日に日に暖かく、レース日和となる中で、多くのレースが本格的なシーズンインを迎えました。今月はLEXUS RC F GT3が表彰台の活躍を見せた米国WTSCとWEC、国内ではSUPER GTとスーパー耐久の模様をお送りします。

WeatherTech SportsCar Championship第3戦 ロングビーチ
Acura Grand Prix of Long Beach
4月11日(金)と12日(土)の両日、米国カリフォルニア州ロングビーチのロングビーチ市街地特設コースで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第3戦が100分間のスプリント戦として行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦していますが、今大会はGTPクラスとGTDクラスのみでの開催のため、同チームからはGTDクラス2台体制とし、12号車がジャック・ホークスワースとパーカー・トンプソン、そして89号車としてアーロン・テリッツとフランキー・モンテカルボという布陣で挑みました。
予選ではトンプソンの12号車がポールポジションを獲得。89号車も6番手と好グリッドにつけました。
決勝では、序盤はポールスタートの12号車トンプソンがトップ、89号車のモンテカルボも6番手からトップ5を伺いながらの周回を重ねました。
25周目に首位の12号車がピットへ向かい、ホークスワースへと交代。翌周には89号車もテリッツへと交代し、この時点で89号車が2位、12号車は3位までジャンプアップ。30周目にはホークスワースの12号車が89号車をパスし、2位へと浮上しました。
レースは53分を経過したところで2度目のフルコースイエローが出され、再スタートでトップに挑んだ2台のLEXUS RC F GT3でしたが惜しくも順位アップは叶わず。12号車が2位、89号車が3位でフィニッシュ。2台揃っての表彰台フィニッシュを果たしました。この結果、12号車のホークスワースとトンプソンはGTDクラスのドライバーズランキング2位へと浮上。マニュファクチャラーズランキングでもGTDクラスでLEXUSは3位へと順位を上げました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTD | 2位 | 1番手 | 12 | ジャック・ホークスワース パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 71 | 2.378 |
GTD | 3位 | 6番手 | 89 | フランキー・モンテカルボ アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 71 | 8.056 |


