周りに惑わされず自らのペースを守れるかが勝負と意欲を漲らせる、1号車三橋ドライバー/ゲネックナビゲーター
リム落ちや不運なスタックに見舞われ、序盤で苦しむ1号車
ダカールラリー2012は、アルゼンチンの“マル・デル・プラタ”からペルーの“リマ”を走行する全長8374km(競技区間4191km)の戦い。昨年との大きな違いは、ペルーが新たなコースとして加わっており、また、競技を行う走行距離が全体的に短くなっていることだ。
TLCは、例年2台の車両で参戦している。1号車は昨年、市販車部門で優勝した三橋淳ドライバーとアラン・ゲネックナビゲーターのペア、2号車は寺田昌弘ドライバーと田中幸佑ナビゲーターのペア(昨年、市販車部門6位)と、昨年と同じペアで今年も参戦。1号車は市販車部門7連覇を目指して挑み、2号車は1号車をサポートするという役割分担はあるものの、今年は1号車2号車で市販車部門1・2フィニッシュを狙えるレベルに準備ができていた。
「チーム体制は昨年とほぼ同じですが、今大会で勝利の方程式を確立させるつもりです。7連覇にとどまらず、8、9と連覇の記録を伸ばせられる磐石のチーム体制を築きたい。」TLCの監督を2008年4月から務める森達人はスタート前から力強く語っていた。
そしてアルゼンチンの“マル・デル・プラタ”から現地時間の2012年1月1日、ダカールラリー2012がスタートした。
今大会は、1月1日~15日の間、1日毎に走行区間が区切られた、計14ステージの競技が行われる。
ミスなく上位を目指すと意気込む、2号車寺田ドライバー/田中ナビゲーター
快調な走りで、砂地を落ち着いて走破した2号車
序盤では、例年に比べると流れが悪く、前方の車両を追い抜くのに手間取ったり、リム落ち※2に見舞われたり、思うようにタイムが伸ばせない。さらに、オートバイが目の前で転倒、それを避けようとしてスタック※3してしまう不運な出来事もあった。
2008年からTLCに加入し、3回の優勝を果たしている三橋ドライバーはこう語る。「初日にリム落ちがあって、その修理に3分かけたら、スペシャルステージ(競技区間)総合で63位となってしまった。順位が下がったことにより翌日のスタート順が遅くなり、前方の車両を追い抜くのに手間取ってしまった。そういった不運が続き、序盤はリズムに乗れなかった。」序盤のステージでは競技区間の距離が短い為、3分のストップが大きく順位を下げることになってしまうのだ。
そういった中でも、着実に順位を上げ、第3ステージでは市販車部門の首位に立った。
一方、2号車は序盤、非常に良い状態で走行ができた。前方を遮る車両がほとんどなく、リスクが少ない状態で着実に走ることができた。
トヨタ車体の社内公募で選ばれ、今大会で2年目となる田中ナビは「自分としては、初日は緊張感もあり、うまく出来なかったが、2日目、3日目と徐々に調子が上がった」と語る。
そんな順調にいっていた2号車だったが、第4ステージでアクシデントに見舞われる。
- ※2 リム落ち:ホイールからタイヤが外れてしまう状態
- ※3 スタック:車両がドロ、砂、土、雪などにはまり込んで自力で抜けなくなった状態