EUROPE 2017

欧州走破で知った奥深きクルマ文化

A lesson in European car culture

「もっといいクルマづくり」のために、できることは何か?トヨタにとって一つの解答が、5大陸走破だ。世界中に存在するさまざまな道を走ることで、道に鍛えられ、本当に必要とされるクルマが見えてくる。異なる部署の社員たちがステアリングを握り、数ヶ月間、クルマに没頭する日々を送る。2014年のオーストラリア走破から、北米、南米を経て、2017年はクルマ発祥の地であるヨーロッパへ。奥深きクルマ文化と正面から向き合う旅。

NO.01

ワインディング登攀で求められるもの

NO.02

加減速の速度域の違い

NO.03

データと実際の道の違い

NO.04

速度無制限の道の美しさ

NO.05

高速で感じるクルマ文化の本質

NO.06

運転を楽しむ感性こそが、道標

NO.07

体験が、クルマづくりの 糧となる

NO.08

ヨーロッパで得た、未来への手応え

NO.09

クルマへの愛を交感する道

NO.10

道の上の感覚を解き明かす

NO.11

五感を駆使して走る

NO.12

走る楽しさの前提にあるもの

  • 走破地

    ヨーロッパ大陸

  • 走破国

    23カ国

    ポルトガル/スペイン/フランス/イタリア/スイス/スロベニア/ハンガリー/オーストリア/ポーランド/チェコ/ドイツ/オランダ/イギリス/アイルランド/ベルギー/ノルウェー/デンマーク/リトアニア/ラトビア/エストニア/フィンランド/スウェーデン/ロシア

  • 走破距離

    20,831 km

    TEAM1:6,716 km TEAM2:6,725 km TEAM3:7,390 km

  • 走破日数

    85日間

    TEAM1:2017年8月28日–9月21日 TEAM2:2017年9月20日–10月19日 TEAM3:2017年11月29日–12月22日

  • 走破メンバー

    141名

    TEAM1:43名 TEAM2:44名 TEAM3:54名

  • 走破車両

    のべ11車種

    C-HR HV /ヤリスHV /プリウスPHV /アイゴ/カローラ/ GT86 /ランドクルーザー200 /プロエース/オーリスHV / RAV4 HV / MIRAI

No.01

From Granada to Mojacar 30, August 2017

The challenge of winding hills

ワインディング登攀で求められるもの

スペインのシエラネバダ山脈の麓は、世界各国からプロトタイプが集まる開発の最前線。標高700mから2500mへと登る長いワインディングが続く。C-HR HVを運転したエンジニアリング情報管理部の宇佐美は、「この坂を登るには、やはりパワーが必要なんですよね」と語る。まずは道が求める性能を知ることがクルマづくりの第一歩になる。

Granada

Mojacar

No.02

From Barcelona to Avignon 4, September 2017

Difference in velocity range

加減速の速度域の違い

高い車速で走り、ラウンドアバウトで30kphほどに減速し、また一気に加速する。TMEに所属する三輪は言う。「完全に止まった状態から50kphに加速する日本と違い、ヨーロッパでは30kphから100kphへと加速する性能が求められるんです」。一般道においても、ヨーロッパは車速が高い。加減速の速度域の違いを体に馴染ませていく。

Barcelona

Avignon

No.03

From Praha to Stuttgart 15, September 2017

The difference between data and the real thing

データと実際の道の違い

ハンガリー、ポーランド、チェコと毎日違う国を走ると、環境がガラリと変わる。東欧の田舎道では、パッチワークのように舗装されていた。日本ではパソコンでボデー強度のシミュレーションを行っている車両実験部の藤井は、「ヨーロッパの道は世界中で見れば“いい道”なんです。でも実際は厳しい」。その凸凹道を毎日、高い車速で走っていく。

Praha

Stuttgart

No.04

From Stuttgart to Nürburgring 18, September 2017

Beauty of autobahn

速度無制限の道の美しさ

ドイツのアウトバーンが「美しい」と、凄腕技能養成部の関谷の目には映っていた。スムースにレーンチェンジをし、速度の速いクルマと遅いクルマが混在していても秩序が保たれている。その“美しさ”を実現しているのは、ドライバーのクルマへの意識と基本性能の高さ。その姿を「クルマがクルマらしく走れる国」と関谷は、表現した。

Stuttgart

Nürburgring

No.05

From Cologne to Stuttgart 25, September 2017

The essence of car culture that feels at autobahn

高速で感じるクルマ文化の本質

クルマ文化とは、単にクルマの性能が高いことを指すのではない。トヨタ自動車九州設計部の前田がアウトバーンで感じたのは、「意思の重要性」だという。「ウィンカーを出し意思表示をしたら、必ず入れてくれるんです」。高速で走りながら他のクルマと意思疎通ができること。成熟した人とクルマの関係を知ることも、走破の目的の一つ。