世界耐久選手権(WEC)第2戦 イモラ
イモラ6時間
FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦「イモラ6時間」が4月18日(金)から20日(日)にかけて、イタリアのイモラ・サーキットで開催されました。
同シリーズのLMGT3クラスに、アコーディスASPから2台のLEXUS RC F GT3がフル参戦しています。WEC参戦2年目となったLEXUS RC F GT3は、開幕戦のカタールで予選3番手、決勝でも4位フィニッシュを果たしており、更なる好成績に期待がかかりました。
87号車はホセ・マリア・ロペス、クレメンス・シュミット、ラズヴァン・ウンブラレスクの3名、78号車はベン・バーニコートがトレーニング中の負傷で欠場となるため、代役のエステバン・マッソンとフィン・ゲルシッツ、アーノルド・ロビンの3名というドライバーラインナップで臨みました。
前戦からの好調ぶりを示すかのように、18日(金)の公式練習走行2回目では87号車がトップタイム、78号車が2番手と好スタートを切りました。
19日(土)の予選では、ロビンの78号車が3番手、ウンブラレスクの87号車が9番手に入り、上位10台でトップ10グリッドを争うハイパーポールへ2台揃って進出。ハイパーポールでは、シュミットの87号車が一時は首位に立つも、最後に地元のヒーロー、BMW46号車のバレンティーノ・ロッシにかわされ惜しくも2番手。それでも過去最高の最前列2番手グリッドを獲得しました。ゲルシッツの78号車も5番手で3列目スタートと好位置につけました。
20日(日)は曇天のもと、午後1時に6時間で争われる決勝レースがスタート。最前列2番手スタートの87号車はウンブラレスク、5番手グリッドの78号車はロビンのドライブで上位争いを展開。
スタートから1時間半ほどで出された最初のセーフティカーで、2台は戦略を分け、早めのピット作戦を採った87号車は、他の車両が2度目のピットを終えた2時間経過時点で首位に立ちました。
その後も87号車、78号車共に激しい上位争いを繰り広げていましたが、87号車は中盤、ピットレーン速度違反のペナルティを受け、12位へと後退。
しかし、その後87号車は猛追を見せ、終盤は78号車のマッソンと87号車のロペスが3-4位で終盤戦へ。そのポジションのままチェッカーを受け、78号車がLEXUS RC F GT3にWECで初となる表彰台を獲得しました。87号車も4位で続き、この結果、ドライバーズランキングで78号車のロビンとゲルシッツが2位、アコーディスASPもチームランキング2位へと浮上しました。
リザルト(LMGT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
3位 | 5番手 | 78 | エステバン・マッソン フィン・ゲルシッツ アーノルド・ロビン | アコーディスASP | 193 | 24.301 |
4位 | 2番手 | 87 | ホセ・マリア・ロペス クレメンス・シュミット ラズヴァン・ウンブラレスク | アコーディスASP | 193 | 29.098 |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第1戦 岡山
OKAYAMA GT 300km RACE
AUTOBACS SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月12日(土)、13日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
国内最高の人気を誇るSUPER GTが開幕。今季もGT300クラスに、ANEST IWATA RC F GT3 26号車とK-tunes RC F GT3 96号車の、2台のLEXUS RC F GT3が参戦します。
12日(土)、曇天、気温23度、路面温度31度のコンディションの中、午後2時より予選が行われました。昨年はQ1,Q2の合算方式で争われた予選ですが、今季は再びノックアウト方式で争われることとなりました。
GT300クラスは、Q1を2グループに分け、それぞれ上位9台がQ2へと進出。LEXUS RC F GT3の2台は共にB組で出走し、新田守男がアタックを担当した96号車は、トップ9に僅か0.075秒届かず10番手。午前中の公式練習では3番手と好調さを見せた26号車は、安田裕信のアタックでQ1に挑むも、96号車と1000分の1秒差の11番手とこちらも僅差でQ2進出を逃すこととなりました。
13日(日)は朝から雨模様となり、ヘビーウェットコンディションで午後1時10分より、セーフティカー(SC)先導で82周の決勝レースがスタートしました。
SCランは4周で終了し、5周目から本格戦が開始。しかし、水煙を巻き上げての混乱の中で、多重クラッシュが発生。レースは赤旗中断となりました。
30分強の中断の後にレースは再開。4周のSC先導の後に再スタートが切られましたが、その後もアクシデントが多発し、セーフティカーが何度も導入される荒れた展開となりました。
そんな中、19番手スタートの96号車、21番手スタートの26号車は、それぞれ新田とイゴール・オオムラ・フラガが粘り強く走行を続け、ライバル勢がタイヤ交換のピットインを行っていく中で、ピットをぎりぎりまで引っ張る作戦に。
一人のドライバーの周回数限度に近い、49周目に26号車、50周目に96号車がピットインし、どちらも給油、ドライバー交代と共に、スリックタイヤへと交換する作戦に出ました。
他の車両はレインタイヤのまま走り続けている中、徐々に乾き始めてきた路面で2台のLEXUS RC F GT3は一気にポジションアップ。55周目には、安田の26号車が3位、高木真一の96号車が4位へと躍り出ました。
レース終盤には、首位を争う2台が接触し、1台がストップしたことで、それぞれひとつずつ順位を上げ、26号車が2位、96号車が3位へと浮上。
26号車はそのポジションを守り切り、2位でチェッカー。21番手スタートからの驚異的な追い上げで、チームに初の表彰台をもたらしました。
96号車は終盤タイヤの摩耗に苦しみ、接触もあったことで順位を落としましたが、それでも6位でチェッカーを受け、チームの地元岡山で見事入賞を果たしました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
2位 | 21番手 | 26 | イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信 | ANEST IWATA RC F GT3 | 79 | 9.718 |
6位 | 19番手 | 96 | 新田 守男/高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 78 | 1 Lap |



ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第2戦 鈴鹿
SUZUKA S耐
4月26日(土)と27日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE の第2戦「SUZUKA S耐」が開催されました。
今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。今大会31号車は永井宏明/小林利徠斗/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで5時間レースに挑みました。
26日(土)に行われた予選では、AドライバーとBドライバーのタイム合算でグリッドが決定され、31号車は永井と小林のアタックにより、4番手グリッドを獲得しました。
27日(日)、好天のもとで午前11時より5時間の決勝が行われました。
2列目4番手グリッドからスタートを切った31号車は、若手のホープ小林が見事なスタートで1周目に首位に浮上。その後も迫るライバルとの激しいトップ争いを繰り広げました。
序盤からフルコースイエロー(FCY)が頻発する展開となる中でも、小林は安定した走りでポジションをキープ。
しかし、1時間半を経過し、ピットインしてドライバー交代を行った直後に他車と接触を喫し、ボンネットが浮いてしまうトラブルが発生。修復のための再度のピットインでタイムをロスし、上位争いからは脱落することとなってしまいました。
しかし、FCYが8度も出される荒れた展開となったレースで、31号車は最後まで粘り強く走行を続け、5位フィニッシュを果たしました。
リザルト(ST-Xクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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5位 | 4番手 | 31 | 永井宏明/小林利徠斗/嵯峨宏紀 | apr | 125 | 1 Lap |


次号のマンスリーレポートは5月27日頃の発行を予定しています。