WRC 第4戦 クロアチア・ラリー プレビュー 2年ぶりのWRC開催となるクロアチア・ラリーで
大会5連覇と2026年シーズン開幕4連勝に挑む

2026.04.03(金)- 17:00配信

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、4月9日(木)から12日(日)にかけてクロアチアで開催される、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦「クロアチア・ラリー」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計4台のGR YARIS Rally1で参戦。2年ぶりの開催、そして2026年最初の「フルターマック・イベント」となるクロアチアに、大会5連覇とシーズン開幕4連勝を目指して臨みます。

2026 GR YARIS Rally1
2026 GR YARIS Rally1

開幕戦ラリー・モンテカルロではソルベルグが勝利を収め、第2戦ラリー・スウェーデンではエバンスが前年に続き優勝。そして第3戦サファリ・ラリー・ケニアでは勝田がWRC初優勝を飾ったことにより、TGR-WRTは異なる路面のイベントで開幕3連勝を達成しました。そして迎える第4戦は、2024年大会以来2年ぶりの開催となるクロアチア・ラリーです。ラリー・モンテカルロは基本的にはターマック(舗装路)ラリーでありながらも、ステージの一部には雪道もあるため、全ステージが舗装路面で行われるフルターマック・イベントは今シーズン初となります。また、クロアチアの翌々週にスペインで行われる第5戦ラリー・イスラス・カナリアス、5月最終週の第7戦ラリージャパンもターマック・ラリーであるため、約8週間で3戦と、シーズン中盤に向けて集中的にターマック・ラリーが行われます。

これまでクロアチア・ラリーは首都ザグレブを中心に開催されてきましたが、2026年大会は南西方向に約150km移動。アドリア海に面する「リエカ」がホストタウンを務め、やや内陸側に位置する「グロブニク・レーシングサーキット」にサービスパークが置かれます。その結果、ラリーのルートはこれまでと大きく変わることになり、3本を除く全てが新ステージとなります。。クロアチア・ラリーはこれまでも、ターマック・ラリーとしては非常に変化に飛んだステージが多く設定されていました。道幅が狭くツイスティなコーナーが続く低速路、緩やかな弧を描きジャンプやクレストも含む中高速路、そして泥や砂利が多い農道など、様々な特徴を持つステージが入り交じり、舗装のコンディションも頻繁に変化。また、イン側をショートカット可能なコーナーも多いため、路肩の土や砂利が舗装路面に掻き出されてグリップレベルが目まぐるしく変わるなど、非常に難易度の高いターマック・ラリーとして知られてきました。さらに、この時期は雨が降ることも多く、そうなると路面コンディションはさらにトリッキーに。今年は開催エリアが南西に移動することもあり、これまで以上に未知の要素が増えることが予想されます。TGR-WRTはこのラリーが2021年にWRCのカレンダーに加わって以降、2024年まで4年連続で勝利を収めるなど一貫して強さを発揮してきました。ウイナーのひとりであるエバンスは2023年大会を制し、総合2位に2回入るなど安定して好リザルトを残してきました。彼は今シーズン、第3戦終了時点でドライバー選手権をリードしており、それを8ポイント差で2位ソルベルグが、11ポイント差で3位勝田が追う展開となっています。そして今回のクロアチアではこの3人が、マニュファクチャラーズポイントの獲得資格を持つドライバーとして戦いに臨みます。なお、TGR-WRTはマニュファクチャラー選手権でトップに立っており、2位のライバルチームに43ポイントのリードを築いています。

チームの若手選手育成プログラムである「TGR WRCチャレンジプログラム」の第2世代ドライバー、山本雄紀はコ・ドライバーのジェームス・フルトンと共に、GR Yaris Rally2で開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となる実戦復帰を果たします。山本は第2戦ラリー・スウェーデンに向けたプレイベントテストでアクシデントに遭遇。治療に専念するためスウェーデンとサファリ・ラリーを欠場しましたが、完全に回復したことでプログラムに復帰します。彼らは今回、サポート選手権であるWRC2にはエントリーしませんが、ローペ・コルホネン(フィンランド)、テイラー・ギル(オーストラリア)、アレハンドロ・カチョン(スペイン)、カイエタン・カイエタノヴィッチ(ポーランド)、ベルンハルト・テン・ブリンク(オランダ)、ヨハネス・ケファーベック(オーストリア)という6名のドライバーがGR Yaris Rally2でWRC2に挑みます。

