LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.3LEXUS RC F GT3がWECで初の表彰台
米国WTSCと国内SUPER GTでも表彰台の活躍を見せる

2025.04.30(水)- 20:15配信

 日に日に暖かく、レース日和となる中で、多くのレースが本格的なシーズンインを迎えました。今月はLEXUS RC F GT3が表彰台の活躍を見せた米国WTSCとWEC、国内ではSUPER GTとスーパー耐久の模様をお送りします。

LEXUS RC F GT3がWECで初の表彰台 米国WTSCと国内SUPER GTでも表彰台の活躍を見せる

WeatherTech SportsCar Championship第3戦 ロングビーチ
Acura Grand Prix of Long Beach

 4月11日(金)と12日(土)の両日、米国カリフォルニア州ロングビーチのロングビーチ市街地特設コースで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第3戦が100分間のスプリント戦として行われました。
 今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦していますが、今大会はGTPクラスとGTDクラスのみでの開催のため、同チームからはGTDクラス2台体制とし、12号車がジャック・ホークスワースとパーカー・トンプソン、そして89号車としてアーロン・テリッツとフランキー・モンテカルボという布陣で挑みました。
 予選ではトンプソンの12号車がポールポジションを獲得。89号車も6番手と好グリッドにつけました。
 決勝では、序盤はポールスタートの12号車トンプソンがトップ、89号車のモンテカルボも6番手からトップ5を伺いながらの周回を重ねました。
 25周目に首位の12号車がピットへ向かい、ホークスワースへと交代。翌周には89号車もテリッツへと交代し、この時点で89号車が2位、12号車は3位までジャンプアップ。30周目にはホークスワースの12号車が89号車をパスし、2位へと浮上しました。
 レースは53分を経過したところで2度目のフルコースイエローが出され、再スタートでトップに挑んだ2台のLEXUS RC F GT3でしたが惜しくも順位アップは叶わず。12号車が2位、89号車が3位でフィニッシュ。2台揃っての表彰台フィニッシュを果たしました。この結果、12号車のホークスワースとトンプソンはGTDクラスのドライバーズランキング2位へと浮上。マニュファクチャラーズランキングでもGTDクラスでLEXUSは3位へと順位を上げました。

リザルト

クラス順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
GTD2位1番手12ジャック・ホークスワース
パーカー・トンプソン
バッサー・サリバン712.378
GTD3位6番手89フランキー・モンテカルボ
アーロン・テリッツ
バッサー・サリバン718.056
バッサー・サリバン
表彰台を獲得したジャック・ホークスワース、パーカー・トンプソン、フランキー・モンテカルボ、アーロン・テリッツ

世界耐久選手権(WEC)第2戦 イモラ
イモラ6時間

 FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦「イモラ6時間」が4月18日(金)から20日(日)にかけて、イタリアのイモラ・サーキットで開催されました。
 同シリーズのLMGT3クラスに、アコーディスASPから2台のLEXUS RC F GT3がフル参戦しています。WEC参戦2年目となったLEXUS RC F GT3は、開幕戦のカタールで予選3番手、決勝でも4位フィニッシュを果たしており、更なる好成績に期待がかかりました。
 87号車はホセ・マリア・ロペス、クレメンス・シュミット、ラズヴァン・ウンブラレスクの3名、78号車はベン・バーニコートがトレーニング中の負傷で欠場となるため、代役のエステバン・マッソンとフィン・ゲルシッツ、アーノルド・ロビンの3名というドライバーラインナップで臨みました。
 前戦からの好調ぶりを示すかのように、18日(金)の公式練習走行2回目では87号車がトップタイム、78号車が2番手と好スタートを切りました。
 19日(土)の予選では、ロビンの78号車が3番手、ウンブラレスクの87号車が9番手に入り、上位10台でトップ10グリッドを争うハイパーポールへ2台揃って進出。ハイパーポールでは、シュミットの87号車が一時は首位に立つも、最後に地元のヒーロー、BMW46号車のバレンティーノ・ロッシにかわされ惜しくも2番手。それでも過去最高の最前列2番手グリッドを獲得しました。ゲルシッツの78号車も5番手で3列目スタートと好位置につけました。
 20日(日)は曇天のもと、午後1時に6時間で争われる決勝レースがスタート。最前列2番手スタートの87号車はウンブラレスク、5番手グリッドの78号車はロビンのドライブで上位争いを展開。
 スタートから1時間半ほどで出された最初のセーフティカーで、2台は戦略を分け、早めのピット作戦を採った87号車は、他の車両が2度目のピットを終えた2時間経過時点で首位に立ちました。
 その後も87号車、78号車共に激しい上位争いを繰り広げていましたが、87号車は中盤、ピットレーン速度違反のペナルティを受け、12位へと後退。
 しかし、その後87号車は猛追を見せ、終盤は78号車のマッソンと87号車のロペスが3-4位で終盤戦へ。そのポジションのままチェッカーを受け、78号車がLEXUS RC F GT3にWECで初となる表彰台を獲得しました。87号車も4位で続き、この結果、ドライバーズランキングで78号車のロビンとゲルシッツが2位、アコーディスASPもチームランキング2位へと浮上しました。

