今月のLEXUS CUSTOMER RACING マンスリーレポートは、8月の暑さの中で激戦を繰り広げた、米国WeatherTech SportsCar Championshipと国内SUPER GT、SROジャパンカップの模様をお送りします。

WeatherTech SportsCar Championship第8戦 ロードアメリカ
IMSA SportsCar Weekend
8月1日(金)から3日(日)にかけて、米国ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードアメリカで、2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第8戦が2時間40分のスプリント戦として行われました。
今季の同シリーズには、バッサー・サリバンからGTDプロクラスに1台、GTDクラスに1台と計2台のLEXUS RC F GT3が参戦しています。
予選では、GTDプロクラスの14号車が9番手、GTDクラスの12号車が5番手グリッドを獲得しました。
決勝では、GTDプロクラスの14号車はアーロン・テリッツが前半を担当。スタート直後のフルコースコーションでピットインしないアグレッシブな戦略で9番手スタートから順位を上げ、一時は首位を走行。しかし、後半のピット戦略に対し悪いタイミングで出されたフルコースイエローで順位を落とし、9位でフィニッシュしました。
GTDクラスの12号車は、5番手スタートからレースの大半で上位争いを繰り広げていましたが、最後のピットストップをしようとした直前にフルコースイエローとなりピットがクローズされる不運に見舞われ最後尾へ後退。また、他車との接触でドライブスルーペナルティも科され、11位でレースを終えました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 9位 | 9番手 | 14 | ベン・バーニコート アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 62 | 1'27.934 |
GTD | 11位 | 5番手 | 12 | ジャック・ホークスワース パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 62 | 40.801 |


WeatherTech SportsCar Championship第9戦 ヴァージニア
Michelin GT Challenge At VIR
8月22日(金)から24日(日)にかけて、米国ヴァージニア州オールトンのヴァージニア・インターナショナル・レースウェイで2025年WeatherTech SportsCar Championshipシリーズの第9戦が2時間40分のスプリント戦として行われました。
今大会は通常同時に走行するプロトタイプカーが出場せず、GTDプロクラスとGTDクラスのみの「GTオンリー」イベント。このイベントに、バッサー・サリバンからGTDプロクラスとGTDクラスに、シリーズ参戦のLEXUS RC F GT3がそれぞれ1台ずつ出場しました。
予選では、GTDプロクラスの14号車が10番手、GTDクラスの12号車はポールポジションを獲得しました。
決勝では、クラス最後尾の10番手からスタートした14号車は、懸命な走りと、他とは異なるピット戦略でポジションアップを狙いましたが、残念ながらフルコースイエローのタイミングに恵まれず、8位でチェッカー。
ポールポジションからスタートした12号車は、レース序盤にジャック・ホークスワースがペナルティを受け、最後尾に後退。しかし、12号車は諦めずに追い上げを続け、9位でチェッカーを受けました。
リザルト
クラス | 順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
GTDプロ | 8位 | 10番手 | 14 | ベン・バーニコート アーロン・テリッツ | バッサー・サリバン | 81 | 19.560 |
GTD | 9位 | 1番手 | 12 | ジャック・ホークスワース パーカー・トンプソン | バッサー・サリバン | 81 | 12.016 |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第4戦 富士
FUJI GT SPRINT RACE
AUTOBACS SUPER GT第4戦「FUJI GT SPRINT RACE」が8月2日(土)、3日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
今大会はSUPER GTのシリーズ公式戦としては初めてとなるスプリントレースとして開催。1大会2レース制で、土曜と日曜にそれぞれの予選及びレースを行い、1人のドライバーが走行。タイヤ交換義務無し、給油義務無しでサクセスウェイトも無しという、新たなフォーマットでレースが実施されました。
2日(土)、午前11時40分からレース1の予選が行われました。今大会の予選は通常のノックアウト方式ではなく、GT300クラスは20分間の計時方式でグリッドを決定。ANEST IWATA RC F GT3 26号車はイゴール・オオムラ・フラガがアタックし、16番手グリッド。K-tunes RC F GT3 96号車は新田守男のアタックで22番手となりました。
予選に続き、午後3時15分より気温34度、路面温度57度という酷暑の中で、GT500クラスとGT300クラスの混走で争われる決勝レースがスタートしました。
レースは1周目からGT500クラス車両の接触によるクラッシュが発生し、セーフティカーが導入されました 。ここで、96号車は前車と接触し、電装系にトラブルが発生。ピットでの長い修復を余儀なくされてしまいました。
26号車のフラガは、16番手スタートから粘り強い走りを見せ、14位でフィニッシュしました。
3日(日)、午前11時よりレース2の予選が行われ、96号車の高木真一が19番手、26号車の安田裕信は21番手グリッドを獲得しました。
レース2は、GT300とGT500が別々のレースとして、それぞれ50分で戦われました。空にはやや雲がかかり、気温32度、路面温度は42度と前日よりは随分低いコンディションで午後2時15分にスタート。
19番手スタートの96号車高木は好スタートで一気に16位へとジャンプアップ。21番手からスタートした安田の26号車も、スタート直後の混乱をかわして96号車の後方、17位へとポジションを上げました。
その後も96号車は好ペースでの走行を続け、一時は14位へ。GT300クラスは15位までポイントが与えられるため、ポイント獲得をかけたバトルを繰り広げました。
96号車は16位でチェッカーを受けましたが、上位車両がペナルティで降格となったことで、最終結果は15位となり、第2戦以来となるポイント獲得を果たしました。
26号車は18位でフィニッシュしました。
レース1リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
14位 | 16番手 | 26 | イゴール・オオムラ・フラガ | ANEST IWATA RC F GT3 | 32 | 1 Lap |
リタイア | 22番手 | 96 | 新田守男 | K-tunes RC F GT3 | 4 | 29 Laps |
レース2リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
15位 | 19番手 | 96 | 高木真一 | K-tunes RC F GT3 | 31 | 57.713 |
18位 | 21番手 | 26 | 安田裕信 | ANEST IWATA RC F GT3 | 31 | 50.149 |