ラリーは4月9日木曜日の午前10時過ぎからシェイクダウンが行われ、同日の夜7時20分にリエカで予定されているセレモニアルスタートで幕を開けます。ステージでの戦いは10日金曜日の朝9時過ぎから始まり、リエカの西側エリアが舞台に。アドリア海に大きく突き出すイストリア半島で、デイ1として4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち全長23.78kmのSS3/7は今大会最長のステージとなります。また、8本のステージの合計距離は126.86kmに達し、3日間で最長のステージ距離を走行する長い一日となります。競技2日目となる11日土曜日のデイ2は、リエカの東側エリアが戦いの舞台に。この日はミッドデイサービスの設定がなく、古都カルロヴァツに設定されたタイヤフィッティングゾーンでの15分間の簡易的な整備作業のみで、4本のステージを午前と午後で各2回走行。8本のステージの合計距離は115.96kmとなります。ラリー最終日となる12日の日曜日は、リエカの南東エリアを走行。アドリア海の北部、風光明媚なクヴァルネル湾に向かう2本のステージを、ミッドデイサービスやタイヤフィッティングゾーンを挟むことなく各2回走行。4本のステージの合計距離は57.46kmと、3日間で最短の一日となります。そのうち、SS18の再走ステージとなる最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全20本でその合計距離は300.28km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1134.00kmが予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
サファリ・ラリーは非常に過酷な戦いでしたが、貴元が初優勝を飾ったことはチーム全員にとって素晴らしい出来事でした。これから始まるターマック・ラリー2連戦に向けて、新たな挑戦に臨むことを楽しみにしています。過去クロアチアでは好成績を残しているだけに、2年ぶりの復帰が楽しみですし、同国の別の地域で新たなステージに挑戦できるのも楽しみです。通常、このラリーでは天候が大きな要因となりますが、ドライバーたちは事前のテストで様々なコンディションを経験してきました。グリップレベルが変化する状況下では、自信を持って走れるかどうかが大きな差を生みます。我々のクルマはターマックで良いパフォーマンスを維持していますし、ドライバーたちも最近は自信を持っているようなので、この勢いを良い結果に繋げていくことが目標です。

エルフィン・エバンス / スコット・マーティン
(左から) エルフィン・エバンス / スコット・マーティン

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
クロアチアでは過去に良いリザルトを残してきたので、再び参戦できることを嬉しく思います。路面コンディションが頻繁に変化し、それに伴ってグリップも大きく変わるラリーですが、今年はイベントが海の近くへと移動するため、未知の要素がさらに増えます。現地に到着してから新しいステージがどのようなものかを確認し、レッキではペースノートを新たにたくさん記す必要があります。事前のテストでは路面がかなり濡れていて泥だらけのコンディションでしたが、これはラリー本番で遭遇する状況に近いかもしれません。ただし、いくつかのパーツをリンクして使わなくてはならない、ラリー・イスラス・カナリアスのことも考慮する必要がありました。いつものように、可能な限り最高の結果を目指して戦います。

オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン
(左から) オリバー・ソルベルグ / エリオット・エドモンドソン

オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)
次のイベントで再びターマックに戻れることを嬉しく思います。ラリー・モンテカルロの時点で既に、ターマックで良い感触を得ていましたし、あのラリーのコンディションは非常に特殊でしたが、どのような路面でも競争力を発揮できるという自信を持つことができました。クロアチアには過去2回出場したことがありますが、間違いなくトリッキーなラリーです。コーナーのカットが非常に多いため、路面がかなりダーティで滑りやすからです。いわば、マイルドなモンテカルロといったところでしょうか。今回は国内の新たな地域で、新しいステージが用意されているので、過去の大会とはかなり異なる展開になるかもしれませんが、間違いなく大きなチャレンジになるでしょう。今年はここまで好調なスタートを切ることができたので、この勢いを維持し、さらに学びを深めていきたいと思っています。

勝田 貴元 / アーロン・ジョンストン
(左から) 勝田 貴元 / アーロン・ジョンストン

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
ケニアは自分のキャリアにおいて特別な瞬間でした。その後、日本に帰国したり事前テストに参加するなど忙しい数週間でしたが、体調は良くリラックスしていますし、次のイベントに向けて完全に集中しています。これからターマック・ラリーが2戦続きますし、自分にとってもチームにとっても重要なラリージャパンも控えています。各ラリーはそれぞれかなり特徴が異なりますが、舗装路で色々なことを試し、最適なフィーリングを見つけるための良い機会です。ドライコンディションでもグリップが大きく変化するなど、クロアチアは最もトリッキーなターマックラリーの一つです。自分がテストをした時は大雨に見舞われただけでなく、雪まで降りました。新しいステージも多くあるので、予期せぬ状況にも備えなければなりません。

サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン
(左から) サミ・パヤリ / マルコ・サルミネン

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
ターマック路面に戻り、昨年はカレンダーに組み込まれていなかったこのラリーに出場できることを嬉しく思います。スウェーデン、ケニア、そして今度はまた全く異なる路面のイベントと、シーズン序盤に異なるラリーが続くのは良いことです。このクルマの舗装路でのフィーリングは今のところ良好ですし、昨年末に初表彰台を獲得したのラリージャパンもターマックイベントだったので、とても楽しみです。テストはドライコンディションで、かなり高速で流れるようなコーナーが続く道でしたが、ラリー本番は全く異なるタイプの道を走る可能性があることは理解しています。通常はかなりトリッキーで泥が多く、コーナーのカットも多いコースなので、決して簡単なラリーにはならないと思いますが、手応えは感じています。

山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)
回復は順調で、クロアチアで再びラリーカーを運転できることを本当に楽しみにしています。コーナーのカットや路面の泥や砂利、予測不可能な天候など、クロアチアは非常にトリッキーなラリーです。昨年のヨーロッパ・ラリー選手権を含め過去2回出場した経験がありますし、今年はルートがかなり変わりましたが、どのようなドライビングやクルマのセットアップが求められるかについては、ある程度知識があります。ラリー・モンテカルロ以降、ペースノートなど改善できる点についてしっかりと分析してきたので準備は万端ですし、ワクワクしています。今回もまたWRC2のポイントに関しては獲得対象外となりますが、全てをうまくまとめることができれば良いペースを発揮し、良い結果を残せるはずです。

WRC 第4戦 クロアチア・ラリー 2026 マップ
WRC 第4戦 クロアチア・ラリー 2026 マップ
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