Meet a modern cowboy
Report 2015.06.22-07.04 FROM TORRANCE TO ATLANTA
#01
現代のカウボーイと会う。
北米走破の旅は、2017年に全米トヨタの本拠地となる予定のテキサス州プレイノをスタート地点に始まった。その土地に暮らす人々との出会いが、旅の目的でもある。現地現物。実際にそのクルマを生活の一部として暮らしている人々の話ほど、重要な情報はない。
テキサス・サンアントニオでは、牧場主と会った。かつての牧畜業のイメージではなく、石油と天然ガスを採掘する現代のカウボーイたちは、巨大な重機をピックアップトラックの荷台に乗せて、荒れた路面を走る。ガソリンスタンドまで50km以上離れた土地に暮らす彼らに必要な機能は、大きなガソリンタンクと圧倒的なパワーだった。
ハイウェイが知らせる都市の境界。
牧場やトウモロコシ畑に囲まれた、荒れた二車線道路10車線もの巨大な道路へと広がった。9割を占めていたトラックの姿は、ほとんどが乗用車に変わり、眼前のビル群へ吸い込まれる。アメリカでは、ハイウェイを走る車の変化が、都市に近づいていることを知らせてくれる。テキサスの大都市ヒューストンを経て、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、フロリダを走り、ジョージア州へ。
竜巻の生まれる土地を走る。
メキシコ湾沿いのエリアでは、毎日、滝のような雨に遭遇した。眩しいほどの晴天が一気に視界を奪うような豪雨になる。竜巻が発生する土地の強烈なインパクト。コンクリートでできた路面は水を吸い込まない。雨を流すために横溝がつけられ、うねりや段差も多い。不規則な外乱の多い路面で求められるのは直進性の高い、どっしりとしたクルマ。速度制限ギリギリを定常とした長いハイウェイを走って、アトランタに到着する。竜巻を引き起こしていた湿度の高い空気は、少しずつ爽やかな風に変わっていった。