ニュルブルクリンク基礎知識
約4割ものマシンが離脱する、
超過酷な24時間サバイバル
ここを10周アタックすることは、公道で800kmを走行することと同じ負荷がかかると言われるニュルブルクリンク。そんなコースを24時間レースでは100周以上するわけですから、マシン、ドライバーにとって非常にハードな戦いであることは間違いありません。
走行距離で言うと、2012年にSP8クラスでクラス優勝を果たしたGAZOO RacingのLFA 83号車は147周を周回。1周約25kmとすると、単純に24時間で3,675kmもの距離で、しかも平坦で直線の道のりではなく、曲がりくねった峠道をドライバーが交代しながら走り切ったことになります。
車両も本格レーシングモデルからコンパクトカーがベースの市販車プラスαのモデルと速度差も大きい上に、ドライバーの技量も様々なので、抜く / 抜かれるといった緊張感を常に強いられます。 更にニュルは天気の代わりやすい山岳地帯に位置しているため、天候が不安定で場所によって天気も大きく変わります。例えば、ピットでは晴天でもコース中盤では大雨…と言う事も日常茶飯事なのです。また、夜は照明施設など何もない“真っ暗”なコースをヘッドライトだけを頼りに走ります。ドライバーは1周たりとも安心して走ることができる周回はありません。これらの色々な過酷な要素があり、その要素が絡みあうからこそ完走することが困難なのです。
なお、昨年、2016年はレーススタート後に雹が降る大荒れの天気により約3時間の赤旗中断と言う大波乱で、完走101台/リタイア52台と言うサバイバル戦でした。