LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポート No.5ル・マン24時間でLEXUS RC F GT3が5位フィニッシュ!

2025.07.01(火)- 17:16配信

 6月は、北半球では夜が最も短いため、24時間などのロングレースが数多く行われる季節です。今月のLEXUS LEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、北米WTSCに、WECは伝統のル・マン24時間、SUPER GTは12年ぶり開催となったマレーシア・セパン戦、SROジャパンカップの開幕ラウンド、そして国内では唯一の24時間レースである富士24時間レースの模様をお送りします。

ル・マン24時間でLEXUS RC F GT3が5位フィニッシュ!

WeatherTech SportsCar Championship第4戦 デトロイト
Detroit Grand Prix

 5月30日(金)と31日(土)の両日、米国ミシガン州デトロイトの市街地特設コースで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第4戦が100分間のスプリント戦として行われました。
 今大会は、GTPクラスとGTDプロクラスのみで行われ、バッサー・サリバンから2台のLEXUS RC F GT3がGTDプロクラスに出場しました。
 シリーズレギュラーの14号車はジャック・ホークスワースとアーロン・テリッツ、今大会のスポットとして15号車がフランキー・モンテカルボとパーカー・トンプソンというドライバーラインナップで挑みました。
 予選では、ホークスワースの14号車が3番手、モンテカルボの15号車が10番手タイムをマーク。
 しかし、14号車は予選後の車検で、最低地上高が規定を満たしていなかったとしてタイム抹消となり、決勝は最後尾からスタートすることとなりました。
 決勝では、最後尾からスタートを切ったホークスワースの14号車が、スタートしてまもなく2つポジションをアップ。その後、他車との接触があり、ドライブスルーペナルティを科されますが、ホークスワースは懸命に追い上げ、残り40分でテリッツへと交代。
 テリッツは3位でレースに復帰しましたが、今度はピット時にクルーが早くピットウォールを越えてしまったとして再度のドライブスルーペナルティ。しかし、幸運なタイミングで出されたフルコースコーションにより、大きくポジションを落とすことなく、テリッツも後半好走を見せて、14号車は4位でフィニッシュしました。
 15号車はモンテカルボが9番手からスタートし、短めのスティントでトンプソンへと交代。トンプソンは長いスティントのため燃費をコントロールしながら周回を重ね、9位でチェッカーを受けました。

リザルト(GTDプロクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
4位14番手14ジャック・ホークスワース
アーロン・テリッツ
バッサー・サリバン817.279
9位9番手15フランキー・モンテカルボ
パーカー・トンプソン
バッサー・サリバン801 Lap
バッサー・サリバン
バッサー・サリバン

WeatherTech SportsCar Championship第5戦 ワトキンズ・グレン
Sahlen's Six Hours of The Glen

 6月19日(木)から22日(日)にかけて、米国ニューヨーク州のワトキンズ・グレン・インターナショナルで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第5戦が6時間の耐久レースとして行われました。
 今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。今大会は、GTDプロクラスに14号車として、負傷から開幕戦以来の復帰となるベン・バーニコートとアーロン・テリッツ、GTDクラスの12号車はジャック・ホークスワース、パーカー・トンプソン、フランキー・モンテカルボのドライバーラインナップで臨みました。
 予選では、12号車、14号車共にクラス5番手グリッドを確保。
 決勝レースでは、14号車は5番手スタートから序盤トップ5をキープ。バーニコートのスティントでは2位までポジションを上げました。
 しかし、テリッツが2位走行中、ピット作業のトラブルにより、14号車はコース上でホイールが脱落しストップ。ガレージへと戻され、8周遅れと大きくポジションダウンを余儀なくされるも、コースへと復帰。8位でフィニッシュしました。
 12号車はトンプソンが5番手グリッドからスタート。トップ10圏内をキープした後、モンテカルボのスティントで、戦略も効を奏してトップ5へと順位を上げました。さらに、再びトンプソンへとステアリングを託すときには、首位へと浮上。最後の1時間はホークスワースが担当し、首位を快走していましたが、ファイナルラップにまさかの燃料切れに見舞われ、11位でレースを終えることとなりました。

リザルト

クラス順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
GTDプロ8位5番手14ベン・バーニコート
アーロン・テリッツ
バッサー・サリバン14911 Laps
GTD11位5番手12ジャック・ホークスワース
パーカー・トンプソン
フランキー・モンテカルボ
バッサー・サリバン1591 Lap
バッサー・サリバン
バッサー・サリバン