Cologne

Stuttgart

No.06

From Düsseldorf to The Hague 3, October 2017

'FUN TO DRIVE' is the signpost

運転を楽しむ感性こそが、道標

オランダのハーグへと向かう途中で訪れたディーラーで語られたのは、ヨーロッパにおける「EVの波」。HVシステム制御開発部の栗原は、「ストップ&ゴーが少なく、高速で走る状況の多いヨーロッパに適したクルマ」について思いを馳せる。だが、必要なのは燃費性能だけでなく「FUN TO DRIVE」。その感性が、未来へと繋がる道標となる。

Düsseldorf

The Hague

No.07

From Birmingham to Windermere 9, October 2017

Experience is a source of car making

体験が、クルマづくりの糧となる

車両開発部の中西は、道路状況だけでなく縁石やガードレールの高さまで調査をしていた。新たに作るテストコースの管理者でもある中西にとっては、目に映るすべてが仕事へと直結している。「人の経験や感覚はすごいんです。機械に負けないアナライザーですから」。欧州走破での“体験”は、テストコースに落とし込まれ、良いクルマづくりへの糧となる。

Birmingham

Windermere

No.08

From Valenciennes to Spa 18, October 2017

Response to the future gained in Europe

ヨーロッパで得た、未来への手応え

凄腕技能養成部の田中は、ヨーロッパのさまざまな場面で要求された「さらにいいクルマをつくれ、今以上にパワーが欲しい」という言葉を、「激励をいただいたように思う」と振り返った。「ヨーロッパのクルマに近づいてきた感触はあるんです。でも、もっとやらなければいけない」。その手応えこそが、いいクルマづくりへの手がかりになる。

Valenciennes

Spa

No.09

From Odense to Hamburg 1, December 2017

A shared love of cars

クルマへの愛を交感する道

ハンブルグへ向かう道中、トヨタ自動車東日本第1実験部の伊藤は、トルコから参加したケマルと話を弾ませていた。「彼、クルマが大好きなんです」。普段、同僚とは分野に特化した話は交わすが、クルマそのものについて語る機会は少ないと伊藤は話す。欧州走破は、世界の仲間達と“もっといいクルマづくり”への信念を確かめ合う道のりでもある。

Valenciennes

Spa

No.10

From Białystok to Kaunas 7, December 2017

Interpreting sensations on the road

道の上の感覚を解き明かす

“FUN TO DRIVE”のFUNとは何か、走破隊は毎日探っている。延々と続くハイウェイを走った日のミーティングには、「欧州のユーザーは、AT車の良さに気づいているか」という議題が上がった。議論を重ねた末、単調な道を長時間走る場合はAT車の方が楽しいのではという結論に。欧州のメンバー達と走るからこそ深まる理解。クルマを走らせる楽しさに国境は引かせない。

Valenciennes

Spa

No.11

From Umeå to Arjeplog 14, December 2017

Driving with all five senses

五感を駆使して走る

厳冬期の北欧の道では、対向車が巻き上げた雪が視界を遮断する“ホワイトアウト”が起こりやすい。MSボデー設計部の浦口は、そんな状況を“耳”を使って突破していた。「轍は音が異なります。これまで私にとって、振動音はノイズでした。視界以外の感覚で得られる情報は多々あるんです」。いいクルマづくりへのセンサーは日を追って研ぎ澄まされていく。

Valenciennes

Spa

No.12

From Arvidsjaur to Rovaniemi 18, December 2017

Ensuring a fun drive

走る楽しさの前提にあるもの

メンバーたちが口を揃えて語るのが“基本性能”の重要さだ。広報部の佐久間は「仕事柄、新車の先進機能に目が行きがちですが、北欧では“当たり前”の性能が非常に大切です」と痛感する。走る・曲がる・止まるに加え、ミラー、ライト、ワイパー、ウォッシャーの性能が安全で楽しい運転に不可欠になる。欧州走破は、クルマを一から見直す道であった。

Valenciennes

Spa

偉大なる大地、アフリカへ

To the vast continent of Africa

長い時間をかけて蓄積され、成熟した“文化”が深く根付いた、 クルマ発祥の地を巡る旅は目的地へと無事にたどり着いた。 現地で数々の道を走ることでセンサーは磨かれ、 研ぎ澄まされた意思はクルマの未来を紡いでいくだろう。 だが、走破の旅は終わらない。 次なるは、偉大なる大地、アフリカ。 クルマの未来を創造するための道のりは続いていく。