AUTOBACS SUPER GTシリーズ第5戦 鈴鹿
SUZUKA GT 300km RACE
AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」が8月23日(土)、24日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
23日(土)午後3時15分より、気温34度、路面温度47度と暑いコンディションの中、ノックアウト方式の予選が行われました。
GT300クラスは、Q1は2グループに分けて実施しそれぞれ上位9台がQ2に進みます。Q1のA組ではイゴール・オオムラ・フラガのANEST IWATA RC F GT3 26号車が5番手タイムをマーク。B組では高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が1000分の2秒という僅差で9番手に入り、LEXUS RC F GT3は2台共にQ2進出を決めました。
Q2では安田裕信の26号車が15番手、新田守男の96号車が16番手グリッドを獲得しました。
24日(日)午後3時半より、52周で争われる決勝レースが行われました。この日も好天に恵まれ、気温は35度、路面温度52度と暑いコンディションの中でスタートしました。
15番手グリッドの26号車は安田、16番手グリッドの96号車は新田がスタートを担当し、どちらも序盤はポジションをキープ。26号車は早めの16周でピットイン。96号車は逆にピットをやや遅らせ、24周を終えたところでピットへと向かいました。
96号車は高木へと交代し、19位でコースへ復帰。26号車は20位以下へと順位を落とし、追い上げを目指しましたが、32周目にラジエータのトラブルによるオーバーヒートに見舞われ、痛恨のリタイアとなりました。
96号車は酷暑の中で粘り強く周回を重ねて順位を上げていき、14位でフィニッシュ。2戦連続となるポイント獲得を果たしました。
リザルト(GT300クラス)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | 車両名 | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
14位 | 16番手 | 96 | 新田守男/高木真一 | K-tunes RC F GT3 | 48 | 1 Lap |
リタイア | 15番手 | 50 | イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信 | ANEST IWATA RC F GT3 | 31 | 18 Laps |


SRO Japan Cup 第3大会 岡山
SROジャパンカップの第3大会(第5戦、第6戦)が8月29日(金)から31日(日)にかけて、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
SROジャパンカップは、GT3やGT4車両で争われているGTワールドチャレンジ・アジアシリーズの、日本国内でのレースのみで独立したシリーズで、全4大会8レースで争われています。
今季、同シリーズのGT3プロアマクラスにLEXUS RC F GT3が、末長一範/福住仁嶺組 K-tunes RC F GT3 96号車として参戦しています。
30日の午前中に行われた予選では、レース1(第5戦)が12番手(クラス10番手)、レース2(第6戦)は5番手グリッドを獲得しました。
30日午後4時から1時間で争われたレース1は、フォーメーションラップで1台スタートできなかったため、セーフティカー先導でのスタートに変更され、2周目から本格戦開始。スタートは末永が担当し、11位へと順位を上げました。
20分を経過したところで、クラッシュ車両が発生し、フルコースイエロー(FCY)が導入されました。このFCY中に、ドライバー交代を含むピット作業が可能になったため、前車ピットへ向かい、福住へとドライバーチェンジを行いました。
FCYからセーフティカーへと移行し、各車のマージンが無くなって残り20分で再スタート。
10位でコースに復帰した96号車は、この再スタートでひとつポジションを上げると、周回毎に前車をパスする見事な走りで6位まで順位を上げてチェッカー。レース後、上位車両がペナルティを受けたことで、5位という最終結果となりました。
31日(日)のレース2は、午後1時20分より開始。
他車の降格により2列目4番手グリッドからスタートを切った福住の96号車は、好ダッシュで3位へ浮上。そのポジションを守って前半戦を走り抜き、30分を過ぎたところでピットイン。末永へと交代。全車がピットを終えた時点で、96号車は4位となり、ピット戦略で前に出た車両をパスするべく、激しいバトルを繰り広げました。
しかし、96号車はピットイン時に、規定停止時間に1秒足りなかったとして、ピットで1秒停止のペナルティ。これで10位へと大きく順位を落としてしまいました。
終盤、追い上げを狙った96号車でしたが、9位争いのバトルの中で前車と接触しコースオフ。なんとかピットへ戻り、修復して一旦はコースに復帰しましたが、再度ピットインを余儀なくされ、4周遅れの17位でレースを終えました。
レース1リザルト(総合順位)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
---|---|---|---|---|---|---|
5位 | 12番手 | 96 | 末長一範/福住仁嶺 | K-tunes Racing | 34 | 17.761 |
レース2リザルト(総合順位)
順位 | グリッド | No. | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
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17位 | 5番手 | 96 | 末長一範/福住仁嶺 | K-tunes Racing | 34 | 4 Laps |


次号のマンスリーレポートは9月30日頃の発行を予定しています。