世界耐久選手権(WEC)第4戦 ル・マン
ル・マン24時間

 FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦「ル・マン24時間」が6月11日(水)から15日(日)にかけて、フランス・ル・マンのサルト・サーキットで開催されました。
 今季の同シリーズには、アコーディスASPチームで2台のLEXUS RC F GT3がLMGT3クラスにフル参戦しています。今大会には、78号車をジャック・ホークスワース、フィン・ゲルシッツ、アーノルド・ロビン、87号車はホセ・マリア・ロペス、クレメンス・シュミット、ラズヴァン・ウンブラレスクというドライバーラインナップで24時間のレースに挑みました。
 ル・マン24時間は、レースが長いだけでなく、スケジュールも特別です。前週末には市内での公開車検で、ファンの身近で車両を披露すると共にパレードランも実施。8日(日)はテストデーとしてレースウィーク前唯一の走行が許され、3時間の練習走行が2セッション行われました。ここで全ての出場ドライバーは最低周回を完了する必要があります。このテストデーでは、87号車が両セッションともクラストップタイムをマークする、幸先の良いスタートを切りました。
 11日(水)には2回の練習走行の間に、上位12台によるハイパーポールへの進出をかけた予選が行われました。この2回の練習走行も、1回目は78号車、2回目は87号車がトップタイム。予選では、ロビンの78号車が4番手でハイパーポール進出。ウンブラレスクの87号車は14番手となりました。
 12日(木)のハイパーポールは2回に分けて行われ、12台が進出したハイパーポール1での上位8台がハイパーポール2へと進みます。ゲルシッツがアタックを担当した78号車は7番手タイムでハイパーポール2へと進出。ハイパーポール2では8番手となりました。
 13日(金)は走行はなく、ドライバーパレードなどが行われました。
 14日(土)午後4時、24時間で争われる決勝がスタート。78号車はホークスワース、87号車はシュミットがスタートを担当。8番手スタートの78号車は1周目に3つ順位を上げると、5周目には3位、9周目にはクラストップに浮上。87号車も、14番手スタートから17周目には5位まで順位を上げました。
 その後もドライバーを交代しながら、戦略により順位は上下するものの、上位争いを展開。日が沈み、暗闇の中で周回を重ね、深夜0時の時点では78号車が4位、87号車が5位でこれを追う展開に。
 この夜間走行時には、今大会唯一のセーフティカー導入があり、このタイミングで87号車はブレーキを交換。
 日の出を迎えると、87号車はロペス、78号車はホークスワースが好タイムを連発しながら走行。78号車はその時点でのファステストラップも更新しました。
 残り8時間の時点でも、2台共にトップ5圏内を走行していたLEXUS RC F GT3でしたが、87号車は他車との接触でドライブスルーペナルティ。1時間後にはフルコースイエローでの違反により、再度ドライブスルーペナルティを科されてしまいました。
 20時間目に入ったとき、ゲルシッツのドライブする78号車がポルシェコーナーでコースオフ。車両左側にダメージを負い、なんとか自力でピットへは戻りましたが、足回りの破損によりリタイアとなってしまいました。
 87号車は終盤も着実に走行を続け、クラス5位でチェッカー。挑戦2年目にして、LEXUS RC F GT3は伝統の24時間レースでトップ5フィニッシュを果たしました。

リザルト(LMGT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
5位14番手87ホセ・マリア・ロペス
クレメンス・シュミット
ラズヴァン・ウンブラレスク
アコーディスASP3401 Lap
リタイア8番手78ジャック・ホークスワース
フィン・ゲルシッツ
アーノルド・ロビン
アコーディスASP26872 Laps
アコーディスASP
アコーディスASP

AUTOBACS SUPER GTシリーズ第3戦 セパン
GT 300km RACE

 AUTOBACS SUPER GT第戦「SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025」が6月27日(金)、28日(土)の両日、マレーシアのセパン・サーキットで開催されました。
 SUPER GTシリーズ戦の海外ラウンドが2019年のタイラウンド以来、久々に復活。マレーシアでは2013年以来、12年ぶりの開催となりました。今大会、LEXUS RC F GT3はK-tunes RC F GT3 96号車のみが出場しました。
 12年ぶりの開催ながら、SUPER GTの人気はマレーシアでも高く、多くの地元ファンが来場、大迫力のレースに酔いしれました。
 27日(金)の予選では、96号車はQ1のB組で8番手に終わり、決勝は15番手からスタートすることとなりました。
 28日(土)、暑さを考慮して現地時間午後4時半よりレースがスタート。15番手からスタートした新田守男の96号車は、序盤はポジションをキープ。17周目あたりからドライバー交代のためのピット作業が始まる中、96号車は21周目にピットインし、高木真一へと交代。17位でコースに復帰しました。
 大きなアクシデントもなく、クリーンにレースが進行する中、96号車は最後まで粘り強く走り続け、16位でチェッカーを受けました。

