本格的な夏に突入し、世界中で熱い戦いが繰り広げられています。今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、米国WTSCと、念願の初優勝を飾ったWEC、国内からはSROジャパンカップとスーパー耐久の模様をお送りします。

WeatherTech SportsCar Championship第7戦 モスポート
Chevrolet Grand Prix
7月11日(金)から13日(日)にかけて、カナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアンタイヤ・モスポート・パークで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第7戦が2時間40分のスプリントレースとして行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
予選では、アーロン・テリッツがアタックしたGTDプロクラスの14号車が最前列2番手グリッド。GTDクラスでは、ジャック・ホークスワースがアタックしたGTDクラスの12号車が、今季2度目となるポールポジションを獲得しました。
決勝では、ポールポジションからスタートしたホークスワースの12号車が序盤の36周にわたってレースをリードしました。
中盤にイエローコーションが出されたため、12号車はピットインしてパーカー・トンプソンへとドライバー交代を行いましたが、この時にピットロードでの混雑に阻まれ、10位へと大きく順位を落としてしまいました。
しかし、シリーズ唯一のカナダでのレースで、地元カナダ出身のトンプソンは諦めることなく猛烈な追い上げを開始。チームの素晴らしい戦略も相まって、上位争いに復帰しました。
優勝を目指して戦い続けたトンプソンでしたが、終盤発生した他車のアクシデントによりイエローコーションとなり、そのままチェッカー。それでも12号車は3位でフィニッシュし、今季4度目の表彰台を獲得しました。12号車はドライバー及びチームランキングで2位の座を守っています。
最前列2番手からスタートしたGTDプロクラスの14号車は、テリッツがスタートを担当し、中盤ベン・バーニコートへと交代。バーニコートは交代直後に5周にわたって首位を走行しましたが、12号車同様、レース中盤のイエローコーション時、ピットロードでの混雑に巻き込まれてポジションダウン。バーニコートは最後まで懸命に戦いましたが、8位でチェッカーを受けました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 8位 | 2番手 | 14 | ベン・バーニコート アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 108 | 11.301 |
GTD | 3位 | 1番手 | 12 | ジャック・ホークスワース パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 108 | 7.096 |


世界耐久選手権(WEC)第5戦 サンパウロ
サンパウロ6時間
FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦「サンパウロ6時間」が7月11日(金)から13日(日)にかけて、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで開催されました。
今季の同シリーズには、アコーディスASPチームから2台のLEXUS RC F GT3がLMGT3クラスにフル参戦しています。
前戦ル・マン24時間から1か月、第5戦はシリーズ唯一の南半球での開催となるブラジルラウンド。今季好調なLEXUS RC F GT3は、最初のフリー走行から1,2番手とその速さを示しました。
12日(土)の予選では、ラズヴァン・ウンブラレスクの87号車が2位以下をコンマ4秒引き離す圧倒的なトップタイム。アーノルド・ロビンの78号車も6番手に入り、LEXUS RC F GT3は2台揃ってトップ10グリッドを決定するハイパーポールへの進出を決めました。
ハイパーポールは非常に僅差の争いとなり、クレメンス・シュミットの87号車は僅か0.024秒ポールには届かず、それでも最前列2番手グリッドを獲得。フィン・ゲルシッツの78号車も、87号車と0.09秒差の3番手と好位置につけました。
13日(日)好天の下、気温21度のコンディションで、午前11時半に6時間で争われる決勝のスタートが切られました。87号車のウンブラレスクは、2番手グリッドからそのポジションを守ると、20分ほど過ぎたところで首位を奪い、後続との差を広げていきました。
最初のスティントを終えた時点で、87号車は2位に12秒のリード。78号車はスタートのロビンからゲルシッツへと交代。まもなく2台のLEXUS RC F GT3が1-2体制となりました。
一旦は78号車が首位に立ちますが、87号車がホセ・マリア・ロペスに交代すると、再び首位を奪還。2位との差を30秒近くまで広げました。
3時間を迎える頃、87号車はシュミットへと交代。ここでロペスがピットレーンでの速度違反を取られ、ドライブスルーペナルティを科されましたが、首位の座はキープしました。
78号車は同一週末のWTSC戦に出場しているベン・バーニコートの代役として出場した中山雄一へと交代。中山は後続からの激しい追撃を受けるも、2位の座を守りました。
最後のスティントでは、同じ南米の隣国アルゼンチン出身ということもありブラジルでも人気の高いロペスが再び87号車のステアリングを握り、2位との差をさらに広げると、最後は37秒もの大差をつけてトップチェッカー。WEC参戦2年目のLEXUS RC F GT3に初優勝をもたらしました。
ゲルシッツの78号車は終盤ペースが落ち、5位でチェッカーを受けました。
リザルト(LMGT3クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 2番手 | 87 | ホセ・マリア・ロペス クレメンス・シュミット ラズヴァン・ウンブラレスク | アコーディスASP | 216 | |
5位 | 3番手 | 78 | 中山雄一 フィン・ゲルシッツ アーノルド・ロビン | アコーディスASP | 216 | 47.715 |


