ニュルブルクリンク基礎知識

ニュルは、フェス!?
音楽もBBQもビールも楽しむ自由な観戦文化。

2017年は5月27日~28日にかけて行われるニュル24時間レース。決勝は2日間に渡り行われますが、5月22日週からの1週間はレースウィークと呼ばれ、ニュル周辺はまさにお祭り状態となります。サーキットの他、周辺の遊園地やミュージアムショップに世界中のモータースポーツファンが詰めかけ、なんとその数20万人以上! 年に一度のお祭りをみんなで楽しもうと現地はかなりの熱気に包まれます。そのイメージは日本のレース観戦とは全く異なり、例えるならば、演奏者と観客でイベントを作り上げる「FUJI ROCK FESTIVAL」のような音楽フェスに近い物があるかもしれません。

サーキットでの観戦ポイントや観戦スタイルも人それぞれ。グランプリコース側で近代サーキットの雰囲気を味わいながら観戦する人もいれば、緑豊かな北コースの好きなコーナー近くに陣取ってお気に入りのチームに声援を送る人も。北コースでは自分でテントを設営して、アウトドア気分で長時間の観戦に備えるファンも多く、昼間はドイツビールを片手に、あちらこちらでBBQの煙が上がり、走行中のドライバーにまで香ばしい匂いが届きます。また、夜は大音量の音楽とカラフルな照明によりクラブ状態に。

日本でもコースサイドにテントを張ってBBQをしながら観戦というスタイルも最近は増えているようですが、ニュル24時間はスケールが全く違い、例えるならばレースウィーク中にコースサイドで生活をすると言ったほうがいいのかもしれません。日本ではちょっと考えられないレース観戦スタイルですが、これもニュルならではの楽しみ方です。

ちなみに北コースの名物が路面などに描かれた落書き。これはレースの合間に、フェンスを乗り越えてコースへ入り「聖地」ニュルに来た記念や応援メッセージをファンやチーム関係者が書いたもの。なかば伝統として黙認されているので、警備員もおとがめなし。 世界一過酷なサーキットでありながら、自由なスタイルで観戦できるのも、ファンに愛されている理由の一つに違いありません。