リザルト(LMGT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
3位5番手78エステバン・マッソン
フィン・ゲルシッツ
アーノルド・ロビン
アコーディスASP19324.301
4位2番手87ホセ・マリア・ロペス
クレメンス・シュミット
ラズヴァン・ウンブラレスク
アコーディスASP19329.098
アコーディスASP
アコーディスASP 表彰台

AUTOBACS SUPER GTシリーズ第1戦 岡山
OKAYAMA GT 300km RACE

 AUTOBACS SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月12日(土)、13日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
 国内最高の人気を誇るSUPER GTが開幕。今季もGT300クラスに、ANEST IWATA RC F GT3 26号車とK-tunes RC F GT3 96号車の、2台のLEXUS RC F GT3が参戦します。
 12日(土)、曇天、気温23度、路面温度31度のコンディションの中、午後2時より予選が行われました。昨年はQ1,Q2の合算方式で争われた予選ですが、今季は再びノックアウト方式で争われることとなりました。
 GT300クラスは、Q1を2グループに分け、それぞれ上位9台がQ2へと進出。LEXUS RC F GT3の2台は共にB組で出走し、新田守男がアタックを担当した96号車は、トップ9に僅か0.075秒届かず10番手。午前中の公式練習では3番手と好調さを見せた26号車は、安田裕信のアタックでQ1に挑むも、96号車と1000分の1秒差の11番手とこちらも僅差でQ2進出を逃すこととなりました。
 13日(日)は朝から雨模様となり、ヘビーウェットコンディションで午後1時10分より、セーフティカー(SC)先導で82周の決勝レースがスタートしました。
 SCランは4周で終了し、5周目から本格戦が開始。しかし、水煙を巻き上げての混乱の中で、多重クラッシュが発生。レースは赤旗中断となりました。
 30分強の中断の後にレースは再開。4周のSC先導の後に再スタートが切られましたが、その後もアクシデントが多発し、セーフティカーが何度も導入される荒れた展開となりました。
 そんな中、19番手スタートの96号車、21番手スタートの26号車は、それぞれ新田とイゴール・オオムラ・フラガが粘り強く走行を続け、ライバル勢がタイヤ交換のピットインを行っていく中で、ピットをぎりぎりまで引っ張る作戦に。
 一人のドライバーの周回数限度に近い、49周目に26号車、50周目に96号車がピットインし、どちらも給油、ドライバー交代と共に、スリックタイヤへと交換する作戦に出ました。
 他の車両はレインタイヤのまま走り続けている中、徐々に乾き始めてきた路面で2台のLEXUS RC F GT3は一気にポジションアップ。55周目には、安田の26号車が3位、高木真一の96号車が4位へと躍り出ました。
 レース終盤には、首位を争う2台が接触し、1台がストップしたことで、それぞれひとつずつ順位を上げ、26号車が2位、96号車が3位へと浮上。
 26号車はそのポジションを守り切り、2位でチェッカー。21番手スタートからの驚異的な追い上げで、チームに初の表彰台をもたらしました。
 96号車は終盤タイヤの摩耗に苦しみ、接触もあったことで順位を落としましたが、それでも6位でチェッカーを受け、チームの地元岡山で見事入賞を果たしました。

リザルト(GT300クラス)

順位グリッドNo.ドライバー車両名周回トップとの差
2位21番手26イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信ANEST IWATA RC F GT3799.718
6位19番手96新田 守男/高木 真一K-tunes RC F GT3781 Lap
ANEST IWATA RC F GT3 26号車
K-tunes RC F GT3 96号車
ANEST IWATA RC F GT3 表彰台

ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第2戦 鈴鹿
SUZUKA S耐

 4月26日(土)と27日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE の第2戦「SUZUKA S耐」が開催されました。
 今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。今大会31号車は永井宏明/小林利徠斗/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで5時間レースに挑みました。
 26日(土)に行われた予選では、AドライバーとBドライバーのタイム合算でグリッドが決定され、31号車は永井と小林のアタックにより、4番手グリッドを獲得しました。
 27日(日)、好天のもとで午前11時より5時間の決勝が行われました。
 2列目4番手グリッドからスタートを切った31号車は、若手のホープ小林が見事なスタートで1周目に首位に浮上。その後も迫るライバルとの激しいトップ争いを繰り広げました。
 序盤からフルコースイエロー(FCY)が頻発する展開となる中でも、小林は安定した走りでポジションをキープ。
 しかし、1時間半を経過し、ピットインしてドライバー交代を行った直後に他車と接触を喫し、ボンネットが浮いてしまうトラブルが発生。修復のための再度のピットインでタイムをロスし、上位争いからは脱落することとなってしまいました。
 しかし、FCYが8度も出される荒れた展開となったレースで、31号車は最後まで粘り強く走行を続け、5位フィニッシュを果たしました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
5位4番手31永井宏明/小林利徠斗/嵯峨宏紀apr1251 Lap
apr 31号車
apr 31号車

次号のマンスリーレポートは5月27日頃の発行を予定しています。