 | 31 | 永井 宏明/小高 一斗/小山 美姫/嵯峨 宏紀 | apr | 111 | 32.676 |
次号のマンスリーレポートは12月10日頃の発行を予定しています。