TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、7月30日(木)から8月2日(日)にかけてフィンランドで開催される、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「ラリー・フィンランド」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(1号車)、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(99号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)に、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)を加えた、合計5台のGR YARIS Rally1で参戦。チームのホームイベントでの優勝と、2026年シーズン9勝目の獲得を目指します。
前戦ラリー・エストニアでは24才のパヤリがWRC初優勝を達成。TGR-WRTは今シーズン8勝目を獲得し、マニュファクチャラー選手権におけるリードを156ポイントに拡大しました。それから約1週間のインターバルを経て、チームはラリー・フィンランドに、エストニアと変わらぬ布陣で挑みます。今年もラリーのホストタウンを務めるユヴァスキュラは、TGR-WRTのホームタウンでもあり、チームのファクトリーはサービスパークから約3kmの場所にあります。TGR-WRTは過去に参戦したラリー・フィンランド8大会のうち7大会で優勝しており、昨年はカッレ・ロバンペラが地元開催イベントでの初優勝を達成。また、チームはWRC史上2回目となるトップ5独占を成し遂げました。
今年出場する5人のドライバーのうち、エバンスは2021年と2023年に優勝しており、フィンランド人以外でこのラリーで複数回優勝した4人のドライバーのうちのひとりとなりました。エバンスは現在ドライバー選手権で首位に立っており、2位の勝田に25ポイント差をつけています。今シーズン、ここまでWRCで2勝を挙げている勝田は、TGR WRCチャレンジプログラムの一期生であり、ユヴァスキュラに住みながらラリードライバーとして腕を磨いてきました。慣れ親しんだフィンランドの道で勝田は近年速さを示し、2023年は3位、昨年は2位とこれまで2回表彰台に立っています。その勝田と8ポイント差のドライバー選手権3位に順位上げたのは、エストニアで優勝し、フィンランド人17人目のWRCウイナーとなったパヤリです。パヤリは2024年のラリー・フィンランドで初めてトップカテゴリーのGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブし、4位でフィニッシュ。昨年大会は5位に入りました。そして、パヤリと5ポイント差のドライバー選手権4位につける9度の世界王者オジエは、2013年と2024年のラリー・フィンランドで優勝しています。そのオジエを9ポイント差で追うドライバー選手権5位のソルベルグは、今年開幕戦ラリー・モンテカルロで優勝し、前戦ラリー・エストニアでは総合2位を獲得。ラリー・フィンランドに関しては、2024年にサポート選手権のWRC2で優勝しています。このように、今シーズンはここまでTGR-WRTの5人のドライバーが選手権トップ5につけており、全ドライバーが少なくとも1回は優勝しています。
トップカテゴリーのRally1車両に次ぐパフォーマンスを発揮するRally2車両のRC2クラスに関しては、全部で13台のGR Yaris Rally2がエントリー。そのうちサポート選手権のWRC2には、昨年のラリー・フィンランドでTGR-WRTチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド)を1.1秒差で破りWRC2優勝を手にした、現チャンピオンシップリーダーのローぺ・コルホネン(フィンランド)、前戦エストニアで3位に入ったテーム・スニネン(フィンランド)、テイラー・ギル(オーストラリア)、若手のトゥッカ・カウッピネン(フィンランド)、ヨーセップ・ラルフ・ノーゲネ(エストニア)、アドリアン・モスカ(フランス)、ヨハネス・ケーファーベック(オーストリア)がエントリー。TGR WRCチャレンジプログラムからは昨年のフィンランドで初のベストタイムをラトバラと分け合いWRC2で5位に入った2期生の山本雄紀、WRC2デビュー戦となった前戦エストニアでベストタイムを記録したグローバル生のヤスパー・ヴァヘル(エストニア)、同じくエストニアでWRC2初出場を果たした3期生の後藤正太郎と松下拓未も再びWRC2に挑みます。WRC2以外では、今年もTGR-WRTの一員であるユホ・ハンニネン(フィンランド)をコ・ドライバーに迎えるチーム代表のラトバラと、ベテランのガス・グリーンスミス(イギリス)がGR Yaris Rally2のステアリングを握ります。
Rally3車両によるWRC3カテゴリーには、前戦エストニアでWRC3デビューを果たした、TGR WRCチャレンジプログラム4期生の尾形莉欧と柳杭田貫太が出場。前川富哉は、今回もヤルッコ・ニカラのコ・ドライバーとしてWRC3に挑みます。
WRCを代表する超高速グラベル(未舗装路)イベントであるラリー・フィンランドは、地理的にも比較的近い前戦ラリー・エストニアと基本的なキャラクターは似ていますが、いくつか違いもあります。ステージは全体的によりハイスピードで、クレスト(大きな丘)越えも多くあります。また、路面はエストニア以上に硬質で、ドライコンディションや、やや湿り気を帯びたダンプコンディションでは非常に高いグリップを安定して得ることができます。
