今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、連続表彰台の快進撃を続ける米国WTSCシリーズと、同じく好調な世界耐久選手権、国内SUPER GTシリーズの模様をお送りします。

WeatherTech SportsCar Championship第4戦 ラグナセカ
IMSA WeatherTech SportsCar Championship of Monterey
5月9日(金)から11日(日)にかけて、米国カリフォルニア州モントレーのウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第4戦が行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
GTDプロクラスの14号車は、負傷により欠場しているベン・バーニコートの代わりにマービン・キルホファーがレギュラードライバーのアーロン・テリッツと組み、GTDクラスの12号車はレギュラーのジャック・ホークスワースとパーカー・トンプソンという布陣で、伝統のコースでの戦いに臨みました。
予選では、14号車がクラス8番手、12号車が7番手につけました。
11日(日)の決勝では、クラス7番手からスタートを切った12号車のトンプソンが、素晴らしいスタートダッシュを決めて、1周目に2位までジャンプアップ。そのポジションをキープし、後半ホークスワースへとバトンを渡しました。
ホークスワースも安定した走りで周回を重ね、2位でチェッカー。LEXUS RC F GT3は3戦連続での2位フィニッシュを果たしました。この結果、LEXUSはGTDプロクラスのマニュファクチャラーズランキングで2位に浮上しました。
クラス8番手からスタートした14号車は、テリッツがスタートを担当し、序盤に6位までポジションアップを果たすも、最初のピットストップ前に他車との接触を喫し、ハンドリングにダメージを負ってしまいました。しかし、テリッツとキルホファーは最後まで諦めることなく粘り強いレースを戦い抜き、7位でチェッカーを受けました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 7位 | 8番手 | 14 | アーロン・テリッツ マービン・キルホファー | バッサー・サリバン | 114 | 1 Lap |
GTD | 2位 | 7番手 | 12 | ジャック・ホークスワース パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 1144 | 5.459 |


