今、世界のモータースポーツシーンで、FIA GT3車両を使用したレースが盛んになっている。このFIA GT3車両は、自動車メーカー各社が市販するレース用GTカー、いわゆるカスタマーレーシングカーだ。その個性や性能を比べ、購入してレースやスポーツ走行に出られるだけに、ドライバーやチームがこぞって使うようになった。日本でもSUPER GTのGT300クラスやスーパー耐久のST-Xクラスなどで、FIA GT3車両が活躍している。
レクサスでも2015年からSUPER GTのGT300クラスにRC F GT3を参戦させており、2017年シーズンにはニューモデルを投入。そしてSUPER GT第2戦富士では、No.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3(中山雄一/坪井翔組)がGT300クラスで優勝。さらに欧米のレースでも好結果を残し、その存在感を高めている。
今年、FIA GT3車両として注目を浴びるようになったLEXUS RC F GT3。このプロジェクトはレクサスにとってどんな意味を持ち、今後どう進んでいくのか? レクサスのモータースポーツ活動を担当するトヨタ自動車(株)GR統括部の高橋敬三主査、RC F GT3開発のプロジェクトリーダーであるトヨタテクノクラフト(株)TRD開発部の湯浅和基氏、そして開発ドライバーを務めている飯田章選手、立川祐路選手に集まっていただき、お話を聞いた。
世界で戦うための速さ、強さ、信頼性は、
レクサスのクルマづくりの延長線上にある
ラグジュアリーブランドであるレクサスが、頂点のモータースポーツとしてSUPER GTのGT500クラスに挑むのは多くの皆さんが想定できること。一方で、カスタマーのためのレーシングカーであるFIA GT3車両を出す理由はどこにあるのでしょうか? また、その開発プロジェクトはどう進められたのでしょうか? 苦しんだ2015年モデルと飛躍の今季モデルの違いなど、まずはRC F GT3プロジェクトの核心部分に迫ります。
クルマの研究開発から競技を支える体制面まで、
レクサスはさらなる進化を追求する
ほぼゼロからの再開発となったLEXUS RC F GT3の2017年モデル。"戦える"レーシングカーを開発するだけでなく、カスタマーレーシングカーであるFIA GT3車両として、世界中のサーキットで活躍するために、多くの工夫が盛り込まれているようです。
そして、レクサスのFIA GT3プロジェクトは、今後どう進んでいくのか? LEXUS RC F GT3開発のキーマン4人に、引き続き語っていただきます。