SRO Japan Cup 第3,4戦 富士
SROジャパンカップの第3,4戦が7月11日(金)から13日(日)にかけて、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
SROジャパンカップは、GT3やGT4車両で争われているGTワールドチャレンジ・アジアシリーズの、日本国内でのレースのみで独立したシリーズ。同シリーズには、K-tunes RC F GT3 96号車が参戦しています。今季、同チームはジェントルマンドライバーの末長一範と、プロフェッショナルドライバーの福住仁嶺というコンビで参戦しています。
今大会は前大会SUGOよりも参戦車両が7台増え、最多記録を更新する盛況ぶりを見せました。
12日(土)午前9時40分より涼しい気候のもとで予選が行われ、第3戦のグリッドを決定するQ1は15番手ながら、第4戦グリッドを決めるQ2では5番手グリッドを獲得。
午前中の予選に続き、午後4時過ぎに開始された第3戦決勝は、序盤赤旗が出る波乱の展開となったものの、15番手スタートの96号車は、スタートを担当した末長から、後半担当に福住にドライバーチェンジ後、ハイペースでの追い上げを見せ5位フィニッシュを果たしました。
13日(日)の第4戦決勝は、午後2時50分にスタート。この日も2周目にアクシデントが発生し、赤旗中断となるも、残り50分で再開。5番手スタートの96号車は、前半を福住が担当し、上位争いを繰り広げて後半の末長も着実に周回。クラス6位でチェッカーを受けました。
第3戦リザルト(GT3プロアマクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
5位 | 15番手 | 96 | 末長一範/福住仁嶺 | K-tunes Racing | 30 | 43.288 |
第4戦リザルト(GT3プロアマクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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6位 | 5番手 | 96 | 末長一範/福住仁嶺 | K-tunes Racing | 31 | 24.791 |


ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第4戦 SUGO
SUGOスーパー耐久4時間レース
7月5日(土)と6日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE の第4戦「SUGOスーパー耐久4時間レース」が開催されました。
今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。今大会31号車は、鵜飼龍太/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで4時間レースに挑みました。
今大会はクラスごとに2グループに分けられ、それぞれのグループの予選と決勝を1日で行う形式。31号車の属するST-Xクラスはグループ1として、6日(日)に予選と決勝が行われました。通常とは異なり、ノックアウト方式で行われた予選では、31号車は3番手となりました。
気温は30度、路面温度も40度を超える暑さの中で、午後12時40分より4時間で争われる決勝レースがスタート。31号車は小林がスタートを担当し、ポジションアップを狙うも惜しくも及ばず、それでも2位には離されることなく周回を重ねました。
チームごとに異なるピット戦略で順位が入れ替わり、31号車は何度か首位にも浮上。残り30分で嵯峨へと交代し、最後の追い上げを目指しました。16秒あった2位との差を詰めていった嵯峨でしたが、2位にはわずか2.4秒、首位とも6秒差の3位でチェッカー。最後まで僅差の首位を争っての表彰台獲得となりました。
リザルト(ST-Xクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
3位 | 3番手 | 31 | 鵜飼龍太/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀 | apr | 166 | 5.901 |


ENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第5戦 オートポリス
スーパー耐久レース in オートポリス
7月26日(土)と27日(日)の両日、大分県のオートポリスでENEOS スーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE の第5戦「スーパー耐久レース in オートポリス」が開催されました。
今シーズンの同シリーズには、最速のST-XクラスにaprからDENSO LEXUS RC F GT3 31号車が参戦しています。今大会31号車は、レギュラーの永井宏明が急遽欠場となったため、前戦も代役としてドライブした鵜飼龍太と、蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀のドライバーラインナップで5時間レースに挑みました。
26日(土)に行われた予選では、A、Bドライバーのタイム合算で、2番手に0.032秒という僅差ながら31号車がポールポジションを獲得しました。
27日、午前11時のレーススタート時には軽い雨が降り始めましたが、全車スリックのままスタート。雨は強くなることなく間もなく止み、夏空へ。暑さも相まって路面はほぼドライのまま激戦が繰り広げられました。
ポールポジションの31号車はスタートで2台の先行を許し、3位へと後退。31号車は急なドライバー変更によるドライブスルーペナルティを科されながらも、上位争いを続けました。
残り1時間を切って最後のピットを終えた時点で、31号車は2位を走行。そのまま2位でチェッカーを受けましたが、首位を行く車両が残り3分というところで下位カテゴリーの車両と接触したことでタイム加算のペナルティを受けることとなり、31号車はポール・トゥ・ウィンの今季初勝利を飾りました。この勝利で31号車はシリーズランキングでも2位に浮上しました。
リザルト(ST-Xクラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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1位 | 1番手 | 31 | 鵜飼龍太/蒲生尚弥/小林利徠斗/嵯峨宏紀 | apr | 148 |


次号のマンスリーレポートは9月2日頃の発行を予定しています。