世界耐久選手権(WEC)第3戦 スパ・フランコルシャン
スパ・フランコルシャン6時間
FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦「スパ・フランコルシャン6時間」が5月8日(木)から10日(土)にかけて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されました。
今季の同シリーズには、アコーディスASPチームで2台のLEXUS RC F GT3がLMGT3クラスにフル参戦しています。
ベルギー・アルデンヌ地方の丘陵地帯に位置するスパ・フランコルシャン・サーキットは、1周約7kmと長大でアップダウンが激しく、ハイスピードコーナーも多い伝統のコースで、次戦ル・マン24時間へ向けての前哨戦としても重要なレースとなります。
今大会、87号車はホセ・マリア・ロペス、クレメンス・シュミット、ペトル・ウンブラレスクの3名、78号車はベン・バーニコートがトレーニング中の負傷で欠場となるため、フィン・ゲルシッツ、アーノルド・ロビンと組む代役として、昨年まで国内SUPER GTなどで活躍してきた中山雄一がスポットで出場しました。
「スパ・ウェザー」として変わりやすい天候でも知られる同コースですが、今年はレース期間を通じて好天に恵まれた中で激戦が展開されました。
8日(木)の2回のフリー走行で走行が開始されると、LEXUS RC F GT3は78号車が最初のセッションでトップタイム。87号車は2回目のセッションで2番手と好調な滑り出しを見せました。
9日(金)に行われた予選では、87号車のウンブラレスクが3番手、78号車のロビンが5番手タイムをマークし、トップ10グリッドを争うハイパーポールへ、開幕から3戦連続で2台揃っての進出を決めました。
ハイパーポールでは、78号車のゲルシッツが完璧なアタックを見せてトップタイム。LEXUS RC F GT3にとってWEC参戦2年目で初めてとなる、ポールポジションを獲得しました。シュミットの87号車はステアリングのトラブルに見舞われ、10番手グリッドとなりました。
10日(土)も好天に恵まれました。チケットが完売となったスパには、週末を通しておよそ10万人もの観客が集まり、グランドスタンドを埋め尽くした大観衆が見守る中、午後2時に6時間にわたる決勝レースのスタートが切られました。
ポールポジションからスタートした78号車のロビンは序盤首位をキープ。ウンブラレスクの87号車はトップ10圏内でのバトルを繰り広げていましたが、最初のピットを終え、1時間を過ぎたところで突然のトラブルに見舞われコース脇にストップ。リタイアを余儀なくされました。
アクシデントによるセーフティカーが複数回導入される荒れた展開となる中、78号車はピット戦略の違いで順位は変動したものの、上位争いを展開。スタートから2スティントを担当したロビンからバトンを受けとったゲルシッツは、4位でコースへと復帰しましたが、バーチャルセーフティカー中のピットイン時に、信号を無視したとしてドライブスルーペナルティを科されることとなってしまいました。
一旦はトップ10圏外まで後退した78号車でしたが、ゲルシッツが追い上げ、残り2時間強で中山へとドライバーチェンジ。WECデビュー戦の中山は好走を見せ、残り1時間強の時点で3位まで順位を上げました。
残り40分でゲルシッツに交代。終盤は厳しい燃料争いの中で、ピット戦略も大きく左右する争いとなり、78号車は8位でフィニッシュ。3戦連続でのトップ10フィニッシュを果たしました。
リザルト(LMGT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
8位 | 1番手 | 78 | 中山雄一 フィン・ゲルシッツ アーノルド・ロビン | アコーディスASP | 136 | 1 Lap |
リタイア | 10番手 | 87 | ホセ・マリア・ロペス クレメンス・シュミット ペトル・ウンブラレスク | アコーディスASP | 29 | 108 Laps |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第2戦 富士
FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL
AUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL」が5月3日(土)、4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
日本で最高の人気を誇るモータースポーツであるSUPER GTには、GT300クラスにANEST IWATA RC F GT3 26号車とK-tunes RC F GT3 96号車の2台がシリーズ参戦しています。
恒例のゴールデンウィーク開催となった今大会は好天に恵まれ、2日間で82,500人と多くのモータースポーツファンが富士スピードウェイに集結しました。
3日(土)にノックアウト方式で行われた予選では、高木真一がアタックを担当した96号車はB組11番手となり、上位9台が進むQ2への進出はならず。グリッドは21番手に。26号車はイゴール・オオムラ・フラガがアタックを担当し8番手でQ2へ。Q2では安田裕信が16番手グリッドを獲得しました。
4日(日)も好天に恵まれ、気温24度、路面温度38度まで上昇する中、午後2時10分より3時間で争われる決勝レースがスタートしました。
16番手スタートの26号車と21番手スタートの96号車は共に1周目に3つポジションをアップ。最初のスティントはどちらも遅めの作戦で、96号車は35周目、26号車は41周目にピットへ向かい、それぞれフラガから安田、高木から新田守男へとドライバー交代を行いました。
ピットインで大きく順位を落としたものの、じりじりと順位を上げていく2台のLEXUS RC F GT3でしたが、96号車は制御系のトラブルに見舞われ前車に接触。ドライブスルーペナルティを科され、27位へと大きく後退を余儀なくされました。
後半はタイヤトラブルに見舞われる車両が頻発するなど荒れた展開となる中、2度目のピットで再びフラガがステアリングを握った26号車は、18位から追い上げを見せ、11位でフィニッシュ。96号車も終盤高木がペースを取り戻してポジションを上げていき、13位でチェッカー。今年からGT300クラスは上位15台が入賞ポイント獲得となったため、LEXUS RC F GT3は2台揃ってのポイント獲得を果たしました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
11位 | 16番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信 | ANEST IWATA RC F GT3 | 106 | 1 Lap |
13位 | 21番手 | 96 | 新田 守男/高木 真一 | K-tunes RC F GT3 | 105 | 2 Laps |


次号のマンスリーレポートは7月1日頃の発行を予定しています。