Past the long, hot summer
Report 2015.08.27 - 09.09 FROM SOUTH LAKE TAHOE TO LAS VEGAS
#06
熱く長い夏の先へ
カリフォルニア州の東端レイクタホを発し、クルマを東に向かって走らせると、ネバダ州に入る。山岳地帯を通過しオレゴン州のメドフォードに北上する道中にはラッセン火山国立公園やモドック国立森林公園など、数多くの国立公園が点在する。西海岸の海に対して、カリフォルニアの東側は雄大な山々に囲まれたエリアであり、ドライバーの目を楽しませてくれる。
メドフォードから次の目的地のポートランドまでは約450㎞。アンプクア国立森林公園の森が広がるハイウェイ5号線を、チームは更に北へと走る。
州を跨ぎ、時間をも飛び越えて
ポートランドからアイダホナンパへの行程は、この夏の走破では最も長く、州を跨ぎ、さらに時差をも飛び越える長丁場。ハイウェイ84号線を東へと進む道のりには、左手にコロンビア川が流れ、振り返ればフッド山(標高3429m)を望むことができる。流れる景色が大きく変わらない反面、路面の状態は目まぐるしく変化する。この辺りには放牧されている牛や馬が多く見られ、道路上には車と接触したと思われる動物たちの姿も眼に飛び込んで来る。雄大な自然を前に、ドライバーは一瞬たりとも気が抜けない。
塩の大地
ナンパを超えると、そこから150㎞先にはボンネビル・ソルトフラッツがある。その大きさは100平方kmにも及び、塩の大地がどこまでも続くように広がっている。
毎年8月のスピードウィークになると地上最速を競うレースが開催されるこの場所は、スピードドライブのメッカだ。この真っ白な平原で、クルマは己の限界を知り、その限界の先へと踏み出していくのだ。
クルマづくりのタスキ
北米での夏の走破がはじまった6/24から79日目、昨年のオーストラリアから受け継がれたタスキを胸に、走破チームがラスベガスで夏のゴールを切った。“もっといいクルマづくり”のための走破。その答えは決して用意されているものではなかった。一台のクルマに国境を越えた仲間と乗り込む。その中での対話、現地の人と触れ合いを通じて北米の文化を知る。日々変わる環境に適応するべく改善を重ねる。異国の地で行ったその全ての活動が、“もっといいクルマ”に繋がるのだ。メンバー達はこの地で得た知見を持ち帰り、冬の走破へと引き継ぐ。そしてその先も、クルマづくりのタスキはトヨタの仲間たちに引き継がれていく。