TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、6月3日(木)から6日(日)にかけてイタリアのサルディニア島で開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・イタリア サルディニア」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。また、前戦ラリー・ポルトガルで自己最高位の総合4位を獲得した、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もヤリスWRCで出場します。
5月の下旬に開催された今シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベント「ラリー・ポルトガル」で、エバンスは今シーズン初優勝を飾りました。また、オジエはドライバー選手権のリーダーとして、不利な出走順に苦しみながらも総合3位でフィニッシュし選手権首位の座を堅持。優勝のエバンスはオジエと2ポイント差の2位に順位を上げ、3位のライバルに20ポイント差をつけています。また、ロバンペラはポルトガルでは厳しい戦いを強いられましたが、それでもドライバー選手権5位につけており、それを5ポイント差で6位勝田が追う展開となっています。
ラリー・ポルトガル終了後、1週間という短いインターバルを経て、戦いの舞台は地中海に浮かぶイタリア、サルディニア島に移ります。昨年、ラリー・イタリア サルディニアは新型コロナウイルスの影響により10月に順延となりましたが、今年は例年通り6月に開催されます。そのため、昨年よりもかなり高い気温での戦いとなることが予想され、路面は乾燥して荒れる可能性が高く、クルマとタイヤにとって非常に厳しいラリーとなるかもしれません。ステージは全体的にハイスピードですが、道幅はとても狭く、木や茂み、岩などが道のすぐ近くに迫るため、ドライバーにとっては非常に神経を使う、ミスが許されないラリーです。
ラリーの中心となるサービスパークは、昨年まで7年間西海岸のアルゲーロに置かれていましたが、今回はかつて置かれていた、島北東部のオルビアに戻ります。ただし、木曜日夜のセレモニアルスタートはアルゲーロで行われます。金曜日と土曜日は、近年何度も使われてきたステージが中心となり、両日とも4本のステージを各2回走行します。土曜日の午後に2回行われる「ボルティジャーダス-アッジュス-ヴィッダルバ」は、2005年以来久々に使われるステージです。日曜日は例年と全く違うステージ構成となり、2009年大会で使われた「アルツァケーナ-ブラニアトゥギウ」と、新たに北部の海岸に設定される「アリエントゥ-サンタ・テレーザ」のステージを各2回走行。ラリーの最後を飾るSS20、アリエントゥ-サンタ・テレーザの2走目は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で20本、計303.10km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1299.02kmが予定されています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ポルトガルは素晴らしい結果に終わり、次のグラベルラリーとなるサルディニアに向けて良い感触を得ることができました。とはいえ、サルディニアに関しては現実的に考えなければなりません。初日のデイ1でセブとエルフィンの2人は、ステージを最初に走行することになりますが、通常このラリーは早い出走順が最も不利に働くラリーですし、特に今年は夏季の開催に戻ったのでなおさらです。しかし、ポルトガルでは困難なスタートを切った後、うまく立ち直ることができたので、サルディニアでもできるだけ多くのポイントを獲得したいと思っています。大変なチャレンジだとは思いますが、それがラリーの醍醐味でもあります。
セバスチャン・オジエ (ヤリスWRC 1号車)
ポルトガルと同じように、サルディニアでも1番最初に初日のステージを走らなくてはならないので、我々にとっては厳しいラリーになると思います。それでも、チャンピオンシップをリードしていることに満足しています。どのラリーでもできるだけ多くのポイントを獲得しようとしていますが、サルディニアでもそれは変わりません。ポルトガルでは、自分のペースには満足できませんでしたが、結果はポジティブでした。新しいタイヤで初めてグラベルを走ったイベントだったので、もう少しタイヤに対する理解を深めれば、サルディニアではもっとパフォーマンスを引き出せると思います。
エルフィン・エバンス (ヤリスWRC 33号車)
ポルトガルの優勝は、私たちにとって素晴らしい結果でした。週末を通してクルマのセットアップやタイヤに対する理解が進みました。先回はかなりタイトな展開になりましたが、サルディニアに向けてどのようにクルマを改善すればいいのか、皆がいくつかアイデアを持っていると思います。出走順を考えると簡単な週末にはならないでしょうし、予想されているように暖かくてドライなコンディションになれば、昨年10月の大会よりもさらに不利になるかもしれませんが、いつものようにベストを尽くして戦うつもりです。
カッレ・ロバンペラ (ヤリスWRC 69号車)
ポルトガルは残念だったので、サルディニアではより良いラリーができることを願っています。2019年の大会ではWRC 2カテゴリーで優勝していますが、サルディニアのステージはとても難しく、自分のドライビングスタイルに合っているかどうか正直分かりません。昨年はかなりトリッキーなイベントでしたが、今回は、より良いペースで走り、改善したいと思っていますし、既にステージについて多くを学んで準備をしています。ポルトガルでは、路面のグリップが低かった各ステージの1回目の走行で非常に苦労しましたが、日曜日はサルディニアに向けて様々なセットアップを試したので、そこで学んだことを活かせればと思います。
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