今年は開催75周年の記念大会となるラリー・フィンランドは、7月30日(木)の朝9時過ぎから連続ジャンプで有名な「リーヒマキ」のステージでシェイクダウンが行われます。その後、ユヴァスキュラの市街地で午後7時過ぎから始る定番のスーパーSS「ハルユ1」で競技がスタート。森林地帯での本格的な戦いは翌日31日(金)の朝から始まり、デイ2としてユヴァスキュラのサービスパークの北側から東側にかけてのエリアで、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走ります。そのうちSS4/8「シダンマー」と、SS5/9「ホホ」は新しいステージとなります。さらに、一日の最後にはユヴァスキュラの市街地でスーパーSS「ハルユ2」を走行。9本のステージの合計距離は127.72kmと、4日間で最長の一日となります。競技3日目となる8月1日(土)のデイ3は、サービスパークの南西エリアで「パルッコラ」「パイヤラ」「バスティラ」「レウストゥ」という定番の4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。この日も8本のステージの合計距離は125.70kmと、デイ2に匹敵する非常に長い一日となります。ラリー最終日となる8月2日(日)のデイ4は、サービスパークの南西エリアで今大会最長となる30.02kmの「ヒモス-ヤムサ」のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなくSS19/20として2回走行。そのうち2本目のSS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されています。ラリーは4日間で20本のステージを走行し、その合計距離は316.04km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1278.06kmが予定されています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
サミがエストニアで初優勝を飾ったのは本当に素晴らしいことでした。今シーズンの彼の成長を見守ることができて本当に嬉しく思います。また、今シーズンは我々のドライバー5人全員が優勝を果たし、全員が依然としてチャンピオンの可能性を残しているのも特筆すべきことです。彼らは全員、チームのホームイベントであるラリー・フィンランドで優勝する力を備えているので、白熱した戦いが期待できるでしょう。エルフィンとセブはこのラリーで複数回優勝経験があり、貴元は2回表彰台に立っています。オリバーはエストニアで素晴らしい走りを見せ、自信を取り戻しました。サミは勝利できることを証明したばかりですし、フィンランドでも大きな期待を集めています。一方、私自身も豊田章男さんのおかげで、再びホームラリーに出場する機会を得られ、とても感謝しています。WRC2も非常にレベルが高く、激しい戦いになるでしょう。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
ラリー・フィンランドは、カレンダーの中でも特にお気に入りのイベントの一つです。あの道をRally1で走るのは素晴らしい感覚ですし、純粋なドライビングのスリルという点では、シーズン中これ以上のものはありません。競争力を保つためには良いリズムを見つけ、クルマに良いフィーリングを感じることが不可欠ですが、全てがうまくかみ合えば、自信が格段に高まり、運転する喜びを感じることができます。いつものように楽しみにしていますし、私たちにとってより有利なコンディションとなり、最初から上位争いに加われることを願っています。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 1号車)
フィンランドはラリー発祥の地の一つですし、最も運転が楽しいラリーの一つです。そして、特に北欧の速いドライバーたちを相手に勝つことが難しいラリーの一つでもあるため、キャリアの中で2回も優勝できたことは大きな名誉です。5年ぶりにラリー・エストニアに参戦した私たちにとって、あのような道を走るのは容易ではありませんでした。しかし、ラリー・フィンランドでは過去2年間出場して競争力を発揮してきたので、より高い目標を掲げて臨むつもりですし、今からとても楽しみです。
オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)
ラリー・フィンランドは本当に特別です。他に類を見ないチャレンジなので、全ドライバーがキャリアの中で一度は優勝したいと願うラリーです。ステージの流れ、スピード、クレスト、ジャンプなどすべてが最高です。過去にはRally2で何度か良いリザルトを残しましたが、今回初めてTGR-WRTの一員としてホームラリーで素晴らしいクルマに乗り、これほどハイスピードなラリーに出場できることは、間違いなくこれまでで最も特別な経験になるでしょう。エストニアでは安定した走りができたので、再び表彰台に立てれば最高です。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
ラリー・フィンランドは自分にとって第2のホームラリーのようなものです。ラリーを始めた頃にフィンランドに移住し、そこでラリーの知識のほとんどを身につけましたし、今でもユヴァスキュラにはたくさんの友人がいます。このラリーには多くの素晴らしい思い出があります。10年前にWRCデビューを果たしたのもこのラリーでしたし、昨年カッレに次いで2位になれたのは自分にとって特別なことでした。彼が優勝できたことはとても嬉しかったですが、今年はもうひとつ上の順位を目指したいと思っています。このラリーは非常に厳しく、最初から全力で臨まなければならず、ペースノートとクルマへの絶対的な信頼が必要です。それでも手応えは感じているので、ベストを尽くします。
サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
ラリー・エストニアでの優勝は素晴らしく、今でもまだその余韻が残っています。ラリーが終わって2日後にはすでにラリー・フィンランドのテストに参加していたため、勝利を祝ったりリラックスするような時間はほとんどありませんでした。エストニアと同様、このラリーも自分のお気に入りの一つですが、家族や友人の前で、そして多くのファンの応援を受けて地元で戦えるのはより特別なことです。ステージは美しく、走るのが本当に楽しいラリーです。きっと多くの人が2勝目を期待していると思います。ライバルを侮ることはできませんが、もちろんそれを実現したいと思っていますし、今からとても楽しみです。
山本雄紀 (WRCチャレンジプログラム GEN2)
ラリー・フィンランドが待ち遠しいです。自分にとっては第2のホームラリーなので、いつも特別な思い入れがあります。ユヴァスキュラには5年間住んでいるので、街の雰囲気はとても馴染み深く感じられますし、ステージはカレンダーの中で一番美しいと思います。ラリー・エストニアは少し残念な結果に終わってしまったので、フィンランドでは必ず巻き返したいと思っています。昨年は自分にとって本当に良いラリーでしたし、大きな転機となりました。今年も同じように良いフィーリングを持ち続け、週末を通して力強いペースを維持し、トップドライバーたちと戦いたいと思います。
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