リザルト(GT300クラス)

順位グリッドNo.ドライバー車両名周回トップとの差
16位15番手96新田守男/高木真一K-tunes RC F GT3501 Lap
K-tunes RC F GT3 96号車
K-tunes RC F GT3 96号車

SRO Japan Cup 第1,2戦 SUGO

 SROジャパンカップの第1,2戦が6月13日(金)から15日(日)にかけて、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
 SROジャパンカップは、GT3やGT4車両で争われているGTワールドチャレンジ・アジアシリーズの、日本国内でのレースのみで独立したシリーズ。同シリーズには、K-tunes RC F GT3 96号車が参戦しています。今季、同チームはジェントルマンドライバーの末長一範と、プロフェッショナルドライバーの福住仁嶺という新たなコンビで参戦します。
 14日(土)に行われた予選はあいにくの雨模様に。Q1で、末長がこのウェットコンディションに足を取られてスピン。ガードレールに接触し、車両にダメージを負うこととなってしまいました。Q1の結果で決定されるレース1のスターティンググリッドは、それまでに計測されていたタイムにより15番手。Q2は大事をとって出走を取りやめたため、レース2は最後尾からのスタートとなりました。
 15日(日)は雨も上がりほぼドライコンディション。96号車はメカニックにより完全に修復され、15番手から末長がスタート。すぐにひとつ順位を上げ、中盤に福住へと交代。福住はこのレース中のファステストラップをマークする速さを見せ、ポジションアップ。ピットレーンでの接触による10秒ペナルティを科されることとなりましたが、それでも8位でフィニッシュしました。
 レース2では、17番手からスタートした福住が素晴らしいスタートを切ると次々に前車をパスしていき、4周目には8位までポジションアップ。22周目、5位まで浮上して末長に交代。6位でチェッカーを受けました。

レース1リザルト(GT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
8位15番手96末長一範/福住仁嶺K-tunes Racing3636.252

レース2リザルト(GT3クラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
7位17番手96末長一範/福住仁嶺K-tunes Racing3832.001
K-tunes Racing 96号車
K-tunes Racing 96号車

ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第3戦 富士
富士24時間耐久レース

 5月30日(金)から6月1日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE の第3戦「富士24時間レース」が開催されました。
 今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。シリーズ最長、そして現在国内では唯一の24時間レースに、31号車は、永井宏明/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀/永井秀貴/阪口晴南の6人体制で挑みました。
 30日(金)の予選では、AドライバーとBドライバーのタイム合算で決勝のグリッドを決定。31号車は2列目4番手グリッドを獲得しました。
 31日(土)、午後3時にスタートが予定されていましたが、昼過ぎから降り出した雨はスタート進行中に雷雨となり、1時間遅らせて午後4時にセーフティカー先導で走行が開始されました。4周のセーフティカー走行の後に本格戦がスタート。
 蒲生がドライブする31号車はスタートから30分ほど経過したところでコースオフを喫し、予定外のピットイン。すぐにコースへは復帰したものの、順位を落としてしまいました。
 その後はドライバーを交代しながら着実に走行を続けていましたが、119周目、接触によりステアリング周りにダメージを負い、ピットイン。この修復に2時間以上を要し、優勝争いからは脱落してしまいました。
 しかし、修復を終えた31号車は諦めることなく最後まで走行を続け、長い24時間レースで他のチームもアクシデントに見舞われたこともあり、クラス4位までポジションを挽回してフィニッシュ。貴重な選手権ポイントを獲得しました。

リザルト(ST-Xクラス)

順位グリッドNo.ドライバーチーム周回トップとの差
4位4番手31永井宏明/蒲生尚弥/小林利徠斗/
嵯峨宏紀/永井秀貴/阪口晴南
apr49478 Laps
apr 31号車
apr 31号車

次号のマンスリーレポートは7月29日頃の発行を予定しています。